多宝塔について

全国信者の願いの成就が
平成の伽藍を生み出した。

蓮華院誕生寺の
新たな願いの塔 
多宝塔

当寺は平成9年に、本院に五重塔を建立しました。五重塔は仏さまの慈悲を象徴します。一方、このたび落慶する多宝塔は仏さまの智慧の象徴です。
850年大遠忌をお迎えして大地から湧き出すように聳え立つ二つの塔は、全国の苦悩の人々を救い、願い事を叶え続けて頂いた皇円大菩薩のお力の証として立ち続けます。二つの塔の並び立つ姿は全国でも稀で、これから当寺を訪れる有縁の人々に、慈雨の如くご利益を与え続けることでしょう。

多宝塔01 多宝塔02
多宝塔とは
多宝塔は下層が方形(正方形)のお堂と方形の屋根を持ち、上層が円形に方形の屋根を持つ二重の塔形式の仏塔です。
この様な多宝塔様式を持つ高野山の根本大塔は、平安初期に弘法大師空海上人によって発願され、二代真然大徳によって西暦887年頃に完成しています。
まさに弘法大師によってデザインされた日本独自な建築様式がこの多宝塔なのです。

弘法大師はさらに同じ多宝塔様式の西塔も発願されています。
それは弘法大師が体系化した真言密教の基本的な教えに基づき、金剛界と胎蔵界の二つを智(知恵=智慧)と理(慈悲)に配して、根本大塔が智を象徴し西塔が理を象徴しています。
多宝塔の建設では、方形の下層に円形の上層を重ねるため、工法的に極めて高度な技法が求められます。
なお多宝塔で国宝・重文に指定されて現存する塔は全国に40基以上を数えますが、今回の蓮華院誕生寺の多宝塔は日本最南端の多宝塔となります。

蓮華院誕生寺の多宝塔
蓮華院誕生寺は真言律宗(真言宗西大寺派)に属しており、真言密教の根本精神である金剛界と胎蔵界のそれぞれを象徴する五重塔(胎蔵界)と多宝塔(金剛界)を建立すべく、30年ほど前から建立を進めてきました。
蓮華院誕生寺の御本尊皇円大菩薩の衆生済度の誓願は智慧と慈悲に収斂します。
この慈悲を象徴する五重塔を20年前に建立し、このたび智慧を象徴する多宝塔を建立する事によって、未来に向かって更なる社会浄化と世界平和に邁進する礎となるでしょう。
合掌

※多宝塔は年に3度、1月13日、4月29日、6月13日に五重塔とともにご開帳、一般公開いたします。