こどものポエム・コンクール
第一回こどもの詩コンクール(平成二年)の最優秀作品三点をご紹介いいたします。約三千点の詩の中から坂村真民先生がお選びくださったものです。
お母さん

(黒石原養護学校中学部 藤本猛夫)

母さんは
にこにこして病棟にくる
やさしさが顔にあふれていて
ぼくは美しいと思う
ぼくの心はシャボン玉のようにはねてくる
母さんがいぐさの話をするとき
母さんのひとみは光っている
仕事にほこりをもっているんだろう
ぼくたちは散歩に行く
母さんはすいすいと車いすをおしてくれる
みなれた風景だけど
母さんがいると変わってしまう

時間がとぶように流れる
「じゃ またくっけんね」
ふりかえり ふりかえり
母さんはかえった
ぼくは小さい声で
「母さんのカツカレーはうまかったよ」
と、言ってみた

一輪の花

(一の宮中学校 井手弘美)

一輪の花

家の中に咲いている一輪の花

それは私の宝物

私が生まれた時から咲いている

家の中を明るくしてくれる

私はその甘いみつを

吸ってばかりいた

こんなに大きくなれたのは

家の中にいつもいつも

咲いていた花のおかげ

それはお母さん

ありがとう

かあさんは

(内牧小学校 山内ゆき)

かあさんは
神様さ
わたしに生命 あたえてくれた

かあさんは
太陽さ
わたしに光を あたえてくれた

かあさんは
大地さ
わたしに力をあたえてくれた

そしてさ そしてさ
かあさんは
わたしに
つばさ
あたえてくれる

詩集おとうさん・おかあさん