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2018年01月27日大日乃光第2198号
八百五十年目の節分を前に心を正して運勢を切り開こう

前向きな心構えと真剣な祈りが幸せの秘訣
 
皆さんよくお参りになりました。
 
さて、気付かなかった方も多いと思いますが、先程三礼が終わり、お参りを始めたその刹那、数珠が切れました。前にこの数珠が切れたのは、母の四十九日供養のお参りの時でした。その時「母は完全に成佛したんだなー」と実感しました。
 
よく数珠が切れると「縁が切れる」などと言って、あまり良くない兆しに思う方が多いと思いますが、私は「あー願いが成就したなー!」とその時思いました。
 
本年の初まいりの事始めに数珠の糸が切れたのも、「これまでの長年の蓮華院の中興への歩みが成就したのだなあー」と実感したのです。それと同じように、皆さんがここにお参りに来られた時点で、お参りの始まる前からすでに御利益を頂いておられる事も実感しました。
 
このように、普通なら縁起が良くないとされている事であっても、それをどのように受け取めるか、心の持ち方次第で生き方が全然変わってきます。前向きに、スパッと切り替えられるかどうかがとても大事です。
 
今の奥之院の大佛様(御霊廟)の場所に、以前は開山上人様が昭和四十七年に建立された八角形の御霊廟という御堂がありました。それが三十年程前に、台風によって吹き飛ばされてしまいました。その時、先代が私にこう言われました。
 
「今の奥之院の立派な伽藍の中で、あの御堂はあまり形が良くなかった」と。
御霊廟は、寺社建築の専門家ではない地元の大工さんに依頼して建立されたものでした。
「かと言って、先代が造られたものをおいそれと壊すわけにはいかんので、台風が吹き飛ばしてくれて却って踏ん切りがついた」とこう言われたのです。
 
この逆転の発想、そういう風に思える事。一見不幸に思える様々な小さな出来事を、「巡り廻ってあのお陰で気持ちを引き締められた」とか、「あの事があったお陰で、家族が更にまとまった」とか、「事故に遭って、初めて護られている事を実感した」など、災いを転じて良い事として捉えるのです。
 
これを日本人は昔から、『笑う門には福来る』と、非常に良い言葉で言い習わしてきました。
福が来たから笑っているのではありません。七億円ジャンボ宝くじが当たったから笑っているのではないのです。いつもニコニコ笑っているから宝くじが当たったのです。正月から沢山の人が、もう何度も笑っておられると思いますが、この事をしっかり心に留めて下さい。
 
反対は何かと言えば、『泣きっ面に蜂』です。「運が悪い、運が悪い」と言っている人は、いつも泣きっ面をしています。だから蜂が刺しに来るのです。蜂が刺したから泣いているのではありません。泣いていたから蜂が刺しに来たのです。
 
いつも不幸な暗い顔をしてしょんぼりしていると、ますます良い事はありません。心の持ち方によって受け取め方が全く変わり、運勢も違ってくるのです。
 
幸せになるための方法は、このように前向きで積極的な心の持ち方を保つ事です。そして真剣に祈る事が大事です。『切に願う事は必ず遂ぐるなり』真剣に願ったことは必ず成就すると信じ切ってお参りする事が大切です。
 
八百五十年大祭で稚児行列の果たす大切な役割
 
さて、今年NHKの大河ドラマで『西郷どん』(せごどん)が始まりました。近代史の中で西郷隆盛ほど沢山の伝記が書かれている人はいないと言えるほど、今でも人気の高い人物です。〝せごどん〟と言うのは鹿児島弁です。
 
そしてさらに来年の大河ドラマは玉名の人が主人公の『いだてん』です。金栗四三(しぞう)という玉名市の名誉市民第一号の人です。坂村真民先生と同じ旧制玉名中学(現玉名高校)出身で、「日本マラソンの父」と言われる方です。
 
ついこの間箱根駅伝がありました。その大会を始めた人です。毎年最優秀選手には、「金栗四三杯」が贈られています。そういった意味では、今、玉名に風が向いています。市長さんも変わり、新しい気持ちで玉名を盛り上げて行かれると思います。
 
そういう中にあって、まさに皇円大菩薩様がここ玉名でお生まれになったお陰で、今、皆さんここに居られるわけですし、蓮華院が建っているわけです。
 
そして何と言っても、今年はその皇円大菩薩様の御入定八百五十年というとても有り難い記念すべき年になるわけです。そういう年に巡り遇える事がいかに有り難いのか、という事を実感しています。
 
そこで、「あの時お稚児さんで参加したよね。有り難かったねー」という風に、子供達の心の中に皇円大菩薩様とのご縁の種を蒔いて頂きたいのです。お稚児さんには、このようにとても大事な意味があります。
 
子どもやお孫さん、さらにその友達にも、ぜひ八百五十年大祭の「稚児行列」への参加を勧めて下さい。そして皇円大菩薩様の有り難いお慈悲へのご縁繋ぎを広めて下さい。こういうきっかけにも大きな意味があるのです。
 
ここにいる弟の宗務長は、五十年前に稚児行列に出た事を憶えているほどです。その時、弟はお稚児さんではなくて、小僧さんの格好だったと思います。
 
私の父は次男です。伯父が政治家になりましたから「あーそうか…ここは長男ではなく、次男が僧侶になるんだ」と勝手に思い込み、一方弟は小さい頃から「僕、お坊さんになる」と言っていたものですから、「あーよかった、こんなお寺のお坊さんはさぞ大変だろう」と、僧侶にならなくて済むならそれにこしたことはないと思っていました。しかし開山上人様のお計らいで、とうとう佛道に引き戻されました。
 
そういう様々な経緯の中で、小さい頃からの思い出や記憶、その時にあった出来事などが、ふっと自分を一つの方向に向かわせる大きなきっかけになっていったと思います。
 
節分に当たり、積極的に運勢を切り開こう
 
さて、毎年恒例の「星まつり」が目前に迫ってまいりました。これこそ心の持ち方を切り換える、年に一度の貴重な機会です。大難を小難に、小難を無難に転ずる密教秘法の開運御祈祷です。
 
先にお話ししたように心構えを前向きに、積極的な傾向に切り変えるための、最も相応しい伝統ある御祈祷です。この運勢が転換する節分に、心をギヤチェンジして、皇円大菩薩様の絶大なる御霊力を頂きながらスムーズに意識と運勢を切り換えて下さい。
 
そのために、私は二月一日から三日間、早暁から三座の護摩を焚き、皆さんの開運厄除を一心に祈念致します。
 
子どもの詩コンクールの詩集で家庭に親孝行を取り戻そう
 
ところで第二十八回目の「子供の詩コンクール」を昨年も開催致しました。入選作を編集して、色々写真を載せています。今回で二十八冊目になります。
 
これを子供達と一緒に読んだり、読み聞かせをすると、とても良い情操教育になります。
ぜひお子さんやお孫さん達への少し遅いお年玉代わりにして、子供や孫達の家庭にプレゼントして下さい。お客さんを迎える商売の人はお店に置かれるにも良い本だと思います。
 
親を大切にする事、お父さん、お母さんに対して有り難いと思う気持ちは人間教育の一番最初の大事な基本です。
 
昔はよく「親孝行」と言っておりましたが、この「孝行」という言葉も今やすっかり忘れ去られ、日常的に使われる事がほとんどありません。
 
「子供の詩コンクール」の催しは、この事を子供の頃からもう一度、各家庭でしっかりやろうという先代の思いの込められた運動でありますから、ぜひ皆さん各家庭でこの第二十八巻目の「子供の詩集」を求めて頂きたいと思います。合掌




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