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2019年01月18日大日乃光第2229号
家庭生活の四項目を実践し願いを叶えて社会を輝かせよう

国内各地からお参りされた信者の皆様、新年明けましておめでとうございます。本年は今上陛下から皇太子殿下に御代替わりの記念すべき年になります。
 
昭和から平成に変わったあの時の様な衝撃や張り詰めた空気は少ないのかもしれませんが、やはり私たち日本人は元号が変わる御代替わりに、特別な感慨を覚えずにはいられません。
それと同時に私達にとっては、天皇陛下の御存在と悠久の我が国の歴史に思いを馳せる、貴重な機会にもなることでしょう。
 
願い事を叶えるための三つの条件とは?
 
さて、皆さんは今日の初まいりで御本尊皇円大菩薩様にどんなお願いをされたでしょうか?そしてどんなご報告をされたでしょうか?
 
度々お話ししている事ですが、願い事を叶えるために必要な条件が三つあります。
先ず最初に、絶対にこの願いを叶えて頂きたいという貴方ご自身の強い思いが大切です。これは私たちが佛様に向きあう時の大切な心構えであります。
 
そしてそれに対する佛様からの働きかけが私達に流れ込んでくる。これが二番目のそして最も有り難いお力です。開山上人様は、「願い事は皆叶わねばならない。そのためには御本尊皇円大菩薩様の御心に適わねばならない!」とよく仰っておられました。
 
願い事そのものが正しい願い、良き願いであれば、皇円大菩薩様の大慈大悲の御心に適っているのですから、自ずから実現するということです。
 
皇円大菩薩様は『末世の衆生(生きとし生ける全ての命)を救いたい』という大いなる願い(御誓願)を以て、今から八百五十一年前の六月十三日、長い寿命を持つ龍神に化身されて修行に入られました。この広大無辺な御誓願(慈悲の御心)によって、皆さんの様々な願いを叶えて頂けるのです。
 
そして三番目には、国家・社会、そして周りの人々などのお陰で私達は生かされているのですから、世の中のために役に立つ願いでなければなりません。この事を別な言葉で表せば「社会が求め、佛様が求められる事は必ず実現する」ということです。
 
以上を整理してみますと、
一、御本尊様に向き合う皆さんの心
つまり皆さんご自身の佛様に向かう心構えと祈りの力。
二、皇円大菩薩様の御誓願である衆生済度の救済力
即ち、広く深い大慈大悲の救済力。
三、周りの人々や社会情勢のあり方とその影響力
これを、
以我功徳力 如来加持力
及以法界力 普供養而住
と、真言宗では「三力の偈」として、日々の修法で必ず唱えます。
この三つの力が大切となるのです。
 
当山ではそれに加えて、貫主である歴代の住職の法力が加わって四力となるのです。
 
 
「腰骨を立てる」事を日常生活の四項目に加える
 
毎年、新年最初の御縁日には日常生活の三つの良き習慣として、

(1)家族の間で互いに挨拶し合い、毎朝佛壇にお参りして佛様、ご先祖様へのご挨拶をしましょう。
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(2)食事の時、合掌して「頂きます」「ご馳走様」と言いましょう。
 
(3)履き物を揃えましょう。
 
と必ずお伝えして来ました。それに加えて数年前から、
 
(4)腰骨を立て、背筋を伸ばす習慣を身に付けましょう。
と、第四の項目を加えています。
 
皆さんはこれらを実行しておられるでしょうか?まだ実行していないという方は、今日からでももう一度思いを新たにして、家庭で是非とも実行して下さい。
 

(1)朝の挨拶は出来るだけ大きな声で、お互いに元気に心を交換しあうような気持ちで声を掛けあって下さい。必ずや、一日のスタートが元気に始まるきっかけになると確信します。
 
(2)食事の時の「頂きます」「ご馳走様」の言葉も少し大きな声を出して、心を籠めて下さい。
全ての生きとし生けるものへの感謝の心がより確かなものになるはずです。先ず親が実行して見せる事が大切です。
 
(3)履き物を揃える事で、落ち着いた心を育みます。そして家族の心も揃ってくるはずです。玄関の履き物だけでなく、トイレのスリッパを向こう向きに揃える事で、知らず知らずの内に相手を思いやる心、次に使う人への思いやりの心が育ち、家族の和合に繋がって行きます。このような習慣が身に付けば、必ずや社会に向けての心も育ち、より良き社会人への第一歩となるはずです。
 
(4)腰骨を立て、背筋を伸ばせば気力が湧き、胆力が付き、根気が育ちます。子供達にとっても落ち着きが出て、忍耐力も育ちます。何と言っても気力が充実して気迫が漲ります
 
心と生活習慣を調えて、一心に祈り、お任せする心構え
 

これは毎年修して来た八千枚護摩の修行の中で私が実感している事です。修行を続ける時に何といっても必要な事は、まず行に臨む際の、この気迫なのです。
 
これは密教の行だけでなく、日頃から腰骨を立てて机に向かえば集中力や判断力、忍耐力と共に仕事や勉強に向かう気迫が備わってくるはずです。また日頃の朝夕のお参りでも、食事中でも、是非この腰骨を立てる事を今日から始めて下さい。
 
このように生活習慣を改め、気力を充実させた上で、心を虚しくして佛様にお任せして祈るという基本姿勢は、信仰する上で最も大事な事です。
 
例え小さくとも、皆さんの祈りの力がゼロやマイナスでさえなければ、皇円大菩薩様の絶大な御霊力と救済力と私の祈りの力によって、必ずや功徳が現れご利益を頂けるのです。要は御本尊皇円大菩薩様に、心をしっかりと向けていることが最も大切なことなのです。これが一番目のご利益を頂く条件です。
 
「昭和の奇跡」をもたらした絶大なる御霊力と救済力
 
二番目の皇円大菩薩の御霊力、救済力は私自身が一番実感しています。多くの信者の皆さんもそれぞれに実感しておられるはずです。
 
例えば現在の本院と奥之院の外観を見られただけで、まだ信者ではない一般の方でも、何か大きなお力を何となくでも感じておられるはずです。
 
その昔、奥之院の建立の過程を真言宗の機関誌『六大新報』の主筆であられた故今井幹雄さんは「昭和の奇跡」と表現しておられました。ここ三十年の本院での伽藍の再興は「平成の奇跡」と称されるかもしれません。しかし、私の実感ではこれは奇跡でも何でもありません。この奇跡を生み出されたのが、皇円大菩薩様ご自身なのですから。
 
私が貫主を拝命してからの、平成五重塔の建立も南大門の再建も、そして昨年の多宝塔の建立も全ては皇円大菩薩様の御霊示に従って、そのお働きに依って姿を現したのですから、奇跡と言うなら皇円大菩薩様の御霊力と、救済力そのものが奇跡と言えるのです。
 
地域社会や世界に対する恩返し
 
三番目の「法界力」とは、一言で言えば「周りの環境・情況」の影響力という事です。世界は狭くなりました。日本経済も世界経済に深く連動しています。
 
先の大東亜戦争の時代に生きた人々は、「平和に安心して生きたい」と願っても、個人の力ではどうしようもない戦いの中で命を落とされたのです。現在世界に居られる六千五百万人以上の難民の方々、そして現在のチベットの人々も大変な苦難を味わっておられます。
 
以上は極端な例ですが、人はどんな国に生まれ、どんな社会に生きているかで人生が大きく変わります。その意味では世界中の人々が羨む程の平和で豊な日本に住んでいる事が、いかに有り難いかを実感せずにはおられません。
 
それと同時に少しでも社会のため、世界のために恩返しをしたいという思いで、当山では「国際協力」や「地域づくり」「人づくり」などに努めているのです。私は数年前から「教育機関を創りたい」と念願していました。その思いは場所を変えてミャンマーで実現しています。今年中には八十校目の学校が建ちます。
 
三十九年前に皇円大菩薩様の御指示を受けられた先代の真如大僧正様が、カンボジア難民支援を発願されました。この長年に亘る国際協力の実績を評価された日本財団との協働で、ミャンマーでの学校建設が始まりました。社会の力としての「法界力」が加わっている一つの現れなのでしょう。
 
そして何と言っても、全国の信者の皆様が三十九年もの長きに亘って「一食布施」や「同胞援助」などの「慈悲行」として、アルティック(れんげ国際ボランティア会=ARTIC)に尊い浄財を喜捨し続けて頂いたればこそであります。
 
人々と社会を荘厳する拝み倒しの信心力
 
「三力の偈」の最後の一句、「普供養而住」を私流に解釈しますと、「自分の努力と、佛様の救済力と、社会の力が互いに支えあい、影響しあい、奉仕しあって人々と社会を荘厳して行く」と読みました。
 
佛様のお陰で私達の幸福があり、私達の幸福が社会を明るくし、周りの人々を明るくする。その事への感謝の心が、御本尊皇円大菩薩様の御霊力を一段と輝かせて行くのです。
 
皆さんのご家庭でお祀りされている在家用の皇円大菩薩様の御尊像が、皆さんの信心によって更にお力を発揮して頂けるように念じております。そして私達の信心によって、御本尊皇円大菩薩様は私達と社会に御霊力を広めて行かれるのです。
 
これまでの信者の皆さんの信心に改めて御礼を申し上げますと共に、なお一層強く、より深い信仰に励まれる皆さんの願いを叶えて頂けるよう、今年も一心に祈念いたします。合掌




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