世界の恵まれない同胞の為に、一ヶ月九十食のうち一食を御献納下さい。
Please save one meal out of your 90meals per month
and donate us to save our brotherhood in the world.

六波羅蜜(六つの善い行い)
布施-人への思いやり。
持戒-決まりを守る。
忍辱-しんぼう強くする。
精進-しっかり努力する。
禅定-落ち着いた心。
智恵-本当のちえ。


送り先
〒865-0065 熊本県玉名市築地2288
蓮華院誕生寺「一食布施」係


反省にはじまり、感謝を経て報恩奉仕に至る

【 一食布施の心 】

それは去る一月十九日、阪神大震災の翌々日のことでした。私はいつもの通り奥之院五重の塔一層でお参りの方達にお話ししていました。

四十代の夫婦二人で見えた方があり、その方々に{お参りが終わられたら少しお話しをしましょうか。今一心に祈っておられましたが、そのお願いの中身は何だったでしょうか}と問い掛けますと奥さんの方が

{神戸で地震に含われた方達の無事を祈っておりました}と答えられたのです。そういう答えを聞きたくて私は何人もの方達に問い掛けていたのでした。

それまではつい昨日地震が起きて沢山の方が亡くなっているにもかかわらず、そして多くの人々がまだ生き埋めになっているのにその人びとの無事を祈った人は無かったのでした。

嬉しい事だ、初めてそういう方が来られたと思い、なおお話しを聞いていますとこんな驚く事をおっしゃいました。

「私達、家族はこの三日間お粥しか食べていません。被害に合っていらっしゃる方達の苦しみを少しでも解りたいと思ってそうしています。そうして浮いたお金を義援金にしたいと思います」と言われたのでした。

このお話しにはまだ続きがあります。{私が缶ジュースを買おうとしたら『お母さんお水を飲んだっていいじやない。そうしたらまたそのお金が募金できるでしょ』とこの娘が言うのです。}とおっしゃったのでした。さすがにこのお母さんにしてこの娘さんだ、と思われることでした。

素晴らしいご家庭だなあと思いました。この奥さんがおっしゃった話しの内容はひるがえって考えますと、それはそのまゝ当寺の一食布施の心でした。私達は一食布施を実践していても、その心をどれだけ身に付けていただろうかと反省する事しきりでした。

(『いのちつな』大日新聞社発行)

※一食布施(いちじきふせ)とは、一ヶ月九十食のうち一食を断食して、その経費を世界の不幸な人々のために募金して頂くというものです。


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