第29集 |
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首尾よくいった眼病手術 |
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薫陶を頂いた16年
みなさま、こんばんは。六月大祭を堪能していらっしゃいますか?このたび、貫主権大僧正様から 「大祭において体験談を発表しなさい」とのお話を頂戴し、教師ならびに先輩準教師、また信者の皆様の前でまことに僭越ではございますが、少しでもお役に立てればとの思いから、大祭の貴重な時間を頂戴することとなりました。
私は昭和48年の生まれです。来月で34歳となりますが、皇円大菩薩様、蓮華院誕生寺にご縁をいただいたのは母親のお腹の中にいたときからですから35年でございます。子どもの頃の練成修行会や大祭などでは代々の貫主様はじめ僧侶の皆様、先輩信者の皆様に数え切れないほどのご薫陶を頂戴しました。そして16年前に先代真如大僧正様の最後の弟子として当山にて得度式をさせていただきました。
皇円大菩薩様、是信大僧正様、真如大僧正様ならびに現貫主権大僧正様のお力により祖母、母、三代に亘って頂戴してまいりました有形無形の数え切れないほどのご利益。そんな中で、昨年頂戴しましたご利益についての体験を発表させていただきたいと思います。
直線が歪んで見える網膜剥離
私は目にまつわる病気(近視、乱視はご覧のとおりです)を患うことが多いのですが、それは昨年(平成18年)の9月中旬のことでした。勤務中にパソコンの画面を見ていると、直線が歪んで見えるのです。そのときは疲れがたまっているのだろうと思い、一晩ゆっくり寝れば治るだろうという軽い気持ちでおりました。
ところが、翌日になっても症状が治りませんので、すぐに病院! ではなく、蓮華院に障りがないのかのお尋ねをしました(普段から少しでも体調がおかしいなぁというときは、とにかくすぐにお尋ねの電話をさせていただいております。この場をお借りして、貫主権大僧正様、寺務所の皆様に御礼申し上げます)。が、頂戴したご霊示は「障りなし」でした。ということはもう一晩寝ればよくなるかなと。それが一週間くらい続きましたでしょうか、症状が変わらないので再びお尋ねするも結果は「障りなし」でした。当時は繁忙期でしたから、休みを取って病院へ行く時間はありませんでした。
十月に入りましたが、症状は悪化こそしないものの改善はありません。そこで昼休みにインターネットで「直線が曲がって見える」と調べてみました。すると、目に関するいろいろな病名が名を連ね、中には手術を要するものもありました。これを見て隣席の先輩が、 「仕事も落ち着いたし、休みをもらって病院に行ってみたら? 帰り道だし出田眼科がいいんじゃない」 と紹介していただきました。
病院では、まず若手の先生の診察を受けました。「うーん、手術が必要かも知れませんねぇ、一週間ぐらい様子を見ましょうか」とのこと、このとき「あいたぁ、手術かぁ」と残念に思いましたが、実は次の診察までにもう一回お尋ねすれば障りが見つかって、ご祈祷いただけば手術せずに済むかもしれないとも考えておりました。
診察が終わり、部屋を出ようかとすると先生が、「うーむ、もう一度見せてくださいませんか? 気になるんです」とおっしゃるのです。再度見られると「あっ、やはりすぐに手術ですね」とのこと。結果には正直落胆しましたが、もし、先生がそのまま見過ごされていたらと思うと、まるで仏様が先生に「この子の目、もう一回ちゃんと見てごらんなさい」と肩をたたかれたようにも思えました。
次に副院長の診察があり、「網膜剥離です。眼球の下半球の一部がはがれています。明日十月三日入院、四日手術でいきましょう」とのことでした。もし、眼球の上半分の網膜がはがれると、時が経つにつれ視野が狭まり、失明に至る危険性が大きいのだそうです。
専門医に導かれた御霊力
さらに皇円大菩薩さまのお力を感じたのは先生の次の一言でした。「手術については仕事を休まなきゃならんし、ショックかも知れないけど、あなたはよかったんだよ。紹介状もなく飛び込みでうちの病院に来てさ。もし別の病院を回って紹介されてきたら手遅れだったかもしれない。うちは網膜剥離の専門だからね、安心してください」とのことでした。
あとで聞いたことなのですが、この出田眼科というのは全国区的に有名な眼医者さんだそうでして、患者さんは県内外を問わず、執刀例も豊富で、他の病院からの紹介も後が絶えないそうです。思えば入院時の同室の患者さんたちも、熊本市外や県外の方ばかりでした。
手術の段取りが決まるとすぐに蓮華院へ電話。「かくかくしかじかでして、一応の障りのお尋ねと病気全快護摩祈祷をお願いします」とお頼みした次第です。
熱を下げた御霊水
段取りは決したものの、時に、病棟は満床でした。ベッドがないと入院もできないのですが、なんと、付き添い用の仮ベッドが使えることになり無事入院できました。また入院時は体調が悪く熱発していました。
「熱発では全身麻酔が使えないので手術できない」 とのことでしたが、母に持参してもらったご霊水とポカリスウェットをがぶ飲みし、とにかく熱が下がりますようにと一心に御宝号をお唱えした結果、翌朝には平熱にさがっておりました。実は術後に再び熱発し、不思議なことですが、手術時だけ熱が下がったのです。み仏様のお力と貫主様のご祈祷力の賜物にほかなりません。
さらに急遽院長先生が自ら執刀されることになりました。院長先生の執刀は、眼球にオイルや患部固定用の異物を極力用いず、術後の負担が少ない方法だったそうです。手術は無事終了しました。
術後の入院生活も、大部屋では陽気な人生の大先輩たちに囲まれ、いろいろなお話をお聞きし、貴重で楽しい時間を過ごすことができました。それでも皆さん口々におっしゃるのは、「あんたはついてるよ、近所にこんないい病院があって。縁があるまで私は二ヶ月、こちらは半年」等々とのことでした。
そして予定通り、10月11日に退院することができました。その後は職場の了解をいただき10月いっぱいの自宅療養となった次第です。10月末の診察では経過良好ということで、事務作業に限っての職場復帰も認めていただきました。おかげさまで、11月3日は奥之院の大祭にも参列させていただくことができました。術後丸ひと月のことでした。
手術を必要とする病気を患うという不幸な中にあっても、これほどまでに事が上首尾に運ぶというのは皇円大菩薩様のお力、貫主権大僧正様のご祈祷力あってのことだと確信いたします。
そういった大病を患わないことが最善であることは言うまでもありませんが、もしかするとさらに信心を重ねなさいという仏様からのメッセージであったのかもしれません。事実、昨年までは土日の休みが取れる日しかご縁日に参詣できていませんでしたが、今年からはできるだけ毎月十三日に休みをいただいて、法要に参加して仏様に御礼申し上げるよう心がけております。
今後とも、自身の信仰・功徳を深めていくとともに、準教師という立場で少しでも仏様のお力になれますよう、当山の「反省・感謝・奉仕」の三信条の下、精進を重ねてまいりたいと存じます。合掌