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大日乃光






大日乃光

2012年01月21日大日乃光1999号
御本尊様と御縁を広める新年度の三大方針

 輝かしい辰年の新年を迎えて、すでに十日以上が過ぎました。信者の皆さん、一年の計」はしっかりと立てられましたでしょうか?
 

 新年号で提唱した三つの生活習慣、
 

(1)互いに挨拶を交わす。(ご先祖様への挨拶としての朝夕のお参り)
(2)三度の食事で「いただきます」「ごちそうさま」を言う。
(3)履き物を揃える。
 

の三ケ条をしっかりと実行しておられるでしょうか?まだ出来ていないご家庭は、その内の一つからでも結構ですから、まず始めてみて下さい。
 

 先の元旦号は、まだ昨年の「八千枚護摩行」の修行中に書きましたので、具体的な新たな目標を提示できませんでした。そこで今回は、先の八千枚護摩修行中に授かった事柄を一部交えてお伝え致します。
 

十三佛像顕現と堂宇建立の再開
 

 その第一は、南大門再建と四天王の顕現によって中断していた十三佛霊場の顕現を再開する事であります。先の八千枚護摩行や、これまで六回修してきた「求聞持行」などで、皇円大菩薩様の世界を「道場観」として瞑想する「皇円大菩薩供養法」を必ず修します。その中で、宇宙に遍満する皇円大菩薩様の左右に、開山大僧正様と真如大僧正様が坐しておられます。そしてその周辺を、十三佛の諸佛諸菩薩が整然と取り囲んでおられる世界をありありと瞑想の中で思い描きます。
 

 そして中央の皇円大菩薩様と十三佛が互いに光を交換し合い、さらに周辺の世界に向かって金色の光を発散しておられる情景を、心の深い所で目の前の情景として思い描くのです。このような瞑想に入って様々な修法を修するのが「皇円大菩薩供養法」なのです。
 

 すでに十三佛の内の阿しゅく如来、文殊菩薩、普賢菩薩、弥勒菩薩、大日如来(金剛界)観音菩薩は佛像としてお姿を顕して頂いております。そして阿しゅく如来、弥勒菩薩はお堂も出来ています。これから十五年ないし二十年を経て十三佛の佛像を完成し、それぞれのお堂を建立していく事を、先の八千枚護摩行の中で御霊示頂いたのです。
 

皇円大菩薩信仰と十三佛信仰の意義
 

 その月的を私なりに考えてみますと、それは皇円大菩薩様へのご縁をより広く、より深く、確かなものとして社会に広めるためなのです。
そもそも十三佛の信仰は、諸佛諸菩薩を広く人々に広める事を通じて、密教を世に広めるためのものでありました。多くの人々がそれぞれの佛・菩薩とのご縁を深める事によって密教の教えを広め、人々を救うために生み出された偉大な手立て(方便)として始まったのが、この十三佛信仰なのです。


 当山は皇円大菩薩様への一佛信仰としての信心のあり方を基本にしてきましたが、この基本を踏まえながらも、より広く皇円大菩薩様を世に広め、その御霊力と救済力をより発揮して頂くために様々な入り口を設けるための一つの具体的な方策が十三佛の顕現なのであります。
 

 喩えて言えば、日本一の霊峰富士山に登るには様々な登山口がありますが、人それぞれに自分に合った、その人にご縁のある入り口から登って行き、最終的には同じ山頂に辿り着くようなものなのです。
 

三十五年間響く朝の打鐘は、御縁日と十三佛に因む回数
 

 そもそもこの十三佛霊場の開設は、四十年近く前から、開山大僧正様が奥之院開創に前後して思い描いておられた構想なのです。

 奥之院開創法要に先立つ昭和五十二年十一月の「大梵鐘打ち初め式」以来、私は毎朝六時に大梵鐘を撞くに当たって何回撞くべきかを、開山大僧正様にお尋ねした事がありました。
 

 その時、開山大僧正様は、「十三佛」と皇円大菩薩のご縁日である「十三日」に因んで、十三回撞くようにご指示されました。以来五年以上、私は毎日、一打梵鐘を撞くごとに五体投地の礼拝を三回ずつ行いながら、十三回の打鐘を続けて参りました。この三回の礼拝の時、過去・現在・未来の諸佛諸菩薩に礼拝しながら打鐘を行なってきたのです。これは若い弟子に引き継がれて現在も同じように続けられています。
 

 奇しくも過去佛としての阿しゅく如来のお堂と未来佛である弥勒菩薩のお堂は、すでに完成しています。これから現在佛としての様々な佛像とお堂を十五年、二十年と費やして、次々と建立して参りたいと決意致しました。
 

 一佛信仰に馴れ親しんでこられた多くの信者の皆さん方の中には、何となく違和感を抱かれる方がおられるかもしれませんが、一体ずつ、一堂ずつ、佛像とお堂が建立されてゆくに従って、必ずやその奥にある大いなる皇円大菩薩の御霊力と御意志を実感し、共感していかれるに違いないと確信しております。
 

 この様な発想を、私自身が還暦を迎える本年に発願させて頂いた事は、この上もなく有り難く、巡り合わせの不思議に手を合わせたい思いで一杯です。
 

 この十三佛霊場開設に先立って、本年はその中心に居られるべき皇円大菩薩様の御尊像に新たに顕現して頂き、本年六月十三日の大祭で信者の皆様と一緒にお迎え出来る事も、さらに有り難く、嬉しい事柄であります。
 

み佛様が求められる?教育機関の設立
 

 いま一つの新たな事柄は、次世代の若い人々への教育です。数年前から「何とか教育機関を設立したい」という願いを抱いてきました。閉塞感に覆われた現代の日本にとって、何と言っても大切な事が「教育」であります。
 

 これまで考えてきた教育機関の基本的な方針は、以下の三ケ条です。

第一に、宗教的な瞑想(内観を含む)を日々行う事。

第二に、生命を育む原点とも言える農業を、教育の中に取り入れる事。

第三に、常に外国人の教師や生徒がいて、異文化との触れ合いを保つ事。
 

 第二番目の農業、農作業を教育に摂り入れる事は、「れんげ農苑」の開設で、すでに八年前から実践し、ノウハウを蓄積してきました。第三番目の外国人との交わりも、れんげ国際ボランティア会(ARTICーアルティック)の様々な活動で一部行なってきました。第一の瞑想も、内観や、功徳行の中での阿字観(密教瞑想)として長年続けてきた事です。
 

 問題はいつから、どんな年代の生徒で始めるかということです。そして何と言っても、その教育機関に携わる人材の確保が最も大切です。私は「社会が求め、み佛様が求められる事は必ず成就する」という信念を持って、これまで様々な佛教的な事業や催しを行なって参りました。
 

 ですが、まだ明確な事が決まっていませんし、人材もいません。方向も見えていませんので、ご本尊皇円大菩薩様には、まだお伺いを立てておりません。何年か後に方向が決まり次第、御霊示を頂けるのではないかと思っております。その日まで、日々ひたすら精進しながらその時を待ちたいと思っております。
 

昭和の日に行う地元の祭り
 

 第三番目に決断した事は、南大門再建を記念して、本院を中心とした地域で地元のために人々の絆を深め、郷土の誇りとなるような催しを、本年から四月二十九日に日を決めて開催するという事であります。
 

 当山にとっては六月十三日の皇円大菩薩様御入定の御遠忌法要(六月大祭)が最も伝統があり、信仰上最も大切な行事ですが、地元の人々には、まだまだ皇円大菩薩様は敷居の高い佛様なのです。ですから少しでも皇円大菩薩様を身近に感じて頂けるような行事を、地元の人々や若い人々を中心に行なって参りたいと念願しているのであります。
 

 今年から当山が新たな歩みを始める元年にしなければという思いで、これからの十年、二十年を歩み始める覚悟を固めているところであります。
 

 人も寺も地域も、常に未来に向かって大きな目標や夢を描き、その目標や夢に向かって歩み続ける、この前向きで積極的な願いを持ち続ける事が、明るく希望に満ちた未来を照らす根源であります。この事を皆様お一人お一人が覚悟して頂ければ、日本の未来、世界の将来は必ずや明るく平和な社会・世界になるものと確信しております。
 

 まずは皆さんが、先に記した三つの良き生活習慣と共に、将来への明確な目標をしっかりと持って、具体的な事を日々実践するところから始めて下さい。その実践の一つとして、これまで「一食布施」をあまり行なってこなかった方は、是非今年から毎月実行して下さい。
 

 また、これまで集中内観を行なってこなかった方は、「今年こそ内観をしよう」と心に決めて下さい。この事によって当山の三信条「反省」「感謝」「奉仕」の精神が、より身近で確かなものになると確信しております。合掌

 




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