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2012年02月11日大日乃光2001号(2)
「『一食布施』』の実践は蓮華院信仰の基礎」(2)
五重塔落慶からチベット支援が始まる
アルティックはカンボジア難民支援から始まった国際協力NGOですから、チベット佛教とのご縁から、いずれチベット難民支援に向けてご縁が広がるに違いないと予想していました。
その後、五重塔の落慶法要には当然の如くコーチャン・リンポーチェ師を始め、他にも数名のチベット僧の方々にお越し頂き、平成九年の四月、一緒に落慶法要で護摩を焚きました。
私は先代から引き継いだ五重塔建立の大願が成就したので、その後、アルティックの活動のために、インドのダラムサラのチベット亡命政府にご縁を繋いで頂きました。
その結果、これまでの十三年間で、三ヶ所のインド国内の難民居留区での家屋改修事業(二百二十棟)、水道事業、僧院建立などの事業を続け、さらに亡命政府の教育省との打ち合わせの上で、世界に散らばるチベット人の児童生徒のために、毎年三冊から四冊のチベット語の副読本を三千冊ずつ発行して来ました。これはその後の十年間で、十万冊以上を発行してきた事になります。
六年前にはアルティック設立二十五周年記念事業として、ダライ・ラマ十四世法王狽下にお越し頂いたのは、このような地道で継続的なチベット難民支援に対し、法王猊下が御礼と感謝の意を籠めてお越し頂いたのです。そして計らずもこの来日以来、法王猊下は毎年、様々な団体のお招きで日本各地に来日されるようになりました。
難民支援を支える浄財
このように国際協力NGOがチベット難民支援を継続的に行なった例は、私の知る限り日本にはアルティックしかありません。日本にはアルティックのように継続的にチベット難民を支援している団体がないということは、逆にそれほど日本人にはチベット難民の問題はなじみが薄く、遠い存在であるということでもあります。
難民支援は、チベット難民以外には、ミャンマー難民への支援も行なっておりますが、こちらもなぜこのような地道な難民支援の活動を継続的に行えたかと言えば、それは何と申しましても「一食布施」を中心とする、信者の皆さんご自身が自らも少しばかりひもじい思いを味わいつつ、その食費を募金して頂くという事が、とても大きな力になっているからです。
支援を受ける人々にも、この募金が同じ佛教徒の日本人が一食を捧げての浄財であるとお伝えしておりますので、大きな感動と共感の中で様々な自立のための活動を行なって頂いております。
毎月八日と二十日は、蓮華院でも寺内の者全員が朝食を食べず、「一食布施」を実行しています。このような生活に根差した募金は、世界の食べ物に飢えている人、文化に飢えている人、自由に飢えている人に少しでも共感しながら、世界の様々な矛盾にも意識を向ける事に繋がります。この事が、ささやかではあっても慈悲の心を自ら芽生えさせるきっかけになっているのです。
先代が、この「一食布施」や随時の募金などに、「慈悲行」と名付けられた意味が、今さらながら納得出来るのです。
生活を見直し生き方を変える「一食布施」
これまであまり「一食布施」を行なって来られなかった方も、これを機に、月に一度でもよいですから、是非とも毎月の生活の習慣として実行してください。また、このように自からも少しばかりひもじい思いをする事は「足る事を知る」という、佛教の大切な徳目である「少欲知足」にも通じ、生活を見直し、生き方を見つめ直す大きなきっかけになるものと確信します。
いくら立派な人生目標を立てても、生活や習慣が変わらなければ、人は生き方を変える事は出来ません。
子や孫に、そして周りの人びとに声高に意見を述べる以上に、自ら世界の難民のために一食を食べない姿を示す事の方が、より大きな説得力となって周りの人を動かす事になると確信します。
先ず、自分自身の具体的な行動や習慣で、生きる姿勢を正すことから日本の再生が始まると信じつつ、信者の皆様にこの「一食布施」を更に実践して頂きますようお願い致します。合掌
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