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2012年04月11日大日乃光2007号
新入学の心構えと難関突破の「求聞持法」
小学校入学式で三人の娘に話したこと
四月と言えば新学期が始まります。お子さん、お孫さんの中には進学して新しい学校、もしくは進級して上級生になる方もおられることでしょう。また、新たに社会人としてスタートを切る方もおられます。
今にして思えば、これは家内の配慮だったと思いますが、私達の三人の娘のそれぞれの小学校入学式の時、私が付き添って近くの小学校に行きました。その小学校は私の母校でもあります。その行き帰りの道で、娘たちに言って聞かせた言葉があります。
行く時には、「この小学校はとても伝統のある学校で、立派な人がいっぱい卒業していらっしゃるんだよー。先生たちもとっても教育熱心で、玉名で一番良い学校かもしれんなー。これから良い友達がたくさんできるからねー」
と話しながら手を繋いで行ったんです。
そして、「校長先生や担任の先生が、今日どんな話をされるか、しっかり聞いててね。帰りはその時の話をお父さんにしてちょうだい」と伝えたんですね。そうすると子供なりに真剣に聞かなくちゃと思うわけです。
担任の先生は素晴らしい!
そういう事から始まって、クラスも決まります。そして帰りには、「担任の先生の名前は?」と聞くと、「○○先生!!」と答えます。するとすかさず、「ウワー良かったね。あの先生は素晴らしい先生だよ。あなたは運がいいね!!」と、一緒に喜ぶようにして言ってあげます。
三人ともその様にしました。実際にはその先生の事はほとんど知らないんですが、必ずその様に話しました。この頃の子供には何の判断力もありませんし、親の言う事を絶対正しいと思っていますのでスーッと心に入っていくんです。そして「校長先生は何を話された?」と聞くんですね。そうするとその子の集中力がだいたい分かります。
ある教育学者の仮説
アメリカにロバート・ローゼンタールという教育心理学者がいて、一九六四年にサンフランシスコである実験をされました。
ローゼンタール博士は小学校を訪ね、自分の友人でもあった校長先生に、「一年生のクラスの担任の中で、一番ベテランの先生を呼んで下さい」と告げ、その先生に紹介されました。
「このクラスには、私が以前から注目しているたいへん優秀な子が三人、入学しています。児童の名簿を見せて下さい」
先生が名簿を見せると、「この子と、この子と、この子です」と博士が指名されました。そして、「先生は経験豊富で優秀な方だから、この生徒を特別に受け持ってもらうことにして頂きました。どうかよろしくお願いします」と告げました。
また、「来年、教育の成果をぜひ検証したい。これは私の研究テーマにもなっております」と伝えました。するとそのベテランの先生は、三人が優秀な子供と思い込むわけです。やがてその三人はメキメキと群を抜いて成績が伸び始め、実際に素晴らしい素養を発揮するようになりました。
ところが一年後のローゼンタール博士の報告では、その三人は無作為に指名されただけだったんです。しかし先生は、その子達が特殊な能力を持った優秀な子供と思って教えましたから、その指名された子の能力が伸びたんです。子供にはその事を何も言わなくても、先生の接し方でこんな結果が現れるんです。そういうのをピグマリオン効果(教師期待効果)と言うのだそうです。
先生への批判や悪口がやる気を削ぐ
これと同じように、親が「うちの子はすごいんだ。何か必ずすごいものを持っている」と思って我が子を育てるか、それとも「どうせ駄目だろう」と思うかによって、子供への教育効果は全く違ってくると思われます。
また、学校の先生を「駄目な先生」と親が言った途端に子供はやる気を失くしてしまいます。特に子どもが小さい頃は判断能力も何もありませんし、親の言う事は信じて受け入れますから、子供にはぜひ、「素晴らしい先生だよ」と、知らなくても知ったふりをしてでも伝えた方が絶対得なんです。
その後、私は子供達の授業参観にも何度か行きました。すると、父親は滅多に学校に来ません。ほとんどが母親です。その内、私はPTAの副会長とか会長を務める事になりました。これは子どもにとってはうれしい事だったようです。やがてPTAの総会などで、保護者の皆さんと話す機会も増えていきました。
そして会長になった年の入学式の後で、こんな話をしました。「保護者の皆さんは、学校や教師の批判や悪口を子供の前では決して言わないで欲しい。どうしても気になる事があったら、私達PTAの役員か、校長先生、教頭先生に相談して下さい」と伝えました。その後、校長先生が大変喜ばれ、感謝されたのを昨日のように憶えています。
また、その年には玉名市出身の世界的な詩人であられる坂村真民先生に、全保護者を対象に講演をして頂いた事も、思い出深い事でした。
「虚空蔵菩薩求聞持法」
ところで「うちの子はもう手遅れだな」と思う人に、今日はとっておきの話をします。この方法は、これまで若い二人に実修してもらって、二人とも大きな成果を上げました。
今日の特別指導で、三人目の若い人にその方法をお伝えしました。このやり方は、信仰心を持っている子どもほど、非常に効果が高いと思います。親が信仰していたり、日々お参りをしている、そういう家庭の子供さんにとっては絶大な効果があります。そうでなくても効果があるはずです。
これを実修された歴史上一番古い人物は、私の知る限りでは弘法大師様です。お大師様が若い時に、この修行をしておられるんです。それは「虚空蔵菩薩求聞持法」という修行です。
この修行を実修すると、「もし人、この法によってこの真言を一百萬遍誦すれば、すなわち一切の教法の文義を暗記することを得」と言われているんです。このご真言(または御宝号)を百万遍唱えると、全てのものを見ただけで、写真に写したように全部頭に入ってしまう。そういう能力がつきますと、書いてあるんですね。
智の巨人、弘法大師様
弘法大師というお方は、世界に誇れる日本の智の巨人です。宗教という世界だけではなく文学、音楽、天文学、教育、科学技術、土木技術など多くの分野で成果を残しておられます。
一例として、千二百年ほど前に四国に造られた「満濃の池」というのがあります。十数年前に、大林組という日本の大手建設会社がそれを研究したんです。「どの様にして造ったのか?どういう構造になっているのか?」などと調べていくと、何とアーチ式のダムになっていたんです。
これによって力学的には最も少ない資材で最も強度のあるダムが造れるのです。しかも未だにそれが現役で、讃岐平野を旱魃から救っているのです。千二百年も昔にアーチ式ダムを設計して工事させたのが弘法大師様です。
私が知る範囲では、近代においても求聞持を修した方がおられます。京都大学名誉教授の上山春平博士です。この方が若い時に、あるお坊さんからこの法を授かりました。その当時ノイローゼだったそうですが、克服して益々頭が冴え、日本的、世界的な学者さんになられました。
勉学に励む心構え
先に二人が実修したと話しましたが、その一人目は東京の方で、共に熱心な信者さんであるご夫婦の三男さんです。息子さんは三人とも信者さんです。五、六年前にご両親に「三男さんをお寺に下さい」と言いました。しばらく二人は顔を合わせて「どういうことですか?」と言われるので、「私の弟子になってお坊さんにしませんか」伝えますと、「はい。分かりました。よろしくお願いします。ただし大学を卒業するまでは、私達に教育費を出させて下さい」と言われました。その青年は、最近大学を卒業しました。
先の話を私がご両親にした時、彼はまだ浪人中でした。私は彼を呼び寄せ、先の求聞持法を授けました。彼は浪人中にこの修行をやり遂げました。弘法大師様と同じ十八歳でした。そして今度は無事、大学に合格しました。
その次に入学直前の彼に、私はこう言ったんです。「全ての授業に全力で当たりなさい。単位だけ取れば良いという考え方はやめなさい。教科を教えている先生は、あなたの数十倍、数百倍の時間をかけて、その学問体系を会得しておられる先生なんですよ。自分が選んだ授業は百パーセントきっちりと学びなさい」というアドバイスをしました。すると彼は、それを一年、二年、三年、四年と全課程やり通したんです。
そして彼は卒業論文を書くに当たって、指導教授から「金岡先生のこの論文の続きを、お前がやらんか」と言われたそうです。今は亡き金岡秀友という大学者が最後にやり残された論文があって、研究が途中で終わっているのです。その続きを大学院の学生にではなく、学部の学生にやらないかと言われたのです。それほど指導教授に見込まれ、そして彼も期待に応え、論文を書き上げたのです。その結果、インド哲学科でトップの成績を収め、田村芳朗賞を受賞しました。そして今年からは大学院に進学します。
先ずは特別指導から
今一人、司法試験に受かった青年がいます。彼も、それまでは何回受けてもうまくいきませんでした。そこで彼に「一日に一万遍、皇円大菩薩様の御宝号を唱えなさい」と伝え、そのための特別なお数珠も私が貸しました。それを使って百日間唱え続けました。そして念願の司法試験に見事合格しました。
「求聞持法」は、そういう風に不思議な力を持っているものなんです。これから、皆さんたちの知り合いの中に勉学で困っている人がいて、ぜひこの難関を突破させたいという方がおられたら、特別指導を皆さんから進めてみて下さい。その人物を見極めて、指導致します。
学校に入学する時の心構えと、それから少しでも前向きに勉学を進めるためのやり方と、もう一つは、難関を突破する秘法の功徳力の一端をお伝えしました。皆さんどうか、新年度に希望を持って歩み始める子供達、孫達をサポートして頂きたいと思います。合掌
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