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2012年05月21日大日乃光第2010号
新御尊像のみ心に、良き生き方で応えましょう
葬式を広めた真言律宗
先日亡き母の妹さんの夫、つまり義理の叔父の三回忌法要をこの本堂で務めました。当山では基本的に葬式や法事は行いませんが、例外的に家族や親戚の葬儀や法事をまれに行う事があるのです。
そもそも一般の方々のために葬儀を始めたのは、西大寺を中心とする真言律宗だったという説が『葬式佛教の誕生』(松尾剛次著/平凡社新書刊)に書かれています。
その頃は、貴族や支配階級は懇ろに弔われていましたが、一般庶民の間では葬式などは全く行われていなかったのです。西大寺の僧侶が人々の供養を行なったのは、深い慈悲心の表れであり、衆生済度の具体的な行動でもあったのです。
三回忌法要での法話
さて、法事の後、私は檀那寺の住職としてこんな話をしました。皆さんにとっても参考になると思いますので、誌上で再現してみましょう。
故人が亡くなってから四十九日か一周忌までは、遺された家族は「遺族」と呼ばれます。しかし三回忌ともなれば「遺族」から「施主」と呼び方が変わります。それは故人に功徳を廻らし向ける、つまり「廻向」のために周囲やお寺に布施をして、その功徳が故人に廻るように、故人の廻向供養をするので、「追善供養」とか「追善廻向」といわれるのです。
そのために遺された家族は法事の時はもちろん、常日頃から周りの人々や社会に、常々布施をする事が大切です。
日本の佛教は全て大乗佛教です。大乗とは小乗に対して出来た言葉で、自分一人が悟りの世界や浄土に生まれるのではなく、多くの人々を乗せられる大きな乗り物で「彼の岸」つまり悟りの世界(佛界)や浄土に往生させようとするのが大乗佛教です。---------------------------
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