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2012年07月01日大日乃光第2014号
三信条を活かす信仰生活で困難の中にも証されるお救い
「信」を説かれた親鸞聖人
今回の大祭では、私の高野山大学の同級生が久々にお参りしてくれました。彼は真言宗の大学でありながら、浄土真宗の宗祖、親鸞聖人の『教行信証』という書物をテーマとした卒業論文を書きました。
そこで今回は、当山の信仰を「教」=教え・教義、「行」=修行、「信」=信仰・信じること、「証」=信心・信仰の証、の四つのポイントを踏まえてお話しいたします。
親鸞聖人がこの『教行信証』を書かれる以前は、教義に基づいて修行し、証、つまり悟りに至るという教・行・証が一般的でした。その三つに新たに「信」の大切さをつけ加えられたところに、親鸞聖人の独自性があると言われています。
蓮華院信仰の「教」は三信条
当山の場合、まず「教」は真言密教の教義が根本をしっかりと支えているのですが、皆さんによくお伝えしているのは「反省」「感謝」「奉仕」の三信条です。
何と申しましても信仰には、まず自らを「これでいいのか?」と省みる反省や、もっと深い懺悔が必要で、この「反省」と「感謝」の二つが無い宗教はあり得ないと思います。
これは当山で二十年以上実践を続けている「内観」でも言えることですが、深い反省のその先に、「それでも有り難いことに、自分はこうして生かされている」という心の底から湧き出る感謝の心が感動を伴って芽生えてきます。その感動は、日頃見慣れた景色が一変して見える程です。
このように心の奥底から感謝の心が生まれ出てきますと、次は必然的に「何かお返しせずにはおられない!」という奉仕の心が生まれます。この奉仕の心に従って行動する時、菩薩行とも言える奉仕の生活が始まるのです。〈続く)
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