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大日乃光






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2014年09月25日大日乃光第2088号
運勢を好転するための先祖追善護摩供養

真言密教の四種(五種)の祈祷
 
すっかり秋めいて参りました。皆様お元気でしょうか?そろそろ秋の彼岸に入ります。
 
前々回(九月一日号)の本誌で、供養の意味について詳しくお伝えいたしました。その『大日乃光』が皆様のお手元に届いて以来、幾人かの方から、その他の祈祷に関するご質問がありました。そこで真言密教の原点に遡って、祈祷のお話を少しいたしましょう。
 
真言密教の祈祷には大きく四種類あります。
まず第一は災いを無くす、という意味の「息災(そくさい)祈祷」。
そして良いものをより増やすという意味の「増益(そうやく)祈祷」。
そして周りの人たちから協力して頂き、支持を受けるという意味の「敬愛(けいあい)祈祷」。
そしてこれはほとんど修する事はありませんが、相手を打ちまかし、相手を自分の意思に従わせるという意味の「降伏(ごうぶく)祈祷」
この四種です。ごく稀に第五番目として「鉤招(こうしょう)祈祷」があります。
 
四十数年前に佐賀の東妙寺にいた私を、開山上人様がご祈祷で蓮華院まで引き寄せられたのが、その実例です。この時、開山上人様の修された祈祷が、まさにこの「鉤招祈祷」だったのです。この祈祷は相当レベルの高い祈祷であります。
 
先祖追善護摩供養は息災祈祷と増益祈祷
 
話を元に戻します。当山で全国の信者の皆様の為に行っている様々な祈祷を、先の四種類の祈祷に対比してご説明いたします。
 
前々回、ご先祖様の存在とその働きかけを〝水面下の氷山〟に喩えてお伝えしました。そしてご先祖様が私達を守護霊のように支えて頂くための「先祖追善護摩供養」の大切さもお伝えしました。
 
今回は庭で苗木を育てる事に喩えてお話しします。苗木を育てるには、まず庭に大きな穴を掘り、そこに肥料をたくさん投入します。その上で、根を丁寧に伸ばして植え付けます。そして水をたっぷりとかけます。
 
このようにして植樹をした苗木の周りには、半年もすれば雑草が生い茂ります。特に肥料をたくさん施した苗木の周りには余計に雑草が生い茂ります。この雑草をそのままにすると、とうとうその苗木を覆い隠してしまい、苗木本来の力を奪ってしまい、遂には枯らしてしまう事もあります
 
それと同じように、先祖供養を始めたのに以前よりも運気が下がり、調子が悪くなる事があります。それは本来守護霊になるべきご先祖様が一気に頼って来られてあたかも〝背後霊〟のようになり、一時的に良くない事が起きたりするからです。この事も前々回、お伝えしました。
 
雑草に覆い尽くされた苗木は、様々な霊障(サワリ)に苦しめられている人によく似た状態と言えるでしょう。しかし雑草を抜いてその苗木の周りに敷き詰めたら、苗木の根元の直射日光を遮ってくれます。さらに月日が経てば腐って肥料となり、苗木の栄養にもなります。
 
そのように、苗木にとっての災いである雑草を転じて福と為す、(〝雑草〟の喩えでご先祖様には申し訳ありませんが)ご先祖様との本来あるべき良き繋がりを取り戻す事、これがまさに災いを無くす「息災祈祷」としての「先祖追善護摩供養」なのであります。
 
次に、苗木にとっての良いことを増す、つまり〝水を与え肥料を施す事〟に通じるのが「増益祈祷」と考えても、あながち間違いではないと思います。ですから「先祖追善護摩供養」は「息災祈祷」でもあり、「増益祈祷」でもあるということになります。
 
「霊障があって良かった」とは?
 
当山には日々刻々と、全国から様々な「お尋ね」や相談の電話がかかってきます。その中に「これこれの病気で苦しんでいる」とか、「家庭内がゴタゴタしてまとまらない」といった相談も多く寄せられています。
 
病気の場合は、まずその病気の原因の一つに霊的な障害、つまり「霊障(サワリ)」が有るか無いかをまず「お尋ね」していただきます。「霊障」があった場合は、ご先祖様だったり水子さんだったり、まれに他人の霊が原因の場合もあります。
 
それらの「霊障」の場合は「先祖追善護摩供養」を五日間から二十日間など、その方の病気などの状態によって供養に要する日数に違いはあります。この時、昔からの信者さんでしたら、すぐに「貫主様にご供養をお願いします」と電話口で答えられます。
 
この場合の「先祖追善護摩供養」は、先の苗木の喩えの〝肥料〟とは違って即効性があり、直ちに病気の原因を取り除くための祈祷なのです。

正月・お盆・春秋の彼岸などの「四度供養」や、月決め供養などの日頃の先祖供養が、いわば漢方薬のようにじっくりと効果を発揮するのと違って、さながらトンプクのように即効性のある祈祷なのです。
 
一方、「霊障」が無い病気の場合は「病気全快護摩祈祷」か、もしくは「病気全快特別祈祷」をお願いされる方がほとんどです。
 
ここでも古くからの信者さんは「霊障」が無かった場合に、「そうですか!サワリはありませんでしたか。サワリがあれば良かったんですがねー」とおっしゃる方がほとんどです。
 
これを聞いて、皆さんはどう思われますか?一般の方が聞かれると、「霊障」は無いに越した事は無いと思われる方がほとんどだと思います。「サワリがあれば良かった」とおっしゃる理由は、サワリがあった方が病気の全快が早いことを、古くからの信者の方々が何度も体験してこられたからなのです。
 
長年の信者さんは感謝の達人
 
そしてさらに、こんなことをおっしゃる熱心な信者さんもいらっしゃいます。
「病気をすることでご先祖様と繋がっていることが解り、有り難い」
「この機会にご供養が出来て有り難い」
「ご供養をして頂くとすぐに治るので、有り難い」などなど。
まさに長年の信者さんたちは感謝の達人だ、ということを実感します。
 
「先祖追善護摩供養」は災いを取り去り、幸せを招き寄せる「息災」と「増益」の両方を兼ね備えた供養であり、祈祷でもあるわけです。
 
一方、「開運護摩祈祷」「開運特別祈祷」「健康特別祈祷」「学業成就祈祷」などは、「増益祈祷」に分類されるのです。
 
ですから熱心な信者さん達は、毎月決めた日から十日間、二十日間、さらには丸々一ヶ月間の追善護摩供養や開運祈祷を毎月続けておられる方々が大勢おられるのです。
 
今の幸せな暮らしは先祖供養の功徳力の賜
 
ある時、長年信仰されている信者さんのご夫婦が「特別指導」(貫主様に直接お目に掛かって、直接ご指導を受ける事)を受けられた時、私は、「貴方のご家族はもう随分長い間、先祖供養をして来られたので、もう毎月三十日間の月決め先祖供養は必要ありませんよ。せめて十日間くらいでいいですよ」とお伝えしました。
 
すると、「そんなことを仰らないで下さい。私たちは商売をしていますが、これまで何度、この先祖供養のお陰で助けられたかわかりません。どうかこのまま毎月のご供養をお願いします」と、このように言われる信者さんは、かなりの数にのぼります。
 
そんな信者さん達は口を揃えて、「先祖供養の功徳を実感した私達は、ご先祖様のお陰で今の幸せな生活を送らせて頂いています」と感謝感謝の日々を送っておられるのです。合掌
 



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