ホーム > 大日乃光 > 大日乃光一覧

大日乃光






大日乃光

2015年01月22日大日乃光第2098号
皇円大菩薩様に信心を結集し社会や世界に幸福を拡げよう

新年明けましておめでとうございます。
 
さて、皆さんは今日の初参りでは御本尊皇円大菩薩様にどんなお願いをされたでしょうか?そしてどんなご報告をされたでしょうか?
 
先ずはご自身の健康祈願や病気平癒、更には家内安全、開運厄除けなどなど、先程護摩を焚いていて、全国の多くの信者の皆さんのお一人お一人の願いが届くように真剣に祈りました。
 
願い事を叶えるための三つの条件とは?
 
そこで、願い事を叶えるためには、絶対に必要な条件が三つあります。先ず最初に、絶対にこの願いを叶えて頂きたいというご自身の強い思いが大切であります。これは私たちが佛様に向きあう時の大切な心構えであります。そしてそれに対する佛様からの働きかけが私達に流れ込んでくる。これが二番目のそして最も有り難いお力です。
 
開山上人様は、「願い事は皆な叶わねばならない。そのためには御本尊皇円大菩薩様のみ心に叶わねばならない!」とよく言われていました。願い事そのものが正しい願い、良き願いであれば、皇円大菩薩様の大慈大悲のみ心に叶っているのですから、自ずから実現するということです。
 
皇円大菩薩様は『末世の衆生(生きとし生ける全ての命)を救いたい』という大いなる願い(御誓願)を以て、今から八百四十七年前の六月十三日、長い寿命を持つ龍に化身して修行に入られました。ですから、この広大無辺な御誓願(み心)によって、皆さんの様々な願いを叶えて頂けるのです。
そして三番目には、国家・社会、そして周りの人々などのお蔭で私達は生かされている訳ですから、世の中のために役に立つ願いでなければなりません。
 
この事を別な言葉で表せば「社会が求め、佛様が求められる事は必ず実現する」ということです。以上を整理してみますと、
 
一、御本尊様に向き合う皆さんの心。
  つまり皆さんご自身の佛様に向かう心構えと祈りの力。
二、御本尊様の御誓願である衆生済度の救済力
  即ち、広く深い大慈大悲の救済力。
三、周りの人々や社会情勢のあり方とその影響力。
 
これを、
 
以我功徳力 如来加持力
及以法界力 普供養而住
 
と、真言宗では「三力の偈」として、日々の修法で必ず唱えます。
 
この三つの力が大切となるのです。当山ではそれに加えて、貫主である歴代の住職の法力が加わって四力となるのです。
 
若い弟子の問い掛けに応える
 
先日、一番若い弟子が高野山での百日間の修行を終えて帰ってきました。この修行は四つに分かれていまして、最後には護摩を二十一座焚きます。その時の護摩札を大事そうに持って報告に来ました。彼には正月には奥之院の護摩堂で護摩を焚いてもらいました。本院ではもっぱら私だけが御本尊様の前で護摩を焚きますが、奥之院では弟子たちも護摩堂で護摩を焚くことがあります。この護摩堂は、昨年末に私自身が八千枚護摩の正行としての護摩を焚いたその同じ場所です。
 
その後、彼は一時生家に帰りました。帰る前の報告で「私のような未熟な者が拝んでご利益があるのでしょうか?」と質問しました。それに対して、私はその昔、開山上人様に同じ様な質問をした時の開山上人様との問答に、私自身の実感を加えて答えました。「自ら未熟さを実感していることは良いことです。自分がこの人の願いを叶えてあげるというような思いで祈っていては駄目です。
『どうかこの方の願いを叶えてあげて下さい』と御本尊様に一心にお願いするような思いで祈りなさい。
 
その祈りは決してゼロではありません。私に比べて十分の一でも百分の一でも祈る力が有るのだから、広大無辺な皇円大菩薩様の無限のお力と足し算ではなく、掛け算なのだから、必ず功徳があるのです。心を虚しくして皇円大菩薩様にお任せして祈ることが最も大事なのです」と答えました。
彼は不安げな顔から一気ににこやかに安心したような顔になり「有り難うございます」と深々と頭を下げ、帰って行きました。
 
私も改めて自分自身の祈りの力を、少しずつでも上げて行く精進を重ねなければと思ったのでした。
 
一心に祈り、お任せする心構え
 
この心を虚しくして、佛様にお任せして祈るという基本姿勢は、信者の皆さんにもそのまま当てはまります。例え小さくとも、皆さんの祈りの力がゼロやマイナスでさえなければ、皇円大菩薩様の絶大な御霊力と救済力と私の祈りの力によって、必ずや功徳が現れるのです。
要は御本尊皇円大菩薩様に、心をしっかりと向けていることが最も大切なことなのです。
これが一番目のご利益を頂く条件です。
 
「昭和の奇跡」をもたらした絶大なる御霊力と救済力
 
二番目の皇円大菩薩の御霊力、救済力は私自身が一番実感しています。多くの信者の皆さんもそれぞれに実感しておられるはずです。例えば現在の本院と奥之院の外観を見られただけで、まだ信者ではない一般の方でも、何か大きなお力を何となくでも感じておられるはずです。
 
奥之院の建立の過程を、真言宗の機関紙『六大新報』の主筆であった故今井幹雄さんは「昭和の奇跡」と表現しておられました。当山は天皇陛下の勅願で建立された国家事業としての寺院ではなく、またかつての将軍家や各藩主が建立した寺院でもありません。一地方の信者寺です。そこにこの様な伽藍が建つこと自体が奇跡と感じられたのでしょう。
しかし、私の実感ではこれは奇跡でも何でもありません。この奇跡を生み出されたのが、皇円大菩薩様ご自身なのですから。
 
私が貫主を拝命してからの、平成五重塔の建立も南大門の再建も、全ては皇円大菩薩様の御霊示に依って、そのお働きに依って姿を現したのですから。奇跡と言うなら皇円大菩薩様の御霊力と、救済力そのものが奇跡と言っていいのです。
 
地域社会や世界に対する恩返し
 
三番目の「法界力」とは、一言で言えば「周りの環境・情況」の影響力という事です。世界は狭くなりました。日本経済も世界経済に深く連動しています。
 
七十年前に終結した大東亜戦争の時代に生きた人々は、「安全に安心して生きたい」と願っても、個人の力ではどうしようもない戦いの中で命を落とされたのです。三十五年前のカンボジア難民も、現在のチベットの人々も大変な苦難を味わっておられます。
 
以上は極端な例ですが、人はどんな国に生まれ、どんな社会に生きているかで人生が大きく変わります。その意味では世界中の人々が羨む程の平和で豊な日本に住んでいる事が、いかに有り難いかを実感せずにはおられません。それと同時に少しでも社会のため、世界のために恩返しをしたいという思いで、当山では国際協力や地域づくり、人づくりなどに努めているのです。
 
私は数年前から「教育機関を創りたい」と念願していました。その思いは場所を変えてミャンマーで実現しています。昨年は十校が建ち、今年は十五校の学校が建ちます。三十五年前に皇円大菩薩様の御指示を受けられた先代の真如大僧正様が、カンボジア難民支援を発願されました。その三十五年間に亘る国際協力の実績を評価された日本財団との協働で、ミャンマーでの学校建設が始まりました。
社会の力としての「法界力」が加わっている一つの現れなのでしょう。
 
そして何と言っても、全国の信者の皆様が三十五年もの長きに亘って「一食布施」や「心の里親」「同胞援助」などの「慈悲行」として、アルティック(れんげ国際ボランティア会=ARTIC)に尊い浄財を喜捨して頂いたればこそであります。
 
人々と社会を荘厳する拝み倒しの信心力
 
「三力の偈」の最後の一句、「普供養而住」を私が独自に解釈しますと、自分の努力と、佛様の救済力と、社会の力が互いにお仕えしあい、影響しあい、奉仕しあって人々と社会を荘厳して行く、と読みました。
 
佛様のお蔭で私達の幸福があり、私達の幸福が社会を明るくし、周りの人々を明るくする。その事への感謝の心が、御本尊皇円大菩薩様の御霊力を一段と輝かせて行くのです。
 
各家庭の御分霊の皇円大菩薩様が更にお力を発揮して頂けるように、私達の信心によって、御本尊皇円大菩薩様は御霊力を私達と社会に広めて頂くのです。
 
これまでの信者の皆さんの信心に、改めて御礼を申し上げますと共に、どうか更により強く、より深い信仰をお願い致します。合掌
 



お申し込みはこちら 大日新聞(月3回発行)を購読されたい方は、
右の「お申し込みはこちら」からお申し込みいただくか、
郵送料(年1,500円)を添えて下記宛お申し込みください。
お問い合わせ 〒865-8533 熊本県玉名市築地玉名局私書箱第5号蓮華院誕生寺
TEL:0968-72-3300