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大日乃光






大日乃光

2015年01月31日大日乃光第2099号
「笑顔と感謝の言葉があなたの運勢を開く」

二月三日の節分は一年の運気の変わる日
 
つい先般年が明けたかと思えば、もう目の前に節分が迫って参りました。「節分」は、「二十四節気」の一つである「立春」の前日に当たります。
 
旧暦(太陰太陽暦)では立春の日が正月(即ち「旧正月」)ですので、節分が大晦日ということになります。そう言い換えれば、旧暦で年が改まる前日(節分)に、最も大きく運気が改まるという道理が理解しやすいと思います。
 
この節分の日には、日本各地で様々な行事が営まれてきました。平安時代には宮中で「追儺式」(鬼祓いの儀式)が執り行われ、やがて江戸時代以降、鬼(邪気)を豆によって追い祓う「豆撒き」が一般的にも行われるようになりました。
 
昭和最後の大横綱を導いた開運招福の「豆撒き」
 
当山では一足早く、来たる二月一日の日曜日、午前と午後の二回に分けて奥之院で「豆撒き」を執り行います。大梵鐘「飛龍の鐘」の真下に豆をお供えし、轟音と共に豆を加持して、未歳生まれの歳男、歳女の方々と一緒に、お参りの方々に豆撒きを致します。
 
その昔、大相撲の大横綱千代の富士関(現在の九重親方)が、まだ前頭だった頃に、この豆撒きを一緒にした事がありました。すると、それから僅か一年半後には、もう新横綱として昭和五十六年の奥之院大祭で、横綱土俵入りを奉納して頂きました。二月に当山で豆撒きをして以来、まさに昇り龍のようにトントン拍子で出世されました。
 
その九重親方も今年は還暦です。先年九重親方と会った時、この節分での豆撒きの事を、懐かしそうに話しておられました。
 
「星供護摩祈祷」と私達の心構え
 
さて、当山では二月一日から、この運気の大きな変わり目である二月三日の節分の日まで、全国の信者の皆さん方、そして多くの有縁の方々のために、密教秘法の「星供護摩」を三座焚いてご祈祷致します。これは「大難を小難に、小難を無難に」と転じるように祈るものです。
 
この様な密教祈祷による「星まつり」に対して、それを申し込まれた方の中から、「私自身は節分に当たってどんな心構えが必要なのでしょうか?」とお尋ねされた事があります。
 
それに対して、「節分は運気の変わり目なので、開運の意味を込めて皆さんの為に祈りますが、あなたご自身も、これまでの生活習慣の中に何か一つでもよいから、新しい良き習慣を加えるか、あまり良くない習慣であれば思い切ってそれをやめる決意をなさってはいかがでしょうか?」と答えました。
 
これは例えば、「これまでよりも三十分早く起きる」でもよいし、「一日の始まりに朝日を拝む」、「朝日に向かって歩く」でも良いと思います。また、これまでタバコを吸っていた人は、この日を境に禁煙するのも良いでしょう。
 
開運の秘訣は「諦めない」こと
 
習慣は第二の個性です。良き習慣を続ける事が、運勢を少しずつでも開いて行く事につながるのです。この続けるという事が大切です。と言ってもなかなか続かないのもまた人間の性です。何度やり直してもよいのです。一年の計を元旦に決めた方も、もう一度、この「節分」で挑戦してみるのもよいでしょう。ただし、「諦めない」事が大切です。
 
今、苦難の只中に居られる方は、くじけそうになったり「もうだめだ!」と思われる事もあるでしょう。そういう時こそ、コツコツと続けて来た期間が長ければ長い程、目に見えない「何かに守られている」と感じる事が出来るはずです。
 
これを一度味わうと、「自分は守られている」と感じる事が出来るのです。どんなに意思が弱くとも、力が無くとも、諦めさえしなければ必ず道は開けます。
 
「恵方巻き」の本当の意味
 
平成十年頃に関西地方より始まった「恵方巻き」の風習が、十年程前から、こちら九州でも広まり始めました。そもそも恵方巻きの「恵方」とは「歳徳神が在位する方角」という意味で、この「節分」を境に毎年変化します。
 
かつては自分の家からみて、その年の恵方にある寺社に参拝してその年の幸福を祈願する「恵方詣り」の風習がありました。それも大正時代以降、方位に関係のない「初詣」となって、今日に至っています。
 
さて今年の「恵方」は「庚(かのえ=西南西やや西)」の方角とされています。「恵方巻き」の風習では、そちらの方角を向いて、大口を開けて海苔巻きの寿司を食べると縁起が良いとされていることを知る人は多いと思います。これは、いわゆる「縁起担ぎ」なのですが、この「大口を開けて」というところがミソです。これは口を大きく開けて大笑いしている姿に意味があるのです。
 
「笑う門には福来たる」と昔の人はよく言ったものです。たとえば良い事、嬉しい事があったから笑っているのではなく「笑っていたから福が来た」という事なのです。
 
その反対が「泣きっ面に蜂」です。これも蜂に刺されたから泣いているのではありません。泣いているところに、さらに蜂が刺しに来たのです。
 
「縁起担ぎ」の「縁起」という言葉は、もともと全ての物事には原因があり、縁が加わって結果として何事かが起こる、という事です。
 
この「縁起もの」としての恵方巻きにも、それなりの意味があるのです。大口を開けて笑う事によって「笑う門には福来たる」と…明るい笑顔を作ることによって、心のあり方も明るい状態にする事が大切なのです。
 
笑いの効果
 
先に良き習慣が運を開くと言いました。その習慣の一つとして自分の方から他の人、周りの人々に笑顔で接するという事を習慣にして下さい。毎日一度でも多く笑う事が、運勢を良くするための、とても大切なことであると確信しています。笑う気にならなくても、鏡の前で笑顔を作って声を出して大笑いしてみて下さい。
 
私自身、信者の皆さんと面接しての相談を受けます(これを当山では「特別指導」と言う)。時に重く、つらい相談もありますが、最初と最後には努めて笑顔で接する事を心掛けています。そうすると、ほとんどの方は笑顔になって帰って行かれます。
 
この笑顔や笑いによって何かが変わって来る事は、科学的にも一部証明されていります。世界的な遺伝子工学の権威であられる村上和雄先生は、笑いによって糖尿病の人の血糖値が下がるという事実を科学雑誌に発表されました。

血糖値までも下げる力を、なぜ笑いが持っているのかはまだ充分には分かっていないようです。しかし実際に血糖値が下がる事は実験によって証明されました。
という事は、「笑う門には福来たる」もいつの日にか、科学的にも証明される日が来るでしょう。
 
心の働きが前向きな人は周りの人びとの幸福を祈ったり、周りの人の役に立とうとされます。その心持ちが、その人自身をも幸福に導くに違いありません。ですから先ず自分から笑いかけてみましょう。そこから小さな変化が現れるに違いありません。
 
運勢を開く感謝の心
 
次に運勢を開く大切な心構えとは、「感謝の心」です。
 
人生には様々な節目や転機があります。自分に都合のよい事には、どなたも感謝出来るますが、不都合な事柄にはついグチや不平不満を言ってしまいます。
 
そんな時は、ご自宅の皇円大菩薩様のご分霊に向かってそのグチや不満を言ってみて下さい。お参りのはじめに親に甘えるように語りかけて下さい。その後、一心に『般若心経』や『光明真言』を、そして「南無皇円大菩薩」と御宝号を何度も唱えて下さい。何度も唱えている内に、様々な不安や悩みが軽くなり、楽になるはずです。
 
御宝号そのものに「ありがとうございます」という感謝の思いを込めて唱えて下さい。この感覚を一度しっかりと身に付けると開運へのゆるぎない道が開けます。
 
感謝の心を育む「ありがとう」
 
運勢を開く心構えを作る、いま一つの方法は、なるべく「ありがとう」「ありがとうございます」と、日々の生活の中で口に出して言う事です。
 
人によってはこの「ありがとう」の代わりに「すみません」と言う方がおられます。 しかし「すみません」では、それを言う本人の心に前向きなものが生まれにくいのです。どちらかと言えば、心のエネルギーが抜けてゆく方向に働いてしまします。
 
笑顔・笑いが幸運を呼び寄せるのと同じように、有り難い事があったから「ありがとう」と言うだけでなく、逆に普段からできるだけ「ありがとう」と言っていると、有り難い事が向こうからやって来るのです。
 
周りの人びとに一回でも多く、「有り難うございます」「アリガトウ」と言いながら、運を開いて行きましょう。合掌



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