2015年05月27日大日乃光第2110号
信心力を存分に発揮して六月大祭で御本尊様を喜ばせよう
信仰上の「三力」を実現する六月大祭
全国の信者の皆様、如何お過ごしでしょうか。皇円大菩薩様御入定八百四十七年の大法要が間近に迫りました。そして、今年の前半が今月で終ります。
今年の一月二十一日号の本誌に、信仰上で大切なものとして、次の三つの項目を書きました。
(一)ご本尊様に向き合う皆さんの心構え
(二)皇円大菩薩様の衆生済度の救済力
(三)周りの人々や社会情勢・国際情勢のあり方とその影響力
これら信仰生活に、そして願いを叶えるために必要な三つの力を、真言宗では「三力」(さんりき)と昔から言い習わしてきました。
大祭の価値を決める「参詣の証」
(一)は私達の信仰の力そのものです。この皇円大菩薩様に向かう私たちの心構えと祈りの力が、全ての信仰の出発点であり原点である事を表しています。この信仰の力が最も発揮されるのが、目前に迫る御遠忌大法要(六月大祭)なのであります。
既に封書によってお届けしている「参詣の証」に何人の信者さんが自ら書き込んで、そして持参して受付に出されるのかが、本年の大祭の価値を決めると言っても過言ではありません。
加えて、どうしても諸般の事情で直接ご参詣になれない方も、お参りしたい気持ちを込めて、この「参詣の証」を是非とも送り返してください。
究極の御霊力と救済力が約束された六月十三日
(二)は言わずと知れた御本尊皇円大菩薩様の絶大なる御霊力のことであり、開山上人様の救済力であります。
八百四十七年前のこの日に、長い寿命を持つと言われている龍神に化身して衆生済度の法力、霊力を獲得しようという大慈大悲の御心を以て、静岡県の桜ヶ池に御入定になりました。その大慈大悲の御心と言うべきか、御誓願と言うべきか、この菩薩様としての願いが結実した日こそ、皇円大菩薩様の御霊力・救済力の最も高まる日なのであります。
前号でもお伝えしましたように、この大祭こそは、毎月のご縁日の何十倍何百倍の功徳のある日なのであります。今現在、苦難や悩みの中にある方は、何としてもこの日にお参りして頂きたいものであります。それがご利益を頂かれる大切な条件の一つであると言っても過言ではありません。
年に一度、自分の都合を抑えて佛様のご都合に合わせるべき日
(三)の社会や世間の影響力は、平和な我が国ではさほど大きな影響はありませんが、それでも「この日は平日で休めません」とか、「この日には外せない要件がありまして」など、様々なしがらみや仕事上の都合がある方も多いと思われます。
日本社会が今でも農業を中心とした社会であれば、この時期は比較的お参りしやすい時期なのかもしれませんが、会社勤め等の多いこの時代、仕事を休んでまでお参りするのは難しいかもしれません。であるならば、なおさらの事、この日に少々の無理を押してお参りされる事の価値は大きいのであります。
しかも御遠忌大祭(六月大祭)は六月十二~十三日と決まっています。自分の都合を差し置いてお参りするか、それとも大祭の日程に自分の都合を合わせられないかは、皆さんの心構え次第です。
真剣に願いを叶えたいと思われる方、何としてもお礼参りをしたいと思われる方は、何ヶ月も前からこの日に休みを取ってお参りされるはずです。少々厳しいことを申しあげましたが、それは、一人でも多くの方に功徳を積んで頂き、願いを叶えて頂き、幸せになって頂き、そして信仰の醍醐味を味わって頂きたいからなのであります。
「四摂法」を体現される皇円大菩薩様
このような「三力」については、本年一月二十一日号の本誌でお伝えしました。そして、同じく二月十一日号では「四摂法」についてお伝えしました。
これは自らの心構えと生活の質を飛躍的に向上させ、更には、周りの人々をも幸せにするための四つの手立てであります。
(一)「布施」(ふせ)…これは言うまでもなく、自分にできることを人にしてあげたり、自分の知っていることを人に教えてあげたり、周りの人たちに安らぎを与える事などです。どんな人にでも出来る布施として四月一日号の本誌で「無財の七施」をお伝えしました。
(二)「利行」(りぎょう)…人々や世間の役に立つことを実行することです。これは説明しなくとも、何が世間に役立つかは誰でも分かることです。
(三)「愛語」(あいご)…慈しみや愛情のある言葉で周りの人々に接していくということです。
(四)「同事」(どうじ)…悲しむ人、困っている人に寄り添ってそばに居てあげる事です。
長年信仰されている方にとっては御本尊皇円大菩薩様ほどに、この「四摂法」を実践しておられるお方は無いと感じられておられることでしょう。
御本尊皇円大菩薩様に一歩でも近づく手立て
第一の「布施」と言えば、信者の皆さんはお寺へのお供えなどを連想される方が多いかもしれませんが、それと同時に佛様から安心や安らぎといった「施無畏」(せむい=恐れや不安をなくす働き)としての佛様からの布施が与えられています。この相互の布施が成り立つことが、布施には大切なのであります。
二番目の「利行」はまさに私たちの様々な悩みや苦しみから救って頂いている、そのことであります。信者の皆さんや、広く一般社会に有益な働きを私たちの目に見えないところでこの「利行」を激烈に推進されているのであります。
次の「愛語」は佛様からの声を誰でも聞ける訳ではありませんから、なかなか実感される方は少ないでしょう。しかし、私自身は大きな判断や決断をしなければならない時、常に明確にその方向を示していただいていますので、ご本尊様の「愛語」を聴くほどではありませんが、それに近い感覚を常々体感しております。有り難いことであります。
そして、皆さんの中にも、長年の信仰生活の積み重ねの中で「佛様は自分にこんなことを言っておられるに違いないか?」と感じられることが度々あられることでしょう。
六月大祭で体感する「入我我入」の境地
そして、最後の「同事」は、常に皇円大菩薩様とのつながりを持っておられる方には極めて当然の感覚であるに違いありません。『いつも身近に皇円大菩薩様がおられて、自分を守って頂いている』という実感を持っておられる方は誠に幸いです。この事を真言宗では「同行二人」と表現しています。
来たる御遠忌大祭での「功徳行」や、それに続く大梵鐘の「お身拭い式」、そして「龍火くだり」などの一連の修行や行事の中で、多くの同信の信者の皆さんと共に声を合わせ、体の動きを合わせている内に、心も一つに溶け合い、更には自分と佛様との区別までなくなってしまうような感覚が訪れます。これこそまさに私と佛様が「同事」となった瞬間であり、「入我我入」(にゅうががにゅう=佛様が私の中に入ってこられ、私が佛様の中に入るという境地)の修行の、信仰の醍醐味であります。
この佛様との一体感と同信の信者の皆さんとの融和を体験できるという、最も意義深く有り難い機会が、この六月大祭「皇円大菩薩様御入定八百四十七年御遠忌大祭」なのであります。この貴重な大祭を体験できずに、何かの事情で参詣出来ないのは余りに勿体無いことなのであります。
信仰の喜びを味わう様々な行事
また、これも恒例となっている「信仰体験談発表」を、何人かの信者の方によってご披露して頂きます。そんな体験談の数々には、同じ信者さんとして経験の長短、信仰の浅い深いはあっても、必ず大きな気付きや感動、そして新たな発見があるに違いありません。
引き続き深夜の「大護摩祈祷」で全員が心と声を合わせて、お護摩の炎に顕現して頂く御本尊皇円大菩薩様のお姿を拝しながら、虚心の祈りを捧げます。
続けて上映される『龍神の説法』では、在りし日の開山上人様に接することができます。私も若い頃の初心に戻ったり、改めて開山上人様の偉大さを実感したりと、得難い一時であります。
しばしの休息の後、いよいよ「皇円大菩薩御入定八百四十七年御遠忌大法要」であります。しめやかな読経の中で、信者の皆さんはそれぞれに深い感謝や感激や熱烈な祈りや、淡々とした祈りなどの様々な祈りと感謝を溶かしていくように、粛々としめやかに法要が営まれます。引き続き、僧侶と信者の皆さんとで同じ『般若心経』や「御宝号」を唱えて、大きな祈りの輪となった頃、朝日が昇り初めて、皆さんの顔を照らし出します……
年に一度の〝里帰り〟に寺内挙げての歓迎とお接待
ある信者さんは、「一年に一度、皇円大菩薩様に信仰の力や生きる元気を充電してもらいに大祭にお参りします」と言っておられました。まさに〝言い得て妙〟であります。
その後、法話やお加持の後には、半年近く遅くなりましたが、五重塔周りの造園工事の業者さん達への感謝状贈呈を行います。それに引き続き、造園工事の総監督として存分に腕を振るわれた、植芳造園の井上社長に、本造園の歴史的な意義についてミニ講演をしてもらう事になっています。こちらも、どうぞ楽しみにして下さい。
全国の信者の皆さんの一人でも多くのお参りを、寺内の職員と共に心からお待ち致しております。いえ!本当は、皆さんのお参りを一番に喜ばれるのは御本尊皇円大菩薩様と、開山上人様なのではないかと気付きました。
皆さん、御本尊皇円大菩薩様そして、開山上人様に会うために、ぜひお参りして下さい。合掌
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