2015年08月06日大日乃光第2117号
お盆供養でご先祖様に合掌し、終戦記念日を考えよう
戦後七十年先の大戦の総括は?
いよいよ終戦七十周年の終戦記念日が近づいてきました。佛教的には「五十回忌」(つまり四十九周年)を大切にし、また世間的には「還暦」(つまり六十周年)を大切に致します。
その意味で、七十周年には余り深い意味は無いにも関わらず、近年はこの戦後七十周年をことさら意識するのはなぜでしょうか?
これは私見ですが、現代の私達が先の大戦の世界史的な意義や価値を未だに自覚していない事に加えて、戦後の価値観を引きずっている事に大きな原因があると思います。
そんな日本人の状態に対して、中国と韓国から先の大戦に対する反省や謝罪が充分ではないとの非難が続く中で、先に少しふれたように私達日本社会が先の大戦への総括を終えていない事に原因がある様に感じています。
してはいけない、させてもいけない戦争
随分前からこの時期になると、先の大戦に対する様々な特別番組が各テレビ局から放送され、新聞各紙でも先の大戦についての特集が組まれます。その多くは「戦争は悲惨なものである」「二度と戦争をしてはならない」「戦争の悲惨さを後世に伝えなければならない」といった趣旨で報道されています。
確かに戦争は人類最大の悲劇であり、何としても避けなければなりません。しかし戦争は一国だけで始まるものではなく、様々な国際情勢によって引き起こされて来ました。昔からのことわざに〝喧嘩両成敗〟という言葉があります。国家同士の喧嘩を戦争とするならば、先の大戦を「日本だけが悪かった」とは必ずしも言えないと考えるのが順当ではないでしょうか?
現代の歴史研究では、アメリカがヨーロッパの戦争に介入するために、何としても日本に戦争を仕掛けさせる必要があり、その為に日本を追いつめて行った事が分かっています。
戦後東京裁判で日本を裁いた中心人物だったGHQ最高司令官のマッカーサーが昭和二十六年の米国上院の軍事外交合同委員会での正式な答弁で、「かつての日本の戦争は主として自衛のための戦争だったと認める」との発言が残っています。しかし、未だにこの事を知らない日本人がほとんどです。それは日本のマスコミが伝えないからです。
戦争の影と光?
全ての事柄には光と影が必ずある筈です。「あの戦争に光などあるはずが無い!」と多くの人は思われるかもしれません。しかし、もしあの大戦が無かったとすれば、世界の現状はどうなっているでしょうか?少し考えてみて下さい。
これは私の想像に過ぎませんが、おそらく現在の二百ヶ国近い世界の国々の殆どは、植民地かまたは半植民地状態のままなのかもしれません。ASEAN諸国で七十年前に独立国だったのはタイ国だけでした。南米やアフリカもほとんどは欧米の植民地でした。また、今一つは当時は白人による人種差別が世界の常識であり、白人優位の情勢は動かし難い現実でした。
これら人種差別や植民地の状況が劇的に変化したのは、日本が先の大戦に敗北した後でした。あの大戦が人類の姿を一変させる大きな要因となった事は間違いありません。
今となっては多くの日本人さえも信じていないし、知らない事ですが、我々の祖父母や父母の世代の方々は、太平洋戦争ではなく「大東亜戦争」として戦いました。この戦争の目的の一つは、アジアの国々を欧米の植民地から解放することでした。
戦後、「太平洋戦争」と言い変えさせられた
チベット問題やミャンマーのご遺骨帰國運動の中で私が巡り合った方に、外交評論家の加瀬英明先生がおられます。これは以前、その加瀬英明先生から直接伺った話です。
この方のお父様は、昭和十八年に開催された世界初の有色人種によるサミットとも言える「大東亜会議」の開催に多大な働きをされた外交官の加瀬俊一さんです。また、昭和二十年九月二日の米戦艦ミズーリ号での降伏文書調印に重光葵外務大臣とともに立ち合われました。
いよいよ明日は降伏文書署名に立ち合うという日に、お母様にその旨を伝えると、「私(お母様)は武家の末裔として、降伏に立ち会うために貴方を育てた覚えはありません!!」とキッパリ拒否されたそうです。
それでも切々と説得を続け「日本国はこの戦争に敗北したが、後世には必ずこの戦争の意味が高く評価され、世界から賞賛される日が来る」と訴えられたそうです。そこでようやく納得されたお母様は、その翌朝には洗いざらしの下着類をキッチリと用意されていたとのことでした。
あれから七十年を過ぎた現在でも、マスコミを始め多くの日本人は先の大戦を「大東亜戦争」とは呼んでいません。この事一つ取っても、私達は戦前の近しい直接の先祖である世代の思いや信念を受け継いでいない事になります。
そもそも「大東亜戦争」という言葉は戦後GHQによって禁じられ、その代わりにアメリカでの先の大戦への呼称である「太平洋戦争」と言うように変えらたのです。
私達に罪悪感を植え付けたGHQの政策
それと前後してGHQは新憲法を押し付け、日本人の倫理観を形成する「教育勅語」も廃止させました。
これは個人に例えて言えば、近所のある家とのいさかいの結果、それまでのその家の家訓を相手が押し付けた家訓に代えさせられ、さらには「あなたの家の先祖達は周りに多大な迷惑を掛けた悪い先祖達だった」と思い込ませる様々な手立てを受けたのです。
現代の日本はこんな哀れな家といった状態であるという事もできます。その家の子孫達(現代の日本人)は先祖に感謝することが出来ず、未だに子や孫達に「お前達の先祖は周りの人達に迷惑を掛けたとんでもなく悪い先祖だったんだ!」と教え続けている。こんな状態と言ってもあながち間違ってはいないと思うのは私一人でしょうか?
皆さん!!自分の先祖を卑下し、子や孫達に「私達の先祖は悪い人達だった」と教え続けたとしたら、その家庭は一体どうなって行くでしょうか?想像しただけでも背筋が寒くなります。こんな事を現代の日本は教育界やマスコミ界で延々と七十年間続けて来たのです。
お盆供養で手を合わせ「大東亜戦争」を考えよう
私達日本人の倫理観や宗教観の根底には、ご先祖様への感謝と報恩の思いが厳然として地下水脈のように流れています。これを根底から否定し、ご先祖様を卑しめ続けるならば、日本人の美点は確実に崩れ去って行くに違いありません。
終戦記念日と同じ日に、日本人の最も大切な伝統行事の一つであるお盆を迎えます。このお盆の行事が年々形骸化している様に感じるのは私一人では無いはずです。その背景に、戦後GHQによって日本人を堕落させる為に意図的に画策された「日本人罪悪史観」「日本人獣化政策」が、七十年経った現在でも有効にその効果を上げていると感じるのも、私一人では無いと感じております。
世界の植民地政策と人種差別を根底から転換する大きなきっかけを作った、先の「大東亜戦争」を私達の先祖がどんな思いで戦ったか。このお盆を迎える時期に一人一人が静かに想いを馳せながら過ごして頂きますよう、切にお願い致します。 合掌
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