2016年04月28日大日乃光第2141号
皇円大菩薩様の大慈大悲の実践が問われる熊本大地震
甚大な被害を免れた蓮華院
四月十四日の熊本地震発生直後から、全国の信者の皆様から電話などで安否の確認やお見舞いなどの様々なお問い合わせが続きました。それでもこちら玉名では、一部の地域を除き重大な被害はありませんでした。
十四日夜九時二十六分の地震発生時は、これまでに経験したことのない凄い揺れの地震(震源地の益城町で最大の震度七)が発生しました。それ以後も熊本では震度六を超える大きな揺れが続きました。
一夜明けて早速被災地支援のための調査を検討していましたが、そんな中で十六日未明(一時二十五分)には、再び更に激しい揺れに襲われました。しかし幸いにして、自室では高い所から少し物が落ちた程度で済みました。
翌朝、寺内の被害状況を調べてみますと、本院の参道の石灯籠が二基倒れただけで、それ以外にはほとんど被害がありませんでした。信者の皆様方には、まずもって蓮華院では被害がほとんどなかった事をご報告致します。ご安心下さい。
後ろ髪を引かれながらの上京
そんな中で、私は既に決まっていた関東支部布教会のために、後ろ髪を引かれる思いで上京しました。
本来ならば阿蘇くまもと空港(熊本空港)から飛び立つ予定でしたが、空港自体が震源地の益城町に立地している上、二回目の強い地震でターミナルビルが破壊されたため、全面閉鎖となりました。そこで急遽福岡空港から出発しました。
関東で信者の皆様にお会いすると、案の定かなりのご心痛をおかけしていましたが、先のような報告を致しましたので、安心して頂けたようでした。布教会を済ませた後、携帯電話で宗務長と緊急支援活動についての打ち合わせを続けながらの上京でした。
これまで二十年前の阪神淡路大震災、五年前の東日本大震災と、信者の皆様からのご支援ご協力を頂きながら、被災者に対する支援活動を続けてきましたが、まさか地元の熊本で、このような大震災が発生するとは思いもよりませんでした。
それまでの国内の災害支援活動で「認定NPO法人れんげ国際ボランティア会」(以下、ARTIC=アルティックと略称)は、国内の様々な団体から名前と活動を周知して頂いていた関係で、今回は多くの団体からの問い合わせが相次ぎました。
また全国の救援団体は、ほとんどが熊本には拠点を持っていませんので、当方の存在が被災現場に近い出先として大いに期待されていることが実感されました。
私は十八日にも「ミャンマーご遺骨帰國運動」関係の会議がありましたので、東京から帰り着いたのは十八日の夜十時を過ぎていました。
早くも始まった炊き出しと期待される拠点としての役割
私が留守の間にアルティック専務理事の光祐(宗務長)と、同じく事務局長の久家誠司君とで、既に十七日には益城町への延べ一千食の炊き出しを終えていました。
これから公益社団法人「シャンティ国際ボランティア会」(SVA)、神戸の「被災地NGO協働センター」、「静岡県ボランティア協会」、高野山真言宗、曹洞宗青年会など各地の団体から派遣されたスタッフが、続々と当山に詰めかけています。
それらのスタッフと蓮華院の職員、近所の信者さんや近くの知り合いの方々が参加しての「炊き出し隊」が車両二台で十七、十八、十九、二十日と、連日朝八時過ぎには出発しています。
しばらくはこの「炊き出し」を継続的に続けながら、その後に必要な支援の在り方を模索して行く事に致しております。
これまでの経験からは、次に必要な支援が避難所での心のケアーや、きめ細かい身近な悩み相談などに移行して行くのではないかと想像できます。しかし被災地の状況は刻々と変化していきますので、それらをしっかりと見極めながらの支援活動になると思います。
そんな中で、多くの団体は震災直後の食料支援や緊急物資の支援まで実施する事は多いのですが、中期的、長期的に支援を継続的に実施する団体はそれほど多くはありません。
そんな中で、我々アルティックやSVAは、阪神淡路大震災でも東日本大震災でも、継続的な支援を続けて来た経験を持っていますので、初期段階での調査と今後の企画力が問われるところです。
今こそ布施行の実践を
本誌では、日頃は信心の在り方を様々な方面からお伝えしています。そして二年後の皇円大菩薩様御入定八百五十年大遠忌を目前に控えております。
しかし、今こそ皇円大菩薩様の大慈大悲を私たち自らが実行すべき時なのであります。大慈大悲の実践としての布施行を、今まさに震災被災者のために、炊き出しから始めているところなのであります。
様々な団体の現地拠点として、蓮華院と奥之院を開放して行く事になりますので、その人達の活動を支える人材が必要になってまいります。
皆様方の中で、時間に余裕のある方は寺務所にお問い合わせ頂いて、奉仕活動にぜひお越し下さい。また、その方々は場合によっては「炊き出し隊」にもご参加頂く事になるかもしれません。
「自分にはその余裕はない」という方もおられることでしょうが、その方々はほんの少しでも結構です。別掲の震災募金にご協力の程をお願い致します。合掌 (平成28年4月20日記)
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