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大日乃光






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2016年05月26日大日の光第2143号
皇円大菩薩様の御心に適い大いなる御利益をもたらす六月大祭

第二ステージに入った 熊本地震支援活動
 
いよいよ皇円大菩薩様御入定八百四十八年御遠忌大祭(六月大祭)の月となりました。
全国の信者の皆様にはいかがお過ごしでしょうか?
 
その一方で寺内では「熊本地震」への第二次の支援活動を、五月十六日から再開致しました。この活動は大きく三種類に分かれます。
 
一、夕食の配達事業
連休明けに避難所になっていた学校から拠点避難所に統合された関係で、多くの方々が避難所の移転を余儀なくされています。そんな中でよりきめ細かな食事サポートの実施です。
 
二、心のケアー事業
(1)傾聴ボランティアを地元の九州看護福祉大学の学生さんと共に実施しています。

(2)傾聴と合わせて「足湯」と「薬草カフェ」を実施することにより、被災者同士の語らいの場を提供しつつ、互いに励まし合い助け合う人間関係を作ります。

(3)一定地域の人々の中から希望者を募って「温泉ツアー」や「奥之院参拝ツアー」を実施します。
 
三、アーティスト招聘事業
五年前の東日本大震災で実施した時と同様に、様々なアーティスト(音楽家、演奏者、落語家など)を被災地にお招きし、被災された人々の心に安らぎをもたらすための事業です。
 
このような事業によって、少しずつ復興への意欲を高めて頂き、人々が互いに助け合う人間関係作りになるよう努めていきたいと思っております。
 
このような事業は信者の皆様からの浄財や、その他ご縁のある方々や団体からの支援金を元に実施いたしております。本当に有難いことです。
 
これは、これまで私たちが世界各国や日本各地で行なってきた災害緊急支援などの結果、多くの方々とのご縁を大切にして来たお陰であります。まさに「情けは人のためならず」を実感しております。
 
「三力の偈」に示された願い事を成就させる三つの力
 
さて、いよいよ六月大祭が近づいてまいりました。毎年大祭の前行として奥之院で「功徳行」を執り行いますが、今回は改めて功徳を積む意味と心構え、さらには参加するだけで大いなる功徳になるという、当山の信仰上最も重要な六月大祭の意義についてお話し致します。
 
私達真言宗の僧侶が様々な祈願をする前に必ず唱える偈文があります。それが「三力の偈」(さんりきのげ)です。

以我功徳力(いがくどくりき)
如来加持力(にょらいかじりき)
及以法界力(ぎゅういほうかいりき)
普供養而住(ふくようにじゅう)
 
この意味は「私自身の功徳力と佛様のお加持の力と法界(社会や地域)の力の三つの力によって、広く普く周辺に供養を及ぼす心を保ちます」といった意味です。
 
物事や願い事が成就し、達成されるためには自分の努力、如来即ち佛様のお救いの力、そして世間の助力の三つが揃わなければならないという教えです。
 
逆に言えばどんなに熱烈な命懸けの願いであってもそれだけでは充分ではなく、佛様のお救いの力と、社会状況が整わなければその願いは成就出来ません。
 
「三力の偈」の第一項目、「以我功徳力」は、私達一人一人の努力と精進そのものです。
第二項目の「如来加持力」は、私達の無欲の祈り、無私の祈りを捧げれば、無限大の力になると確信しています。
 
無限大の絶大なる御霊力にあなたの功徳力を加える意義
 
これまで何度もお伝えした事ですが、皇円大菩薩様のお力(如来加持力)は無限です。そこに私の祈り(以我功徳力)がわずかに一つでも加わり、さらに信者の皆さんの祈りが、たとえ〇・一(十分の一)であっても、∞(無限)×一×〇・一=∞なのですから、必ずや何らかの功徳やご利益が顕現(実現)されるのです。
 
それに対して、偉大な御霊力の佛様に私がいくら真剣に祈っても、祈願をお願いされるご本人の祈りの力が〇(ゼロ)であれば、∞×一×〇=〇となってしまいかねません。
 
だからこそ真剣に、できるだけ足をお運び頂いてお参りすることが大事(不可欠)なのです。
 
私の信念の一つに、「佛様がお認めになり、社会が必要とすることは、必ず成就する」というのがあります。
 
先の「三力の偈」を元に、当山ではもっと身近で分かりやすい「蓮華院信仰の三力」が、開山大僧正様によって提唱されています。新しい信者さんも増えていますので、ここでその三力をご説明いたします。
 
願い事が叶うための心構え
 
願い事は必ず叶わねばなりません。そのためには御本尊皇円大菩薩様の御霊力と、歴代貫主の祈祷力と、信者の皆さんの信心力、この三つの力が揃わなければなりません。そして願い事が叶うためには、信者の皆さんの心が佛様の御心に適わなければならないのです。
 
皆さんの願いが佛様の御心に適うという事は、願いそのものが良き願いであり、周りの人々のためになり、社会のためになる願いとなる事が大切です。
 
佛様の心を一言で言い表せば「大慈大悲の心」です。ですから自分のためだけの願い、自分さえ良ければという願いであってはなりません。そして日々の生活の中で、この慈悲の心を少しでも具体的に実行していく生活とならなければ、本当の良き願いとはならないのです。
 
六月大祭の全ての行事は、佛様の御心に適うための修行
 
この佛様の御心に適う願いを皆さんに持って頂くために、来たる六月十二日の午後二時から奥之院の五重御堂で、「授戒」「写経」「阿字観」などの「功徳行」を修します。行の終わりには、年に一度の信者の皆さんによる大梵鐘の「お身ぬぐい式」を厳修致します。
 
その後、皆さんと願いを込めて、大梵鐘を撞いて祈願をいたします。「お身ぬぐい式」は佛様そのものでもある大梵鐘に、信者の皆さんが直接触れる事の出来る唯一の機会です。そのための浄布を、毎年この時期に一心に念を籠めながら、一枚一枚染筆する事は、私にとっての大祭の前行の一つとなっています。
 
「功徳行」の後、薄暮の中で皆さんと一緒に境内のボンボリに点火して、引き続き五重御堂一層の本堂で、御遠忌大祭の開白法要を修します。そしていよいよ大祭の前行としての「龍火くだり」が、本院までの約四キロの道程で下ります。
 
皆さんと声を揃えて、独特な節で御宝号を唱えながら山を下ります。闇夜の下、一条の灯明の列が連なりながら下る様子は、さながら龍が希望の灯を下界に下しているように感じられます。
 
皆さんの唱える御宝号が野山に木霊する中に、信心の醍醐味と法悦の一時があります。程なく満天の星空が見える頃、本院の五重塔が照明に浮かび上がる姿は確固たる大慈大悲の御心を象徴して、大いなる安らぎと勇気と清涼感が与えられます。

そして南大門では、最後に残った邪気を祓って頂く四天王を拝します。南大門を過ぎた参道では、開山大僧正様の立ち姿の銅像に迎えられて本堂へと至るのです。
 
このように、この年に一度の信心浄化の「龍火くだり」は、大祭の前行として毎年繰り返されてきました。
 
その後引き続き、これも年に一度の信者さん自身の体験談発表へと移っていきます。
 
御霊力の最も高まる日に何をおいてもお参りを
 
今年の大祭は、十二日が日曜、十三日が月曜の平日です。九州内の比較的近くにお住まいの信者さんは、十三日の早朝に終わる大祭にお参りした後で、仕事に出られる方もおられます。遠方からの信者さんは、敢えて仕事を休んででもお参りに来られます。
 
考えてみれば、これは大変な事です。このように大変な思いをしながらお参りされるからこそ、大きな功徳になるのであります。
 
喩えて言えば、大梵鐘を小手先で撞いても小さな音しか出ませんが、全身全霊で撞けば有明海を越えて三十キロ以上も離れた対岸の島原まで梵鐘の音が響くように、大いなる波動が生まれ、思いもよらぬご利益を授かるのであります。
 
全国の信者の皆様、皇円大菩薩様の御霊力の一番高まる六月大祭に、何としてもお参りしようというお気持ちでお参り下さい。御本尊皇円大菩薩様と共に、心よりお待ちいたしております。

また本年は皇円大菩薩様御入定八百五十年大遠忌法要を記念しての、多宝塔の地鎮祭をこの十三日の朝に厳修致します。一人でも多くの信者の皆さんにご参列頂きたいものです。 合掌




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