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大日乃光






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2016年09月08日大日乃光2153号
「ご先祖様のご守護を授かり運勢を開く先祖追善護摩供養」

秋のお彼岸を前に先祖供養の意味を説く
 
いよいよ九月に入りました。今年一年の三分の二が過ぎた事になります。この時期は八月盆と秋彼岸の中ほどになりますので、今回は先祖供養の意味とその功徳について、お伝えします。

そもそも「供養」という言葉は、佛様や菩薩様にお供えする事が始まりです。それが日本ではご先祖様への供養という様に、先祖崇拝の具体的な事になっています。

この「供養」と言う言葉は「供えて養う」と書きます。では一体何を供え、何を養うのでしょうか?

お供えするものは「真心」「感謝の心」と、それに伴うお供え物でしょうか。そして養うものは何でしょうか?
それは自分の生きる意味?生の充実?生まれて来て良かったという思い?優しい心?幸福?愛情生活?健康?財産?学力?…

人は生きている間に様々な願いを持ちます。その願いは年齢を重ねるに従って、叶えられないものになって行く事があります。それは若い時に抱いた夢が年齢を重ねるに従って、色褪せたものになっていくのに似ています。

しかし、これとは逆に年齢を重ねるに従って、深く広くなっていくのが父母やご先祖様への感謝の心ではないでしょうか?

四年前に還暦を過ぎた私は、子供の頃より青年時代、さらには壮年時代の方が、父母への感謝の思いが深まりました。そして父母を亡くしてからは格段に、父母への感謝の心を強く抱くようになりました。

この様に考えてみれば、「供養」とは「真心」と、「感謝」の思いをお供えして、父母や先祖を大切にする心を養うということになりそうです。ここまでは一般的な供養の意味あいです。

初めて当山での先祖供養を始められる方に、「特別指導」(面接しての個別指導)をする時によくお伝えしている事を、ここで少しお話ししてみましょう。一般的な供養から、少し踏み込んだ説明です。
 
氷山の一角に過ぎない顕在意識
 
氷を水に浮かべると、一割ほどが水面から上に出ます。いわゆる「氷山の一角」です。氷山全体からすると約一割しか水上に現れず、その九割が水面下に隠れているからそのように言い表すのでしょう。

この九対一の原理は、私達の脳の働きについても言われています。私達は脳全体の約十パーセントしか使っていないのだそうです。残りの九十パーセントが一体何をしているのか?どんな働きをしているのかは、未だに充分には分かっていないそうです。

この十パーセントしか使っていない脳を十一パーセントでも使っている人が、天才的な頭脳なのだそうです。

この十パーセントが私達の表面の意識としての、顕在意識(けんざいいしき)に相当するのではないかと思います。そして残りの九十パーセントが潜在意識(せんざいいしき)なのではないかと思います。

脳の働きという側面とは別に、人は日常生活のほとんどを「顕在意識」で判断していると思われていますが、本当は日頃はっきりと意識していない無意識の意識とも言える「潜在意識」が決定的な役割を果たしていると思われます。

佛教の心理学とも言われる「唯識学派」では、過去の全ての記憶は、この潜在意識(佛教用語では阿頼耶識=アラヤシキ)の中で記録されていると言われます。その意味では顕在意識を一とすれば、潜在意識は九から十ぐらいの影響を持っていると思われるのです。
 
先祖供養は潜在意識の浄化
 
ここまではある程度、科学的に根拠のあるお話です。ここからは私の修行体験や先代、先々代から伝え聞いてきた事を交えてお話し致します。

水面下の氷のように私達を支えていたり、日頃は何をしているか分からない九十パーセントもの脳の働きを、ご先祖様の存在、そしてそこからの働きかけ、と考えてみて下さい。

長年、当山に先祖供養をお願いして信仰して来られた方は、水面下の氷がきれいな結晶となって、水上に現れている十パーセントをしっかりと支えているようなものなのです。そして、その人の生活や心の安定を、ご先祖様にしっかりと支えて頂いている状態と言えるのです。

この様な状態の人は、何体(何人)もかの良き「守護霊」に護って頂いているようなものなのかもしれません。

もっと信仰が深まりますと、皇円大菩薩様に「守護霊」の様な働きをして頂いている状態になります。そうすると何事も思い通りに事が運び、佛様に導かれて幸福で健康な日々を送る事が出来るのです。

これとは逆に、先祖供養が充分に出来ていない人は、守護霊となるべきご先祖様が「背後霊」のようになるとでも言うのでしょうか、何となく「運が悪い」「道が開けない」「家庭内がいつもゴタゴタしている」などといった状態から抜け出せないことになりやすいのです。

ですから運勢を開く「開運」の意味でも、この様な方々には月決めで、十日間から十五日間、また人によっては二十日間から三十日間というように、その願いの大きさに応じて、毎月の先祖追善護摩供養をされる事をお勧めしています。
 
先祖供養の功徳力で苦難の時を乗り越えよう
 
先日も、大願を成就されたある方が、お礼参りに来られました。この方は大きな決断をする前の半年間、この先祖追善供養を一日も欠かさず続けられました。そのお蔭で大きな願いが成就したのです。お礼参りとしての特別指導の時、大変嬉しそうに報告して下さいました。こんな時は、私も他人事とは思えず、一緒に喜び合います。

また別のある方は、三年間の月参りと先祖供養のお陰で長年苦しんだ病気が全快し、人生を大きく切り開かれました。

この様に申しましても、これは人によりますが、この月決めの先祖供養を始めてからしばらくは、それ以前よりもさらに運気が下がったり、調子が悪くなる人も、まれにおられます。

これはその方のご先祖様方が、それまではその人に供養を全く期待していなかった所に改めて供養を始められたので、ご先祖様方が一気にその方を頼って来られるからです。すると一時的に良くない事が起きたり、悩みが深まってしまうこともあります。

しかしそれに敗けずに供養を続ければ、飛行機が雲を突き抜けて雲一つ無い空に出るように、平安で満ち足りた生活に変わります。実際にそのように変わった方々がたくさんおられます。

一方で先祖供養を続けていても、人生の中では不都合な事が起る事もあります。その不都合な状態にある時こそ、いつも申し上げているように、「反省」「感謝」「奉仕」の三信条を日々の生活の中で実践して下さい。そして自分に都合の良い事も悪い事も含めて受け入れる、心の広さと深さを見つけ出して下さい。そうすれば必ずや供養の功徳をさらに実感されることでしょう。

この広い心、深い心こそが、ご先祖様の住み処でもある潜在意識をもっと深めて浄化することになると確信します。それはまた、佛様の大慈大悲の御心に自分自身が近づくことでもあるのです。

この大慈大悲の御心を、この身とこの体に受けながら、様々な苦難を皇円大菩薩様のお力で乗り越えて行きましょう。合掌




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