2019年02月28日大日乃光第2233号
未来の子孫のために父祖の偉業を語り伝えよう
水温む雨水の候に新たな御代の萌しを覚える
去る二月八日に始まった「玉名盆梅展」も半ばを過ぎ、梅の花も随分咲き誇ってきました。こちら玉名では冬の寒さも明らかに緩んで来ました。毎朝、私は朝からのご祈祷前に頭から水をかぶっていますが、水が少しだけ温んできた事を実感しています。
さて今日(二月二十三日)は、皇太子殿下の五十九回目の誕生日です。来年は還暦になられるんですね。そして来年からは確実に、この日が天皇誕生日となるはずです。
昨年までは十二月二十三日の天皇誕生日に結願すべく「八千枚護摩行」を二十七回続けてきました。最初の平成四年からの三年間は、お釈迦様がお悟りを開かれた十二月八日の「成道会」から、開山上人様のご命日の二十日までを期間として修していました。
しかし、次第に自分自身の修行から、広く信者の皆さん方の為、更には日本の国家安泰、世界の平和を祈る様になって行き、やがて十二月二十三日の天皇誕生日に結願する様になってもう二十年以上が過ぎました。
御代替わりで終焉を迎える?GHQのマインドコントロール
この十二月二十三日という日は天皇誕生日であると同時に、実は東京裁判でA級戦犯の判決を受けた七人の方々が処刑された日でもあるのです。その東京裁判で起訴状が提出されたのは昭和二十一年の四月二十九日。すなわち昭和天皇の誕生日だったのです。
つまり日本を裁く為の東京裁判を昭和天皇の誕生日に開始して、その主犯格のA級戦犯の処刑を次の天皇となられるはずの皇太子殿下の、これまた誕生日に絞首刑を実施したのです。何という悪意に満ちた日程の設定でしょう。この事を知る日本人はそれほど多くはないのかも知れませんが、進駐軍(GHQ)の意図は「将来に亘って日本人に罪悪感を植え付ける」という明確な意図があったのです。
その他にも私達日本人に罪悪感を植え付ける意図的な政策が数多く実施されました。それらをウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム、略してWGIPと言います。以前もお伝えしましたが、一度ネットでWGIPを検索してみて下さい。外から与えられたマインドコントロールはその実態を知り、真に理解しなければ、そこからの脱却は困難なのです。その意味でも是非この事は皆さんに知って頂きたいと思います。
来年から天皇誕生日が変わりますので、ようやくGHQの呪縛から一部逃れる事が出来る訳ですが、果たして私達は完全にこれらの呪縛から解放されたと言えるのでしょうか?現在の多くのマスコミの報道の在り方が、あまりに反日的である事に疑問を感じているのは私だけでは無いはずです。これもWGIPの明確な名残と言えるのです。
戦後日本の精神的負の遺産を次の世代に遺してはならない
五月一日から始まる平成の次の時代には、少なくとも先にお伝えしたGHQの悪意ある意図から一部ですが脱することになります。しかし、私達日本人の多くが心に植え付けられた罪悪感から完全に脱却しなければ、未来の日本を背負っていく若い人々に自信と誇りを持った人生を歩んでもらう助けにはならないでしょう。
前回の本誌でお伝えした、親からの虐待が次の世代まで悪しき因縁の様に引き継がれるのと同じように、心に抱えた悪しきトラウマを、次の若い世代にまでは断じて伝えてはなりません。
その為には、過去の先人達が世界の人類の歴史にどんな素晴らしい功績を残されたのか!
世界で最も歴史のある皇室をどんな苦労をして今日まで伝えて来て下さったのか! 我が国の独立をどんな思いで今日まで繋いで来てくださったのか!などに思いを致したいものです。
子供の教育でも、その子の欠点を指摘しながら育てるより、長所を褒めて伸ばしながら育てる方がはるかに良い事は殆どの人々がご存知のはずです。この事と同じように、子や孫達に日本の輝かしい歴史を自分の経験と感動を持って伝えてあげて下さい。
日本人の果たしてきた世界史上の輝かしい役割とは
具体的な事を一つだけ申し上げます。それはちょうど百年前の二月十三日、当時の国際連盟で日本の代表が『人種平等を人類史上初めて提起した日』なのです。その時、多数決では可決するはずでしたが、アメリカの代表が「重要な議題なので全会一致で決めるべし」と提案した為に否決されてしまいました。
その後、日本は大東亜戦争(太平洋戦争)に突き進んでしまいましたが、その時の戦争目的は、「日本の独立自尊を保障し、東アジアから植民地主義を排する」という事でした。
結果的に戦闘には敗北しましたが、戦争の目的を達成したので戦争そのものに日本は勝利した、とする考え方が明確に存在するのです。
その後、一九六五年の国連総会で「人種差別撤廃条約」が採択され、さらに四年後の一九六九年、つまり国際連盟で初めて日本が人類平等を提起してちょうど五十年目に先の条約が発効したのです。
つまり、日本は世界に人種平等を提起し、その後植民地主義の撤廃を大きな目的の一つとした大東亜戦争をはじめ、あまりにも多大な犠牲を払って戦った結果、人種や民族による差別の撤廃が世界で実現したのです。
このような事を実感して来た人がどのくらい今の日本国内に居られるでしょうか?人類の歴史に燦然と輝く役割を百年前、そして五十年前の私達の父祖の世代の人々が血の滲むような努力と苦難の中で成し遂げられたのです。この事だけでも、現代の若者や未来の子孫にしっかりと伝え続けて頂きたいと思います。
地域の偉人やご先祖様を顕彰し子や孫の世代に伝えよう
昨年末から蓮華院のあるこの玉名地域では「日本マラソンの父 金栗四三 ゆかりの地」と書かれたノボリが方々にはためいています。皆さんもご存知の、今年のNHKの大河ドラマ『いだてん』の主人公の一人が、この金栗四三翁です。金栗さんは玉名市の名誉市民でもあります。
大河ドラマの影響はすごいもので、それまで名誉市民であったことさえ知らなかった人も含めて、おそらく玉名市民の殆どがこの金栗四三翁のことを知ったはずです。そして、多くの子供達に「よし!自分もヤルゾー!」という思いを与えていることでしょう。
自分に直接関係がなくても故郷に一人の偉人が居られると、その事を知った子供達に前向きで元気を与える効果は計り知れないものがあります。それと同じように、私達の先祖が世界的に偉大な事を成し遂げた事を知らせる事は、若い世代にまで無限の可能性を与えずにはおかない事でしょう。
その意味でも、もっと身近な私達一人一人の父母、祖父母、曾祖父母の素晴らしかった長所を子や孫達に伝えてあげる事は、その子の未来に向かう人生の歩みに、計り知れない良き力と勇気を与えるに違いありません。
一ヶ月後に迫った春のお彼岸を前に、ご先祖様のご供養をするのと同時に、私達皆がご先祖様の良き物語を掘り起こし、見つめ直して家族団欒の中でしっかりと伝えて行って頂きたいと切に念じます。合掌
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