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2019年04月18日大日乃光第2238号
「令和」への改元を前に、私達の心の持ち方を厳粛に見つめ直そう

いよいよ十日後には令和の時代が始まります。明るく希望に満ちた意味を持つ「令和」。
世界で唯一、元号の制度を持ち、連綿と続き世界で一番古い歴史を持つこの日本。私達は改めて、日本の悠久の歴史をそれぞれがじっくりと考え感じてみたいものです。元号にはいつの時代も前向きで明るい意味が込められ、未来への希望を持てるような名称ばかりです。
 
三つの設問で明かされる否定的で悲観的な国民感情
 
その一方で私達の日頃の心の持ち方を見直す為にいくつか質問をしてみます。
一、最近の日本は犯罪が増えている?
二、日本の国家財政は、このままでは多額の負債を次の世代に残してしまう?
三、日本の公務員は、世界と比べてその数が多い?
このくらいにしておきましょうか。
 
皆さんどう思われましたか?「その通り」と思う方は手をあげてください。(ほとんどの人が手を挙げる)実は先の三つは全て間違いなのです。
 
ここ十年ほどで、犯罪数は半分に減っていて、今日本は世界でも稀に見る安全な国なのです。
 
次に、日本政府の借金は一千兆円を超えていますが、反面資産も多く、財政状況はほとんど心配するほどではないそうです。一方民間では世界の企業に対して多大の貸付をしていて、実際には世界最大の債権国なのだそうです。
 
そして先進国の中で、日本の公務員の人口比率は世界で最も少ないのだそうです。たとえば北欧の国々は国民の三十パーセントが公務員で、日本は五パーセントと最も少ないのです。
 
どうですか? 意外だったでしょう?では、なぜ私達はこの様に実際とは全く逆の悲観的な感想を抱いているのでしょうか?それは、マスコミを始め多くの情報が悲観的で否定的な情報を流し続けていることも大きな要因です。加えて私達自身が必要以上に心配性で、世間の風評に流されてしまう傾向があるのも大きいのではないでしょうか?
 
私達のこの国は意外と良い国で、決して失望するような国ではないのです。この事を子育てや教育の分野に当てはめて少し考えてみましょう。
 
家庭や社会における人間関係や心の持ち方の模範となったある集い
 
親はそれぞれに自分の子供の長所や欠点を他人より知っていると思っています。そして中には心配性の性格から、その子の長所より欠点に目が向いてしまいます。その結果、長所を伸ばすよりも、出来るだけ欠点をなくしていこうと思ってしまいます。
 
そういう親御さん自身が、職場でいつも欠点だけを指摘する上司と、長所を褒めてくれる上司ではどちらが好ましいと思うかは、誰でもすぐにわかる事です。
 
先日、古い友人が会社を設立されて四十周年の祝いの会がありました。多くの来賓や仲間からお祝いのスピーチがなされました。その全ての方が、その会社の業績の素晴らしさや地域への貢献のあり方などを讃えておられました。
 
お祝いの会なので批判的なスピーチがないのは当然ですが、やはりそのような祝意のこもったメッセージは、そこにいる全ての人々を暖かい気持ちにしてくれます。その後の食事を共にした懇親会も、終始和やかな雰囲気の素敵な集いになりました。
 
この様に互いを認め合い睦み合う集いは、中心となる主催者が呼びかけた人々の集まりです。そこに集った人々は、その会社と社長、そして後継者を暖かく見守る中で、さらにそこに集う人々がお互いを認め合う素敵な集いでした。
 
全てを前向きに肯定し、不平不満や不信感を捨て去ろう
 
この様に互いを認め合い睦み合う関係は、家庭においても最も重要な雰囲気であるに違いありません。父が母を、母が父を、親が子を、子が親を互いに認め合い睦み合う、人としての基本的な好ましいあり方です。そんな中で親が子の可能性と良き個性を全面的に認めていく中でこそ、子供は伸び伸びと健やかに過ごすことができるのです。
 
それに対して社会と個人、さらには国家と家庭などの関係では、ともすると個人や家庭が社会や国家に不平不満や不信感を持つことが、さぞ立派で進んだ考え方だと言わんばかりの論調が世間では幅を利かせているのはどうしたことでしょう。
 
最初に質問した三つの項目に対して多くの人々が間違った感想と意見を持っているのは、この個人と社会が決して健全とは言えない関係にある事に端を発しているように感じています。
 
以前、新入生の子供に親から「いい学校で、いい先生でよかったね」と伝えた方が、子供達にとってははるかに良い影響が出る事を伝えました。これと同じように、社会や国家に対して肯定的な意識を持って生活する方が、人々の生活ははるかに穏やかで充実したものになるはずです。
 
そして、社会が多くの組織や個人の互いへの貢献や奉仕の心で成り立っている事を実感できる事こそ、その社会を構成している多くの人々にとっては大切で幸せな心のあり方であるに違いありません。
 
さらには国家と社会の恩恵を素直に感じ取り、その恩恵に恩返しをしようとする時、人は幸せへの入り口に立つことができるのではないでしょうか?
 
輝かしい日本の未来のために私達ひとりびとりが貢献しよう
 
家庭や学校で子供達の長所を認めて伸ばしてあげる事が子供達をより良く育てるように、私達一人一人が社会や国家の長所をもっと知り、その長所をさらに広げるべく私達が努めて行く時、この日本という国家、そしてそれぞれの地域社会はさらに明るく住み良い社会となることでしょう。そしてその総和としての日本の未来がさらに輝き、世界に貢献できる国となるに違いありません。
 
世間では『次の「令和」の時代はどんな世の中になるのでしょうか?』などとよく言われますが、これは明らかに間違いです。この様に受け身の態度ではなく、『私達が「令和」の日本をどんな国にすべきか?』を自分自身に問いかけるべきなのであります。
 
『社会や国家が私に何をしてくれるか?』ではなく、『私達自身が社会や国家にどんな貢献が出来るのか?』を自覚すべきなのではないでしょうか。その様な前向きで肯定的な心構えの人が増えれば増える程、この日本は更に良い国、住み易い国になるはずです。
 
何だか大きな事を言ってしまいましたが、この日本の未来を「素晴らしい和の国」にするためには、私達自身がそれぞれの子や孫達の未来に「幸いあれかし!!」と念じ、それに向かって出来る事から始めましょう。
 
たとえ小さくても、地域社会に何か少しでも役に立つ事をしようと決意することが、ひいてはそれぞれの地域社会に対する何らかの良き働きとなり、この私達の祖国日本が少しでも良くなる方向に向かう事を信じて、ささやかなりとも努めて行きたいものです。合掌




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