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2019年04月26日大日乃光第2239号
来たる六月大祭参詣に向けて更なる信仰の深まりを!!

「令和」と共に新たな一歩を刻む八百五十一年目の六月大祭
 
本誌が皆さんのお手元に届く頃にはいよいよ新元号の『令和』が始まります。心構えも新たに、新しい時代に相応しい日々の生活を始めたいものです。
 
さて、昨年のこの頃は皇円大菩薩様の御入定八百五十年大遠忌法要と多宝塔落慶法要に向けて、様々な準備に追われる日々でありました。そして、あの記憶に残る世紀の大法要が、多くの信者の皆さん方のお参りの中で厳修されました。
 
私の高校時代の恩師にはアルティック(ARTIC=認定NPO法人れんげ国際ボランティア会)の副会長を務めて頂いている関係で、落慶法要にご参列頂きました。後日、その先生より、「大変感動しました。一生の記憶に残る盛儀で、多宝塔建立の歴史的・世界的な意義が充分に伝わりました」と、嬉しい感想を頂戴しました。
 
昨年はそのような都合により、恒例の六月大祭での「龍火くだり」を含む行事は執行致しませんでした。一度休んだ行事を再開するのは、なかなか大変な事です。
 
「龍火くだり」と「功徳行」は、蓮華院歴代貫主の祈りの結実
 
そもそも六月大祭で「龍火くだり」が始められた経緯は、先代真如大僧正様の、「本院と奥之院を信仰的に一体化するためには、この二箇所を繋ぐ宗教的で修行を兼ねた意味のある行事が必須だ」という思いがきっかけでした。
 
そんな中、皇円大菩薩様が苦難の龍神修行に入られたその深い思いを私達自身が身を以て追体験すべく、奥之院の五重御堂での「功徳行」と「龍火くだり」が始められたのでした。
 
「功徳行」は昭和五十三年の奥之院の落慶大法要以来毎年、この六月大祭と十一月大祭の〝前行〟として修し続けられ、それに加えて毎月第一日曜日に連綿と修し続けて来ました。
ここで新しく信仰に入られた方や、まだ「功徳行」を修した事のない方のために、少しこの「功徳行」の説明を致します。
 
そもそも奥之院は功徳を積み、少しでも佛様に近づく為の修行の道場として建立されました。その中心となる建物が、五重塔様式の五重御堂です。五重塔は本来お釈迦様の御遺骨である佛舎利をお祀りするための建物ですが、後世になると塔は佛様そのものとして信仰される様になりました。そのような五重塔を、開山上人様の独創的な発想で、修行の道場として建立されたのが日本で唯一の奥之院の五重御堂なのです。
 
一年で最も功徳の凝縮する六月大祭前行の「功徳行」
 
六月大祭当日は、〝前行〟としての「功徳行」に当たり、まずは衣装を略式の僧衣に着替えて頂きます。
 
その後五重御堂一層で「授戒」によって修行の心構えを確立します。そして二層の写経道場へと向かいますが、この様に次の道場に向かう時には皆で御法号を唱えながら一歩一歩、上層に登ります。
 
二層では『般若心経』を書き写す写経を致します。日頃口で唱える『般若心経』をカラダを通じて書き写す事によって、『般若心経』をより身近に、そしてより深く体感して頂くのです。
 
三層では私が修する護摩祈祷のすぐ傍で一心にお経を唱え、身も心も燃え盛る護摩の炎と一体化して身中の煩悩を焼き尽くし、願いを叶えるのです。
 
四層では「数息観」や密教瞑想の「阿字観」を修します。呼吸や体を調える中で、大いなる宇宙の大生命とも言えるみ佛様と一体になるよう至心に行じます。
 
最後の五層では皇円大菩薩様の「撫で佛様」に功徳行の無事成満を感謝し、その後直ちに「撫で佛様」に触れて祈念致します。
 
この「撫で佛様」には、これまで数々の不思議な霊験談が生まれています。足の不自由な方が杖をつきながら必死の思いで五層まで登り、この「撫で佛様」に一心に祈られると、下る時には何と杖をつかずに歩いて降られた事もあります。
 
その後五層の回廊に出て、外の素晴らしい景色を拝しながら、天地自然のお恵みを深く感じて頂きます。
 
約三時間の短い修行ですが、この「功徳行」に参加した皆さんは身も心も清められ、生まれ変わったような心持ちになられます。
 
この様な功徳はまさにこの大祭の〝前行〟に最も相応しい修行であります。一人でも多くの信者の皆さんに、この有難くも清々しい「功徳行」に参加して頂きたいものであります。
 
六月十二、十三日が御心に最も適うお礼参りの日
 
先日の関東支部の布教会では、多くの「特別指導」(貫主大僧正様に直接面会しての相談)の方の悩みや相談を受けましたが、ある長年の信者さんからこんな相談がありました。
 
「私の母は長年の信仰の中で数々のお救いとお守りを頂きました。その母が昨年百五歳の天寿を全うし、本当に安らかに旅立ちました。このお礼に是非とも本院にお参りして皇円大菩薩様に直接お礼を申し上げたいのですが、何時がよろしいでしょうか?」というものでした。それに対して私は次の様に伝えました。
 
「例えば貴女が偉い方に何か大きなお世話になって、そのお礼を伝えたい時、貴女は自分の都合で伺いますか?それとも相手の都合に合わせますか?」と問いかけると、「先ずは相手様のご都合を伺って、なるべくその日にお邪魔するように致します」と即答されました。
 
そこで私は、「佛様にお礼をお伝えするお礼参りに最も相応しい日は、御本尊皇円大菩薩様が一番喜ばれる六月大祭のその日ではありませんか?来たる六月十二日から十三日は、皇円大菩薩様が末世衆生を救うために苦難の龍神修行に入られた日です。まさにこの日こそ皇円大菩薩様の慈悲の御心が最も満ち溢れる日です。この日にお礼参りをされる事を皇円大菩薩様はとてもお喜びになるはずです」と伝えると、
 
「仰る通りです。私が考え違いをしていました。今年はぜひ六月大祭に何としてもお参りさせて頂きます」と、目を輝かせて答えられました。
 
この様なお礼参りにしても、さらには大きな苦難の中で「何としてもこの願いを叶えて頂きたい」という方も、一年中で一番皇円大菩薩様のお慈悲と衆生済度の深い御心が結実する六月大祭にお参りされるのが、まさに「皇円大菩薩様の御心に適う祈り」であるに違いありません。この佛様の御心に適う祈りによって、願い事が叶うのです。
 
信仰に気の緩みがないか?今一度原点に立ち返ろう
 
近年は通信手段が発達したお陰もあり、電話はもちろんEメールやスマホでの問い合わせも増えてきました。そんな中でも数々のご利益やお守りを頂く方が増えてきました。その結果、最も大切な佛様に一心に祈る心の持ち方や、佛様への向き合い方に、どこか厳粛な気持ちが薄らいで来ているのではないかと少し心配しています。
 
皇円大菩薩様の御霊力と救済力があまりにも絶大であるために、ともすると「棚からぼた餅」的に安心して甘えてしまい、自らの御利益や霊験を求める強い信心力と、そこからくる熱心な日々の祈りがついつい疎かになっていないか?という心配です。
 
昨年の皇円大菩薩様の八百五十年大遠忌を一つの契機として、皇円大菩薩様の更なる大慈大悲の御心を、私達はもっと深く強くこの身に呈して受け止め、私達の身の周りに少しでも広げて行く事が御本尊様への恩返しであり、私達の責務でもある事を心に深く受け止めているところであります。
 
衆生済度の御心を一人でも多くの方に広めよう
 
まだ信仰の短い皆さん。それぞれに来たる六月大祭を機に、これまでの信仰からさらに一歩深めてください。
 
そして長年当山を信仰されている皆さん。今一度、当山の信仰に巡り遇われた頃の初心を思い起して下さい。その上で、その信仰を少しでも周りのご縁のある方々に広める努力をして下さい。その事がご自身の信仰を改めて見つめ直し、さらに深める良きご縁にもなります。
 
来たる六月大祭には一人でも多くの信者の皆さん方が、親元に帰った様な安らぎと喜びと互いに睦み合われる中で、一心にお参りされる事を心から念じております。合掌             
             


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