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大日乃光






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2019年05月30日大日乃光第2241号
母の日と父の日を機に父母祖先への感謝を形にしよう

 親やご先祖様を大切にされる新天皇陛下の示された価値観
 
十日前の令和最初の準ご縁日法要で、天皇陛下の即位後朝見の儀のお言葉を読みました。
 
皆さんご記憶の方もおられると思いますが、大体どういう内容かというと冒頭の法的根拠に続いて、退位された上皇陛下が三十年以上の長きに亘って国民に寄り添い本当に一心に務めて頂いた事。その事に非常に深い感謝を示され、その足跡を自分もしっかり守って行きたい。そして歴代天皇陛下のなさりようをご自身のこれからの指針にしつつ、世界の平和を祈り国家の繁栄を心から祈っていきます。という内容でありました。非常に有り難いと思います。
 
そういった中で特に感じるのは、やはりご自身のお父様お母様をしっかり見つめておられるという事です。上皇陛下が本当に誠実にお務めになられたという事は、皆が認めている所だと思います。
 
私の青年時代には、天皇制に反対という人が結構いました。おそらく三分の一以上いたのではないかと思います。それが平成の三十年を経る間に、天皇陛下の御即位を通じて色んなマスコミ報道に触れる中で、皇室の意味合いや天皇陛下とはどういうご存在なのかという事に、これまでになく皆の関心が高まってきた事は非常に結構な事だと思います。
 
その中で新しく、今上陛下が話されたお言葉の半分近くにお父様とご先祖様への感謝が込められていました。これは日本人が持つべき心の持ち方の基本を、新天皇陛下が自らのお言葉でお示し頂いたのだとつくづく思いました。
 
親を大切に思い、親を尊敬し、そして先祖に感謝する。先祖が作ってきたその歩みを歴史と言いますけれども、それに対する感謝の気持ち。今日はそういう気持ちがいかに大切かという事を中心に、あらためてお伝えしたいと思います。
 
毎朝のお勤め皇円大菩薩様の瞑想法
 
私は毎朝、貫主堂の佛間に父(真如大僧正様)と母の写真をお祀りしてご挨拶をしています。まず両親にご挨拶をして開山上人様にご挨拶をし、皇円大菩薩様にご挨拶をします。それから瞑想に入ります。
 
この修行というのは果てしなく遠く、佛様と一体になる事は中々難しいのですが、一瞬でもその気持ちになると非常に気持ちが良くなります。春風がさわやかに吹いて、良い香りに包んで頂いているという感じが致します。
 
ここで皇円大菩薩様を瞑想する大事な部分をお伝えします。
 
虚空(宇宙)ノ中ニ(バン)字アリ
ゾ字変ジテ水大(スイダイ)トナル
水大変ジテ地球トナル
地球ノ中ニ日本国アリ
日本国ノ中ニ桜ヶ池アリ
桜ヶ池ノ無限ノ池底ニ(ア)字アリ

(ア)字変ジテ蓮(ハチス)ノ実ト成ル
蓮ノ実ヨリ芽ヲ出ダス
七百六十年ノ歳月ヲ経テ水面ニ至ル
水面ニ於イテ紅蓮華開敷ス
華台ニ
(ア)字アリ
金色ノ光ヲ放ッテ十方ヲ照ラス
金色ノ
(ア)字変ジテ三弁宝珠トナル
三弁宝珠変ジテ皇円大菩薩トナル
形ヲ沙門ニ擬(ギ)シテ
胸ノ前ニ秘印ヲ結誦(ケツジュ)シ
衆生済度ノ大誓願ニ住シテ
結跏趺坐(ケッカフザ)シ賜フ
 
先ずは虚空ですから大宇宙の中に(バン)という字があります。(バン)という文字は悉曇の文字ですから僧侶でないと中々書けませんが、(バン)という文字があると。今は科学技術のおかげで地球を外から見る写真があります。私も携帯の待ち受けは地球の写真にしています。綺麗な真ん丸の地球ですね。
 
バン字変ジテ水大トナル
水大変ジテ地球トナル
地球ノ中ニ日本国有リ
日本国ノ中ニ桜ヶ池アリ
 
桜ヶ池は伝説では深い深い無限の池と言われています。深さを測ろうとしても測れなかったという言い伝えがあって、遠州七不思議の一つになっています。また水底が善光寺の塔頭、本覚院の「阿闍梨池」に繋がっているという言い伝えもあるのです。
 
無限ノ池底ニ(ア) 字有リ
これも専門的ですが、この後六月十三日の大祭に向けてご案内を出しますが、この(ア)という文字を基礎にして、少し変化した形の文字(アーンク)が書かれたお札(参詣の証)を『大日乃光』と一緒にお送りします。
 
今、それを佛間に安置して、皆さん達の六月大祭へのお参りの道中の安全や、それぞれの家庭が平穏であります様にという祈念を毎朝行っています。
 
皇円大菩薩様の御尊像は修行の精華が凝縮されたお姿
 
この(ア)という字が池の底にあって、その字がじわーっと変化していくんです。そしてアーモンドの様な形の蓮の実となる。それから芽が出ます。その芽がDNAの二重螺旋のようにずーっと上がって行き、七百六十年の歳月を経て水面に至る。芽が水の上に出て大紅蓮華となり、大きな真っ赤な蓮の花となって八葉蓮華が開くのです。その上に蓮台というのがあります。
 
蓮(ハチス)ノ大紅蓮華開敷ス
開いていく時に香りが周りに広がって行きます。
その華台に・(ア)字がある。金色の光が四方八方十方を照らし、皇円大菩薩様となる。
本堂の御本尊様は紅い蓮華の上に座っておられる皇円大菩薩様です。
 
胸ノ前ニ秘密ノ印ヲ結誦シ
衆生済度ノ大誓願ニ住セル
印を結びながら、昼夜に億兆の無限の衆生を念じて、朝も昼も夜も年中、何千万、何億もの多くの人々や事柄に心を飛ばし、衆生済度の大誓願に住したもうというお姿なのです。
 
今の本堂の御本尊様を形にするときに、佛師さんにこういう風にして下さいと色々注文を出して顕現して頂いた御尊像です。これまでの二十年以上の瞑想の中から姿をはっきり現して頂いたわけですね。
 
「母の日」に来し方行く末を思う
 
さて、昨日(五月十二日)は「母の日」でした。有り難い事に信者さんの何人かが家内にカーネーションを送って下さいました。若い人からばかりかと思ったら、七十歳の人からも頂きました。娘たちも三人連名でお金を出し合って、一緒に盛り花を届けてくれました。
 
昨日は旧暦ではお釈迦様の誕生日にあたる日で、良い日が重なっていたのだなと思いました。お釈迦様の誕生日と母の日が重なったので、「そうか…、お釈迦様のお母様を偲ばないといけないのだな」としみじみ思ってお参りをしたところでした。
 
私ももう少しで父先代が遷化された満の六十七歳になります。自分ももう父の歳を越えるという年齢になりました。十年程前から、先代の父の歳まで元気で頑張ろうと一心に務めて参りました。そして度々下される御霊示に従って南大門や多宝塔を造り、五重塔下の池を造ったり色々してきました。昨年それらが終わり、いよいよ今年は先代の歳を越えるという年齢になりました。その上で、次は開山上人様の八十二歳を目標にして頑張らなくてはと、今思っている所です。
 
五月と六月を父母供養の月間に
 

五月と六月の母の日と父の日は、大祭を挟んだとても良い時期ですね。母の日には、今はお母さんにカーネーションを送ったりします。しかし六十代にもなると、ご両親共に亡くなっている人が多いでしょう。実際に毎年の父の命日や母の命日に、きっちり供養を続けている人が多くおられます。そういう人達はこれからもずっと続けていかれるでしょう。
 
新しく信仰を始めた人達やこれまで佛様にご縁の薄かった人達が、父の日と母の日を機に、ただ偲ぶだけではなく父母を供養する日、さらにその先をもっと遡りご先祖様に思いを致す、そういうきっかけの日にするのもいいのではないかと思っています。
 
いずれにしても「父にあらざれば生まれず、母にあらざれば育てられず」と『父母恩重経』にあるように、父母の恩というのは限りなく有り難いものです。全ての人にとっては父と母の恩さえしっかり感じとる事が出来れば、たとえ信仰がなくても、その背後に何か大きな意識や命の流れ、そういったものを実感できるのではないかとも思います。
 
宗教離れが今進んでいると言われています。そういう中にあっても、全ての人にとって父母は有り難い存在です。それを有り難いと思えない人はとても不幸なのではないかと思います。
 
信仰のない人達でも、実際このお寺に七日間籠って「内観」を実修すると、その中で「して頂いた事」「お返しした事」「ご迷惑をおかけした事」この三つを思い起こすだけで、全ての人が例外なく、お父さんとお母さんがいかに自分を愛して頂いたかを実感されます。
 
親を思う気持ちを詩に込めるその姿を子や孫達に伝えよう
 
私達もこの父母の有り難さをもう一度深く掘り下げて実感して、自分自身が親を大切にしている姿を子や孫達に見せる。それが実は先代真如大僧正様が三十年前に設立された「親を大切にする子供を育てる会」の目的なのです。そこで開催しているのが「子供の詩コンクール」です。
 
既に熊本県内では共催の熊本朝日放送が募集を開始しています。期間は五月一日から七月一日までです。熊本県内ではこれまでに、のべ十三万人を超える子供達が参加してくれました。
 
皆さん達が自主的に、自分自身が父母をテーマとした詩を作り、ぜひ蓮華院に送って頂きたいと思います。これに賞をつけるのは難しいのでしょうけれど、やはり書いて詩の形にするという事は、普通よりも深く考える事に繋がっていきます。
 
その皆さん達の文章をぜひ見せて頂きたい。そして子供さんや孫さん達にお父さんお母さんの詩を書いてごらんと、それをお寺に送ってもらえば、コンクールには県外であっても参加して頂けるようになっています。ぜひ皆さんのお力添えをお願いしたいと思います。 合掌

 



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