2021年05月18日大日乃光第2306号
六月大祭前に改めて父母祖先への感謝を捧げよう
五月と六月を父母供養の月間にしよう
四月二十九日の赤ちゃん土俵入り健康祈願も無事に終わり、爽やかな風の心地よい新緑の気候になりました。去る五月九日の母の日と、来る六月二十日の父の日は、当山で最も重要な六月大祭を挟む、とても良い時期だと思います。
母の日には、カーネーションを贈ったりします。ですが六十代にもなると、ご両親ともに亡くしている人が多い事でしょう。当山の信者さん方の中には実際に毎年、父の命日や母の命日にきっちり供養を続けている人がたくさんおられます。そういう人達はこれからもずっと供養を続けていかれる事でしょう。
新しく信仰を始めた人や、これまで佛様にご縁の薄かった人は、父の日と母の日を機に、ただ偲ぶだけでなく、父母を供養する日と定めて下さい。さらにその先に遡り、ご先祖様に思いを致す、そういうきっかけの日とするのも良い事ではないかと思います。いずれにしても『父母恩重経』に「父にあらざれば生まれず、母にあらざれば育てられず」とあるように、父母の恩というのは限りなく有難いものです。
今は宗教離れが進んでいると言われています。そういう中にあっても、全ての人にとって父母はかけがえのない存在です。この父母の恩さえしっかり感じとる事が出来れば、たとえ特定の信仰がなくても、その背後に大きな意識や命の流れ、そういった信仰心の原型のような感情を抱き、実感できるのではないかとも思います。
特定の信仰を持たないと言われる人達でも、当山の内観研修所で「内観」を実修されると、「して頂いた事」「お返しした事」「ご迷惑をおかけした事」の三つを思い起こすだけで、全ての人が例外なく、お父さんとお母さんがいかに自分を愛して頂いたかを実感されます。
それを有難いと思えない人がもしおられたら、とても不幸な事だと思います。
親を思う気持ちを詩に込めるその姿を子や孫達に伝えよう
私達もこの父母の有難さをもう一度深く掘り下げて実感して、自分自身が親を大切にしている姿を子や孫達に見せて欲しいと思います。
その方が、親や祖父母が親孝行の大切さを直接伝えるよりも、子供達自身が母の日や父の日などを通して親をしっかり見つめる中で、自然に親の有難さや、ひいては祖父母やご先祖様の有難さを感じる事に繋がると確信致します。
それこそが、先代真如大僧正様が三十二年前に設立された「親を大切にする子供を育てる会」の目的であり、そこで開催して来たのが「こどもの詩コンクール」なのです。
既に熊本県内では共催の熊本朝日放送が募集を開始しています。期間は七月二十一日までになります。県内ではこれまでに、のべ約十四万九千人の子供達が参加してくれました。
数年前からは、全国の信者の皆さんの子供さんやお孫さんにも参加を呼びかけています。
ここで皆さん達親の世代の方が、まず率先して父母をテーマにした詩やお手紙を綴り、ぜひ蓮華院に送って頂きたいと思います。こちらはコンクールではないので賞はありませんが、やはり書いて詩や文にするのは、普段よりも深く考える事に繋がります。皆さん達の文章をぜひ見せて頂きたいと思います。
そして子供さんや孫さん達にも、お父さんお母さんの詩を書いてコンクールに応募してごらんと勧めて下さい。ぜひ皆さん方お一人お一人のお力添えをお願いしたいと思います。
毎朝のお勤め皇円大菩薩様の瞑想法
私自身は毎朝、貫主堂の佛間に父(真如大僧正様)と母の写真をお祀りしてご挨拶しています。まず両親にご挨拶をして開山上人様にご挨拶をし、皇円大菩薩様にご挨拶をします。それから瞑想に入ります。そしてこの佛間から、皆さん達の身の安全や、それぞれのご家庭が平穏無事であります様にという祈念を毎朝行じています。
この修行というのは果てしなく遠く、佛様と一体になる事は中々難しいのですが、一瞬でもその気持ちになれば非常に気持ちが良くなります。春風が爽やかに吹いて、良い香りに包んで頂いているという感じが致します。
ここで皇円大菩薩様を瞑想する上で大事な核心部分をお伝えします。
虚空(宇宙)ノ中ニ(バン)字アリ
ゾ字変ジテ水大(スイダイ)トナル
水大変ジテ地球トナル
地球ノ中ニ日本国アリ
日本国ノ中ニ桜ヶ池アリ
桜ヶ池ノ無限ノ池底ニ(ア)字アリ
(ア)字変ジテ蓮(ハチス)ノ実ト成ル
蓮ノ実ヨリ芽ヲ出ダス
七百六十年ノ歳月ヲ経テ水面ニ至ル
水面ニ於イテ紅蓮華開敷ス
華台ニ(ア)字アリ
金色ノ光ヲ放チテ十方ヲ照ラス
金色ノ(ア)字変ジテ三弁宝珠トナル
三弁宝珠変ジテ皇円大菩薩トナル
形ヲ沙門ニ擬(ギ)シテ
胸ノ前ニ秘印ヲ結誦(ケツジュ)シ
衆生済度ノ大誓願ニ住シテ
結跏趺坐(ケッカフザ)シタマフ
先ずは虚空ですから大宇宙の中に(バン)という字があります。(バン)という文字は悉曇(梵語)の文字ですから僧侶でないと中々書けませんが、(バン)という文字があると。
今は科学技術のおかげで地球を外から見る写真があります。私も携帯の待ち受けは地球の写真にしています。綺麗な真ん丸の地球ですね。
(バン)字変ジテ水大トナル
水大変ジテ地球トナル
地球ノ中ニ日本国有リ
日本国ノ中ニ桜ヶ池アリ
桜ヶ池は伝説では深い深い無限の池と言われています。深さを測ろうとしても測れなかったという言い伝えがあって、遠州七不思議の一つになっています。また水底が善光寺の塔頭、本覚院の「阿闍梨池」に繋がっているという言い伝えもあり、平成二十五年三月の第一回八百五十年巡礼の旅で、皆さん方と一緒にお参りしました。
皇円大菩薩様の御尊像は修行の精華が凝縮されたお姿
無限ノ池底ニ(ア)字有リ
この(ア)という字が池の底にあって、その字がじわーっと変化して行きます。そしてアーモンドの様な形の蓮の実となる。それから芽が出ます。その芽がDNAの二重螺旋のようにずーっと上がって行き、七百六十年の歳月を経て水面に至る。
蓮(ハチス)ノ大紅蓮華開敷ス
芽が水面の上に出て大紅蓮華となり、大きな真っ赤な蓮の花となって八葉蓮華が開くのです。その上に蓮台というのがあります。開いていく時には香りが周りに広がって行きます。
その華台に(アーンク)字がある。金色の光が四方八方十方を照らし、皇円大菩薩様となる。
本堂の御本尊様は紅い蓮華の上に座っておられる皇円大菩薩様です。
胸ノ前ニ秘密ノ印ヲ結誦シ
衆生済度ノ大誓願ニ住セル
印を結びながら、昼夜に億兆の無限の衆生を念じ、朝も昼も夜も年中、何千万、何億、何兆もの多くの人々や事柄に心を飛ばし、衆生済度の大誓願に住したもうお姿なのです。
この御尊像を造形する時には、佛師さんにこういう風にして下さいと色々注文を出して顕現して頂きました。それは、これまでの二十年以上の瞑想の中から顕現して頂いたお姿なのです。
来る六月大祭ではその御尊像の御前に皆さんが心をこめて写経された『般若心経』を奉納し、皆さんからの添え護摩をしっかり拝み、御本尊皇円大菩薩様に願いを届け、祈願を叶えたいと思っております。
忘れてはならない父母祖先への感謝の心
冒頭でお伝えしたように、この時期に父の日と母の日があるのは、普段忘れてしまいがちな両親への感謝の気持ちを改めて思い起す日という意味合いもあります。
その上で、蓮華院では昔、誕生日には自分がお祝いしてもらうのではなくて、まずはお母さんに「私を生んで頂いて有難うございます」、お父さんに「私を育てて下さってありがとうございます」と感謝の言葉を伝える日にしましょうと、先代真如大僧正様が提唱されました。
しかし父の日と母の日、それから自分の誕生日に親に感謝の言葉を伝えたとしても、子供が親に感謝する日はまだ年に三回しかありません。理想を言えば、毎日が父の日と母の日であるように、常に感謝の気持ちを持ち続けて心がけて行かなければならないという事です。
父母を大切にするという事は、ご先祖様を大切にする先祖供養に繋がり、佛様を大切にする佛教の精神にも繋がります。六月大祭を前に、父の日や母の日、それから「こどもの詩コンクール」をきっかけに、皆さん方には是非、両親や祖父母、ご先祖様に感謝を捧げる毎日でありますよう、心がけて頂きたいと切に願っております。合掌
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