2021年09月18日大日乃光第2317号
秋のお彼岸に先祖供養で幸せな未来を築こう
秋のお彼岸に、先祖供養で幸せな未来を築こう
今日は残暑の中、よくお参りなさいました。
お参りの前に、日本も次第に温暖化して、まるで南方のタイやミャンマーのように雨季と乾季が交互に続く気候になるんじゃないかと話しておりました。
さて、東京パラリンピックが五日に終わります。皆さんは見ていますか?日本での開催とあって、今までになくよく見ているという方が多いのではないかと思います。
信仰にも通じる苦難のアスリート達
先の土曜日には孫が来ていましたので、夕方パラリンピックの水泳競技を一緒に観戦しました。
水泳と言えば、生まれつき両腕がなく、両足も不揃いでありながら力強く水を蹴る独特の背泳ぎで、二つも銀メダルを獲得された十四歳の山田美幸さんの活躍がとりわけ印象に残りました。競技の後、プールサイドでお辞儀をされる姿にも感銘を受けました。
パラリンピックには色んな競技があって障害の重さごとにクラス分けされていますが、美幸さんはS2という二番目に重いクラスの選手だそうです。
最初は彼女が保育園児の頃、お風呂で溺れないためと小児喘息を治すために、お父さんが泳ぎを教え始めたそうです。
そのお父さんは二年前に肺癌で亡くなりましたが、お父さんに何かメッセージはありますかと問われ、「えっと、パパは『ちっちゃいころからカッパだったよー』と自分でも言っていたんだけど…。頑張りましたって伝えたいです。『私もカッパになりました』って伝えたいです」と話されました。
翌日、供養のために霊園(蓮華院御廟)に出向くと、主任の猿渡さんが、「色んな障害の人達がこれだけ頑張っているんだから、自分達も頑張らないかんですね」と話されました。
オリンピック・パラリンピックを開催し、世界のアスリート達の夢を実現出来た事は、私達日本人が誇りに思うべき事だと思います。
そのパラリンピックも明後日には終わります。惜しくもメダルに手の届かなかった選手を含め、出場された全ての選手や支えて来られた周囲の人達は、私達に感動的な感謝の言葉やエピソードをたくさん残してくれました。
ハンデのある選手が苦難を克服して明るく未来へと突き進む姿は、信者の皆さんが病気などの苦難を信仰の力で克服し、心願成就して行かれる姿に重なって見えました。
皆さんもぜひアスリート達に負けずに、蓮華院の三信条、「反省」、「感謝」、「奉仕」の精神を発揮して頂きたいと思います。
先祖追善護摩供養は「増益祈祷」と「息災祈祷」
今日は秋の彼岸の入りを前に、いま一度、先祖供養のお話を致します。
真言密教の御祈祷には大きく分けて四種類あります。
まず第一は、災いを無くすという意味の「息災(そくさい)祈祷」です。
次に、良いものをより増やすという意味の「増益(そうやく)祈祷」。
そして周りの人に協力して頂き、支持を受けるという意味の「敬愛(けいあい)祈祷」。
そしてほとんど修する事はありませんが、相手を打ち負かし、自分の意思に従わせるという意味の「降伏(ごうぶく)祈祷」。
主にこの四種があります。
当山で、貫主大僧正様が全国の信者の皆さんの為に行われている先祖追善護摩供養は、その中の「息災祈祷」と「増益祈祷」に当たります。
「増益祈祷」は苗木にとっての水と肥料
ご先祖様の事を植樹を例にして申し訳ないですが、例えば苗木を庭に植えるとします。
まず大きな穴を掘り、そこに肥料をたくさん投じます。
その上に、根を丁寧に伸ばして苗木を植え付けます。そして水をたっぷりとかけます。
この時の〝肥料〟と〝水〟に当たるのが「増益祈祷」だと考えても、あながち間違いではないと思います。
良いことを増やすのが「増益祈祷」ですから、「先祖追善護摩供養」は、ご先祖様にとって良い事を増やして行く事になります。これが「増益祈祷」としての「先祖追善護摩供養」ということです。
雑草(災い)を取り除く「息災祈祷」
さて、このようにして植樹をした苗木の周りには、半年もすれば雑草が生い茂ります。特に肥料をたくさん施した苗木の周りには、余計に雑草が生い茂ります。この雑草を取り去る事が「息災祈祷」としての「先祖追善護摩供養」に相当します。
雑草を取って苗木の周りに敷き詰めると、苗木の根元の直射日光を遮り、月日が経てば腐って肥料にもなります(これを最近は雑草マルチと言います)。雑草をそのままにしておくと苗木を覆い隠し、力を奪い、遂には枯らしてしまいます。
このようにご先祖様にとっての災いを取り去ること、これがまさに息災祈祷としての先祖追善護摩供養なのです。
草に覆い尽くされた苗木は、あたかも様々な霊障(サワリ)に苦しまれている、苦難の中にある人によく似た状態と言えるでしょう。
「サワリがあって良かった」とは?
当山には日々、全国から様々な「お尋ね」や相談の電話がかかってきます。その中に「これこれの病気で苦しんでいる」とか、「家庭内がゴタゴタしてまとまらない」といった相談も多く寄せられます。
病気の場合、まずその原因の一つに霊的な障害、つまり「霊障(サワリ)」が有るか無いかを貫主大僧正様が「お尋ね」されます。「霊障(サワリ)」があった場合、ご先祖様が原因だったり、水子さんが原因だったり、まれに他人の霊が原因になる場合もあります。
それらの「霊障(サワリ)」の場合、「先祖追善護摩供養」を五日間から二十日間など、その方の病気などの状態によって、供養に要する日数に違いが生じます。
この時、昔からの信者さんでしたら、すぐに「貫主大僧正様に御祈祷をお願いします」と電話口でお願いされます。
この場合の「先祖追善護摩供養」は、先の苗木の喩えの〝肥料〟とは違い、即効性があり、直ちに病気の原因を取り除くための祈祷になります。日頃の先祖供養が漢方薬のようにじっくりと効果を発揮するのと違って、さながらトンプクのように即効性のある御祈祷なのです。
一方、「霊障(サワリ)」の無い病気の場合には、「病気全快護摩祈祷」か、「病気全快特別祈祷」をお願いされます。
古くからの信者さんは「霊障(サワリ)」が無かった場合に、
「そうですか!サワリはありませんでしたか。サワリがあれば良かったんですがねー」と仰います。
これを聞いて、皆さんはどう思われますか?一般の方が聞かれると、「霊障(サワリ)」は無いに越した事は無いと思われるに違いありません。古くからの信者さん方が「サワリがあれば良かった」と仰られる理由は、サワリがあった方が病気の全快が早いことを、何度も体験して来られたからなのです。
長年の信者さんは感謝の達人
そしてさらに、こんなことを仰しゃる熱心な信者さんがおられます。
「病気をすることでご先祖様と繋がっていることが解り、有り難い」
「この機会にご供養が出来て有り難い」
「ご祈祷をして頂くとすぐに治るので、有り難い」
などなど。まさに長年の信者さん方は感謝の達人だということを実感します。
「先祖追善護摩供養」は災いを取り去り、幸せを招き寄せる「息災祈祷」と「増益祈祷」の両方を兼ね備える供養であり、御祈祷でもあるわけです。
一方「開運護摩祈祷」、「開運大祈祷」「健康特別祈祷」「学業成就祈祷」などは、「増益祈祷」に分類されます。熱心な信者さん方は、毎月決めた日から十日間、二十日間、さらには丸々一ヶ月間の追善護摩供養や開運祈祷を毎月続けておられるのです。
幸せな暮らしは先祖供養の功徳力の賜
ある時、長年信仰を続けて来られた信者さんご夫婦が「特別指導」(貫主大僧正様に直接お目に掛かり、直接ご指導を受ける事)を受けられたとき、「貴方のご家族は、もう随分長い間先祖供養を続けて来られたので、もう毎月三十日間の月決め先祖供養は必要ありません。せめて十日間ぐらいでいいですよ」と、貫主様大僧正様が伝えられました。
すると、「そんなことを仰らないで下さい。私達は商売していますが、これまで何度、この先祖供養のお陰で助けられたか分かりません。どうかこのまま毎月のご供養をお願いします」と仰られて、そのまま先祖供養を続けられたそうです。
蓮華院の信者さんの中には、このように仰られる方が実はかなりおられます。
そんな信者さん方は口を揃えて、「先祖供養の功徳を実感した私達は、ご先祖様のお陰で今の幸せな生活を送らせて頂いています」と、感謝感謝の幸せな日々を送られているのです。合掌
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