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2023年01月19日大日乃光第2359号
令和五年の初まいりに当り、他者への菩薩行を実践しよう

令和五年の初まいりに当り、他者への菩薩行を実践しよう
 
年頭に当っての心構えを説く
 
本日の初まいりにお参りの皆さん、令和五年の新年、明けましておめでとうございます。
 
本年の卯年は「困難な状況を切り開いて行く年」であると言われています。その一方で、世間一般やマスコミでは、暗く悲観的な予想をしたり、今年はどんな年になるでしょう?と言ったりしています。
 
しかし、私達の未来はどうなるでしょう?などと、他人任せな心のあり方からは、明るい希望や輝く未来は決して生まれません。私達が自分自身の未来を自分自身の意識と行動で開いて行かなければ、決して良き未来はやって来ません。
 
その為には、私達一人びとりが明確で具体的な目標をしっかりと持たなくてはならないのです。世の中で成功した人や組織は、例外なく明確な目標を設定し、様々な苦難があっても決して諦める事なく、努力を重ねてコツコツと確実に前進した人であり、組織なのです。
 
日本に安全をもたらす大きな決断
 
さて、三年前から世界的なコロナ禍の蔓延、そして昨年は国際法を無視したロシアによるウクライナへの侵略戦争が始まりました。コロナ禍の流行はそろそろ収束するでしょうが、ウクライナ戦争はまだ終結への糸口が見えません。そんな中で悲観的になってしまうのはやむを得ませんが、「終わらない戦争はない」というのも歴史的な事実です。
 
今一つの不安材料は、中国による台湾侵攻がいつ始まるのか、という事です。そんな中で日本政府はかつてない歴史的大転換と言われる「防衛三文書」を閣議決定しました。加えて防衛費を今後五年間で倍増する事もほぼ決定しました。
 
この二つについては賛否両論あるかと思いますが、客観的に見て日本の安全は確実に高まったと言えるでしょう。この様に、激動の世界情勢の中で可能な限りの対応策を日本政府が取っていることは、高く評価して良いと思っています。
 
「一年の計」をしっかり立てよう
 
翻って、そんな中で私達個人はどんな心構えで今年一年から更に未来に向かって生きて行くべきなのでしょうか?
 
先に、目標をしっかり持つ人や組織は成功し、苦難にも耐えて行ける、と述べました。
昔から「一年の計は元旦にあり」と言われる様に、本日お参りの皆さんは「一年の計」、つまり今年一年の目標を立てられましたか?もしまだ立てていない方は、これから自宅に帰り着かれるまでに「一年の計」をしっかり立ててください。
 
かく言う私は、これまでほぼ三年間、皇円大菩薩様の御宝号を毎日二万遍ずつ、時には三万遍と唱え続けて来ました。その結果、去る十一月十六日に当面の目標だった三千万遍を唱え終わりました。今日(一月十三日)時点で三千百十六万遍になりました。
 
これからも、まず五千万遍を目標にして、毎日御宝号を唱え続ける事を決めました。次に必ずとは決めず、なるべく毎日散歩を続ける事にしました。そして今一つは、これまで以上にその日出会う人々に、より明るくにこやかに声を掛ける事にしました。
 
認知症予防にもなる?「菩薩行」
 
長年認知症予防の研究をしておられる東大の教授が先日、こんな話をしておられました。その方によれば、認知症予防に効果があるのは「他の人のお世話をする事」であるということでした。
 
福祉や医療のお世話になるのではなく、逆に周りの人や事柄に関心を持ち、人様の役に立つ事を少しずつでも実行する事が、とても効果的だという事でした。
 
人の世話で一番簡単に出来るのは、その人にお声がけをする事です。次には具体的に体を動かしてお助けする事です。更にはその声や動作に心をこめる事でしょう。
 
つまり他の人や周りの社会に対して私達自身の身・口・意の『三密』を総動員して、何か役に立つ事を行う事が認知症予防にはとても有効だ、という事になりそうです。周りの人や社会のお世話をするという事は、これこそ佛教的に言えば「菩薩行」そのものではないでしょうか。
 
「上求菩提、下化衆生」を実践しよう
 
「菩薩行」には今一つの大切な要素があります。それは自分自身を一歩でも二歩でも成長させる事であり、向上させる事であります。そして、最終的には悟りを開く事です。私はその一環として、全国の信者の皆さんのために早朝から御祈祷を修し、毎日御宝号念誦を続けているのです。
 
皇円大菩薩様を信仰されている皆さんも、菩薩行の大切な要諦である「上求菩提」(上には悟りを求め)「下化衆生」(下には救いを為す)を、日々のお参りや、周りの人や社会への奉仕を通じて、日々の生活の中で可能な限り実践して頂きたいものであります。
 
そして目標と共に大切な事は、日々の生活習慣を調える事です。
 
良き家庭を作る三項目の実践
 
毎年この時期の恒例ですが、新年に当たっての三つの良き生活習慣をお伝えします。
 
(一)家族の間で互いに挨拶し合い、毎   朝お佛壇にお参りして佛様、ご先祖様へのご挨拶をしましょう。
 
(二)食事の時、合掌して「頂きます」「ご馳走様」と言いましょう。
 
(三)履き物を揃えましょう。
 
「今さらこんな簡単な事を!」と思われるかもしれませんが、簡単な事ほど案外出来ないものです。信仰では、簡単な事を日々実践して行くのが大切な一歩なのです。
 
挨拶は円満な対人関係の第一歩
 
(一)の家族同士で互いに挨拶する事は日常生活の基本中の基本です。

そもそもこの「挨拶」とは、佛教用語では「自ら心を開いて相手の菩提心に迫る」という意味なのです。この事を、まず一番身近な家族同士でしっかりと実践して下さい。
 
それが充分に出来れば、会社や学校などでの人間関係が少しずつ円満になります。対人関係が上手く行かない人は、まずは家族で思いやりを込めた挨拶を始めてみて下さい。
 
食事の時に子供達に伝える事
 

(二)の食事の時の挨拶は、蓮華院ではコロナ前に開催して来た「一休さん修行会」などの子供達を集めた合宿で、三度三度の食事の前に必ずこのように伝えて来ました。

「皆さん合掌したままで聞いて下さい。目の前のご飯もオカズも、水と塩以外は元は全てが命を持っていました。私達はこれらの命を頂くのです。ですから『頂きます』と言うのです。
 
また佛教では全ての生き物は本来平等であり、また輪廻転生を繰り返すと教えています。今、目の前にある魚や肉も元は誰かの生まれ変わりだったかも知れません。それらの尊い命を頂くという事は、実は大変な事なのです。
 
ですから私達は目の前にある食物に感謝し、合掌して『頂きます』と言うのです」
 
また、食べ終えたら、「食事は数えきれない多くの人々によって収穫され、運ばれ、そして調理されました。それら無数の人々のご苦労に感謝の心を込めて『ご馳走様でした』と言うのです」と伝えて来ました。
 
皆さんも時には子供達にこんな話をして、一緒に声を揃えて「頂きます」「ご馳走様でした」と是非言って下さい。
 
履き物を揃えて心を調える
 
(三)の「履き物を揃える事」は、家族全員、出来ているでしょうか?出来ていない家庭では、親がまず模範を示して下さい。
 
「子は親の言う通りにはしない。親がやっている様にする」のですから、子供にその都度注意するのではなく、黙って揃えて下さい。
 
履き物を揃えると、心が落ち着きます。家に入る時、一呼吸して落ち着いて、履き物を揃える事で心が調ってきます。
 
ご先祖様に深い感謝を捧げよう
 
毎年お伝えしている以上の三つの事柄に加えて、ご先祖様への感謝の心もお伝えします。
 

(一)の中で佛様やご先祖様へのご挨拶をお伝えしましたが、ご先祖様に真心で挨拶するには心からの感謝がなくてはなりません。
 
ご先祖様への感謝は、即ち我が国の歴史への正しい理解と同じ事であると私は思っております。

戦時中、私達の身近なご先祖様がどんなに命懸けで先の大戦(大東亜戦争)に従軍されたか!そして戦後、極度の混乱と貧しさの中で、いかに苦労して家族を支えて頂いたか…。

どうか御先祖様の生きた時代を正しく理解し、感謝して下さい。
 
この初まいりにあたり、それぞれのご家庭で、ご先祖様をさらに一層大切にされる事を切に念じております。合掌




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