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2024年04月18日大日乃光第2400号
最も大きな「功徳」を積む六月大祭御遠忌大法要

八百五十六年大祭に向けて
 
毎年この時期に信者の皆さんにお伝えしておりますが、今日は蓮華院で最も大切な行事である六月大祭についてお伝え致します。
 
令和六年の六月大祭は、昨年と同じように執行致します。まず十二日に「前行」として「功徳行」と「大梵鐘お身ぬぐい式」を執り行います。
 
この「功徳行」から大祭に参加される方や、遠方からお参りされる方は、今年もご自分でホテルや旅館などの宿泊施設を予約してお参り頂きたいと思います。
 
その後の二日間に亘る、夜を徹しての大護摩祈祷と、早朝五時からの御遠忌法要という形式については、貫主大僧正様にご相談の上、今年まではまだ様子を見たいとのご判断により、今年もまだ致しません。
 
十二日は夕方五時半頃から本院の本堂で夕勤行を執り行います。功徳行に参加される方もそうでない方も、遠方からホテルに宿泊される方も、ぜひご一緒にお参りください。
 
去年は夕勤行が終わって内陣から皆さんの方に「お帰りなさい!」と振り向いた時、堂内にちょうど輝く西日が差して、明るくにこやかな笑顔が見えて、清々しい善いお参りが出来ました。
 
それ以降の日程については、通常の御縁日と同じ十時から、御遠忌法要を皆さん方と一緒に執り行ないます。
 
十三日の御遠忌大法要の概要
 
御遠忌法要は、十三日の十時からお参りを致します。まず僧侶衆で『理趣経』等を唱え、その後全体で『般若心経』をお唱えし、その間に大護摩祈祷を修します。
 
その後、皆で「百万遍大数珠廻し」を執り行います。大数珠廻しは昨年の正月初まいりで再開して以来、普段の御縁日法要と準御縁日法要で続けておりますが、六月大祭では大数珠を本堂の外陣いっぱいに広げて、たくさんの信者さん達と盛大に執り行いたいと思っております。
 
そして貫主大僧正様の御法話を頂き、洒水加持をお受け頂きます。洒水加持では、ぜひ貫主大僧正様に明るい笑顔を見せながら、お受けして頂きたいと思います。
 
『般若心経』の奉納写経につきましては、今号に第三面として同封いたします。お参りの叶わない方もお参りされる方も、皇円大菩薩様の御宝前にお供えしますので、ぜひ一巻と言わず何巻でもお納めください。令和六年の六月大祭は、この様に執り行います。
 
御誓願の凝結する六月十三日
 
さて、ここからは六月大祭でぜひ皆さんに功徳行から参加して頂きたいので、貫主大僧正様が功徳行について伝えて来られた内容に沿ってお伝え致したいと思います。
 
六月大祭は、奥之院での前行としての「功徳行」に始まり、以前は「龍火くだり」を経て本院での大護摩祈祷、御遠忌法要と夜を徹して厳修してまいりました。
 
この奥之院から大勢で本院に下る「龍火くだり」については、信者の皆さん方の中に足腰の弱っておられる方が増えている事と、道中の交通量の増加や夜道の安全性を考えて、中止と致したいと思います。
 
これについては来年ぐらいには、例えば昔のやり方に少し戻して、交通量の比較的少ない本院の中で、南大門から本堂までの手燭ボンボリ行道を実施出来ないか、などと思案している所です。
 
そもそも奥之院が開創する前は、奥之院から本院へと下る行道ではなく、手燭ボンボリを持って本院の境内を練り歩き、そこの五輪塔(通称関白塔)にお参りしてから本堂に上がるという形式でした。そして若い信者さんの中から選抜して、手燭ボンボリを持って近くにある貴船神社にお参りして帰ってくるという儀式を行っていた時もありました。
 
牛若丸が天狗から修行を受けた伝説で名高い京都の鞍馬寺の近くにも貴船神社があります。玉名の貴船神社も、修験僧として天狗の番付表にその名を残す皇円大菩薩様の誕生された蓮華院に縁のある対の社と考えられました。
 
御遠忌大法要は、全国の信者の皆さんの信仰の発露、信心の結集としての法要であり、蓮華院にとって、そしてまた信者の皆様にとって最も意義深い法要なのであります。
 
それは六月十三日が、御本尊皇円大菩薩様の衆生済度の御誓願が結実した日であるからです。皇円大菩薩様が、「末世の衆生を救いたい!」という大慈大悲の御誓願を以て、その身を龍神に化身された特別な日なのです。
 
最も大きな「功徳」のある日
 
この六月十三日こそ、皇円大菩薩様の御心が最も高まった日であり、最も功徳のある日であり、そして最もご利益を頂ける日であります。そしてまた、お礼参りに最も相応しい日でもあるのです。
 
この六月十二と十三日は、今年は平日の水曜日と木曜日で、十一月三日の「奥之院大祭」や、四月二十九日の「南大門春まつり」のような「祭日」ではありません。
 
しかも梅雨前の天候不順な日です。このように、必ずしも条件の良くない中で大法要を執り行うのです。しかしそんな中でお参りやお礼参りを行うからこそ、より一層大きな功徳と意義のあるお参りとなるのであります。
 
この日にお参りされる事は、その他の十三日御縁日を全て合わせたお参りよりもはるかに「功徳」があり、「ご利益」のある祥月ご縁日なのであります。
 
「ご利益」を頂く条件を作る
 
ここまで「功徳」という言葉を何度も使ってきました。そして大祭の前行として行う修行も「功徳行」と名付けられています。
 
そもそもこの〝功徳〟という言葉はどんな意味なのかを、ここで少し説明致します。
①優れた徳性、良い性質、価値ある特質。つまり、善を積んで得られる福徳の事。
②幸運の原因、福祉のもとになる良き   行い、優れた結果をもたらす能力。
③善行の結果としての良き報い。また、良き行いを実行した結果、得られる恵み。
④ご利益、優れた点、利徳の事。
などと『佛教辞典』には解説されています。
 
つまり「功徳行」と称する当山独特の修行は、虚心に修して頂くことによって、知らず知らずの内に良き結果をもたらし、ご利益や福徳を授かり、慈悲のお恵みを頂ける修行ということなのです。
 
さらに詳しく説明すると、まずは善き結果、即ちご利益を頂く条件としての心構えや心身の状態を作る事そのものが功徳であり、また、そのご利益や福徳に恵まれることも「功徳」と言うのであります。
 
つまり、ご利益や福徳を頂く条件を作る事を「功徳を積む」と言い、ご利益やお恵みを頂く事を「功徳を頂く」と言い習わしているのです。
 
皇円大菩薩様縁の「功徳院」
 
そして、これはまことに有難いことなのですが、皇円大菩薩様が生前学僧として人生を過ごされた、高野山と並び称される程の日本を代表する霊山が比叡山です。
 
その比叡山で法然上人をはじめ数多のお弟子さん達を訓育された住房が、なんと「功徳院」なのであります。この「功徳院」は、法然上人出家得度の由緒により現在は「法然堂」として、比叡山の根本中堂のすぐ近くに建っています。
 
平成二十七年の八百五十年大遠忌慶讃第二回巡拝の旅では、貫主大僧正様が信者の皆さんと一緒にその「功徳院」にお参りされました。
 
六月大祭を心の故郷への里帰りに
 
奥之院では今から四十六年前の開創落慶大法要の後から、毎月第一日曜日にこの「功徳行」を修し続けてまいりました。この修行の事を「功徳行」と名付けられたのは、先代真如大僧正様でした。誠に良い名を付けて頂いたと感謝致しております。
 
また六月大祭で必ず上映してきた映画、『龍神の説法』の中に、奥之院を建立するに当っての、開山上人様のこんな言葉が残されています。「信者の皆さんが功徳を積む所として、奥之院を建立したのであります…」まさに〝言い得て妙〟であります。
 
その意味をさらに突き詰めて申し上げれば、来たる六月大祭では「功徳行」を自ら修して大きな功徳を積み、皇円大菩薩様の広大無辺の御霊力を頂いて下さい。そして数々の福徳とご利益を授かって頂きたいものであります。
 
これから『大日乃光』の誌面にて、六月大祭に向けてご案内を続けて行きます。全国の信者の皆様の六月大祭へのお参りを、貫主大僧正様はじめ教師・準教師、寺内職員一同、「お帰りなさい」の気持ちで心よりお待ち致しております。信者の皆さんも、ぜひ心の故郷への里帰りのお気持ちでお参り下さい。合掌




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