第8回全国将棋寺子屋合宿
将棋と自己を磨いた奥之院の夏合宿

(大日新聞編集部 石原久維)

 去る7月24日から26日までの二泊三日間、蓮華院誕生寺奥之院を会場に第8回全国将棋寺子屋合宿が行われました。全国から70人の子供たちが"将棋を覚えたい、強くなりたい、プロを目指したい、とそれぞれ決意を胸に集まりました。

 合宿の初めに今期A級八段(相撲で言えば三役)になられた鈴木大介八段の講演では「どうしたら強くなれるか」についてお話しがありました。

 鈴木八段が奨励会(棋士の養成機関)時代、師匠から「将棋が強くなるには人と違うことをしなさい、自分なりの工夫をしなさい。」と言われ、対局開始の2時間前に将棋会館へ行き、約70組の盤や駒を毎回磨いたそうです。

 棋具の手入れをすればすぐに強くなると言う訳ではありませんが、どれだけ将棋に打ち込めるか、また将棋を愛するかが棋士として成功できるか否かなのでしょう。

 前々回の貫主様の御法話にありました、「人並みなら人並み、人並み外れにゃ外れぬ」と言う恩師の言葉に突き動かされ、自らを奮い立たせた事により、道が開けたように、人と同じ事をしても大成しないと思います。

 また、「挨拶をする、靴をそろえるなど単に将棋が強くなるだけでなく、より多くの事を学び、相手のことを思いやる心と、将棋という日本の文化を伝え、広めるには将棋以外にも立派な人になる事が必要です。」とお話しされました。

 当地は"将棋の里玉名、と銘打ち、8年前から将棋を通じた町おこしを行っています。玉名を訪れた一流棋士の方々はこれまで延べ百名を越えていますが、どの方も将棋が強いだけでなく礼儀や身のこなし、そして相手を思う気持ちを大切にされて"先生、と呼ぶに何の違和感も抱かせない方ばかりです。

 奥之院では朝のおまいり、写経・坐禅などの精神修養、そして食事作法では物の命を大切にする「いただきます」と食事を作って頂いた人への感謝である「ご馳走様でした」など随所に躾やマナーについての学習がありました。

 最後に合宿に参加した子供のお礼文を掲載します。

 「全国将棋寺子屋合宿ではお世話になりました。3日間の合宿を通して、将棋の他にもいろいろなことを学びました。食事の時の『いただきます』『ごちそうさまでした』と気持ちをこめて言うこと。目上の人への礼儀。自分を支えてくれている人への感謝。前は面倒だと思っていたけど、とても大切だったことを気付きました。これからは、3日間で学んだことを忘れずに、将棋も、好きな卓球も強くなれるように努力したいと思っています。」合掌

全国将棋寺子屋合宿

日本将棋連盟玉名支部道場

第7回全国将棋寺子屋合宿写真集1

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