内観を受けるきっかけになったのは、私がうつ病にかかり、会 社の社長という立場でありながら、昨年から会社を休み、その間 に、現在はやめてますが、パチンコ依存症にもなりました。
妻が非常に心配し、インターネットでうつ病の治療やパチンコ 依存症からの脱出などあらゆるページを検索する中で、内観とい うのを知りました。心の洗濯をするというか、新しい人生のスタ ートには面白そうだなと思い、今度内観を受けさせていただくこ とになりました。
内観初日訪れた時は、何か理由をつけて帰ろうかなと思うほど 不安でした。まずずっと座って考えることなど出来るだろうか? うつ状態に陥ることがないだろうかと不安からの出発でしたが、 今終えてみて、まず来て良かったということです。また逃げ出さ なくて良かったということです。内観を体験して、まず最初に書 かなければならない事は、自分がいかに自己中心的に生きてきた のかということです。
まず母親に対しては、五体満足に生んでいただき、母乳で育て てくれ、三度三度の食事洗濯、身の回りの世話をずっとしていた だき、その上学校まで出していただきました。今までは当たり前 だと思っていましたが、内観を通じ、如何に多くの愛情をそそい でくれていたのか気付かされました。
それに対して私は、父が非常に厳しかったせいもありますが、 ずっと甘え続けてきました。今思うと何か問題が起こると必ず母 親に助けを求めていっていました。
中学校時代の母に対する内観をしている時、毎日ドロドロの野球のユニホームを文句一つ言わず洗濯してくれ、破れた箇所があったら、何も言わず縫ってくれていました。そんな母親に対して、「試合は見に来るな!」などとどなっていました。今考えると恐ろしい事ですし、どんなに寂しい思いをしたか想像できません。
高校を卒業してからも、いつも問題が起こると母に連絡し、助けを求めてばかりでした。殆ど「お金を送ってくれ」という連絡ばかりでした。兄弟が2人いて会社の状態も下り坂の時でしたから、さぞかし苦労してきたことと思います。
これからは、今までずっと甘え、たよってきた心を改め、母に気苦労かけず、きっと私を頼りにはしていると思いますので、母の望むことを実行できるようにしていきます。また、一生涯母の近くで生活し、安心し、頼れる存在になりたいと思います。
父親に対しては、実はずっと恨んでいました。子供の頃は家に帰ってくるのは遅いし、飲んで帰ってくると母をなぐるか、子供達をなぐるか、とても恐い思い出しか残っていなかったのですが、 内観を通じて、その恐い子供時代も、実は私達の事を考えてしていただいた事だと気付きました。
父の経営する会社に入ってからは、幼少時代の憎い思いがあったのでしょうが、反発ばかりしていました。もし、私が、今の気持ちで社長である父に接していれば、会社は必ず再生していた事と思います。
私が社長に就任してからも、何かあると必ず助けてくれていました。一緒に会社をやっている時に気付いていればと後悔するばかりです。これからは、父の意見は素直に聞き入れ、自分がお役に立てることがあれば、行動に移したいと思います。母親同様一生涯近くで生活し、安心し、頼れる存在になりたいと思います。
妻に対しては、結婚したことが、私の人生の最高の決断だったと再認識しました。私だけでなく子供達に対しても、深い愛情を、いつも変わらない愛情をそそいでくれていたのだと気付きました。
昨年から、うつ病という病気と出会い、少しずつ周りの人の愛情に気付き始めてはいましたが、内観を体験してみて改めてそれがより深まり、大変多くの発見ができた事は、本当に貴重な体験でした。これから新しい人生のスタートを切ろうとしている時でもありましたが、それを後押ししてくれるようなものでもありま した。
「苦難は幸福の門である。受けとめ方が大事である。心が病気を招く。病気は自己の心を向上させるチャンスである。」等の教えも下さり、まことにありがとうございました。しっかり噛み締め、新しい人生のスタートを切らせていただきます。
皆様方には大変感謝いたしております。機会があればまた内観に訪れたいと思います。本当にありがとうございました。