太陽も一つ
月も一つ
明星も一つ
地球も一つ
自己も一つ
一つのものに
光あれ
命あれ
しらとりの鷺坂山の松影に 宿りてゆかな夜も更けゆくを
これはわたしの好きな万葉集の中の歌 その白鷺がじっとわたしを待っている それは誰の目にも そう見えたのだろう Tさんも目ざとく見つけ そう言われた 夕日が華麗壮大な五重の塔に 映え光り 現世を離れた仏国土を思わせ 初めて訪れた喜びを皆口にした
天降(あも)りせし仏のごとく白鷺は 池に降り立ち迎え見送る
ふるさとに初めてできた 「念ずれば花ひらく」碑を祝し その代表として この鷺は飛んできたのであろう 今も瞼にある 一羽の白鷺よ
地球のある限り
石は残る
石に刻まれた
念ずれば花ひらく
八字十音の
真言も残る
残って人を救うてくれ