私は息子の結婚問題で、いろいろ深く立ち入ってしまい、大変な思いをさせられました。
私は息子の事を心配して、息子が結婚し子供ができた後、もし息子が病気や事故等に遭っても生活に困らないように、また孫達を不幸にさせないためにも、嫁さんには一人でも子供を育てていけるような技術を持った人をと望みました。息子にもお姉さんのような薬剤師さんか保健婦さんがいいねと、よく言っていました。
そして、知人のかわいい娘さんを親子で勝手に「あの娘がいいね」と決めていました。ところがそんな方々との縁がなく、息子は親を信じて待っていたようで、怒るし暴力まで出てきてしまいました。
私はNHKのテレビでカウンセラーの先生を知り、相談にのっていただきました。先生は息子の方が親たちより考えは上だとおっしゃるのです。でもそれからも、暴力がやまず、九大病院やいろんな大学の先生方にもおたずねしましたが、皆正常だとおっしゃるのです。薬もあげられないと言いますし、私はカウンセラーの先生にお手紙をだしました。
先生は蓮華院の内観のことを教えてくださいました。どんな所だろうかと思いまして、川原英照貫主様をたずね、個人指導を受けさせていただきました。息子の名前・生年月日を聞いて拝んでくださいました。
貫主様のおっしゃられるには、「お嫁さんの影がちらつきます。もう近くにいらっしゃるようですけどね。あなたの家は過去のことだけ言っているから、過去が未来を邪魔し、先へ進めないでいるのです。祖先の方々の力を借りて、道を開いてもらうことです。」と、祖先の供養をしてくださいまして、私に内観を勧めてくださいました。
そのような事で、内観や優しい先生方とのご縁がありました。内観をさせていただき、私は今、受けさせてくださった主人にも、人間の一番大切なものは何かを気づかせてくれた息子にも感謝しています。
ここで一週間内観をさせていただき、母への感謝もまた一段深まりました。主人のことでも浮気したという事だけを見、私や子供たちを捨てる、信じてはいけない人なんだと思い、主人のしてくれる全ての行動が当然のことのように思っていました。
ところが、一つ一つを調べさせていただくうちに、こんなにも沢山のことをしてもらっていた事に気付きました。そしてお返しした事のあまりに少なかった事にも気付き、ほんとにすまなく思っています。
主人だけに頼りすぎ、主人も何十年間のうちには息抜きが欲しかった事だろうと納得することができるような気がしました。
息子に対しても、まだどうなるかわかりもしない未来の事についてあれこれ思い、不安になり、望みを高く持ち、自分の夢の中に息子まで巻き込んでしまい、不幸にしてしまったような気がします。
大自然の中にある奥之院の展望台より美しく連なった山々を眺めながら、大声で吟をさせていただき、木々にさえずる小鳥たちの声や、きれいな花や、落ち葉をふみしめる足音など、池を眺め、また、やさしい奥様方の心づくしの旬のお料理をいただいているうちに、心は自然に溶け込み、苦しみも解消されていきました。本当にありがとうございました。
今後は一茶の読んだ俳句『めでたさも中くらいなりおらが春』を思いだし、頑張りすぎぬよう、清く正しく美しく、愛和な家庭作りに励みます。