(1)まず、母に対しての内観について。
幼少の頃の記憶はあんまり思い出せずに、小学5年生頃の母のイメージだけが、自分の一方的な見方だけで、長い間悪い方にとらえているというのに気付かされました。
それを母の立場からの視点に変えてみると、私はとても母の心を傷つけていたようです。それも30才位までの長期間に渡って。
私が結婚してから以降は、私の子供達の面倒をみてくれたり、お互いの家を行き来したりして、いい関係を保てるようになってきてました。
母が父親から暴力を受けたり、生活を一人で支えてくれている 時代を内観している時、私との距離を少しでも近づけようと努力している姿が、私の心の中にポーンと入ってきました。
今、母はある病院の中で、脳の機能の9割以上を奪われ、人の手を借りないと生きれない状態です。もちろん言葉も話せません。 ただ唯一出来る事は、ほんの少し回復してきた脳が、感情の一部 だけを表現でき、私を見ると涙を流してくれる事だけです。私も胸がつまって一緒に泣くことしかできませんでした。
ここまで内観させてもらって、私が母に対して出来る事をやっと見つける事が出来ました。今までより病院へ行く回数を増やし、 笑顔で話しかけてみよう!ずっと自分が探して、求め続けていた答えがみつかり、母に対して、過去にできなかった会話を沢山してあげよう!そして、気付けなかった自分を許してもらえるよう に努力していこうと思っています。
(2)次に、父にたいしての内観について。
父のイメージも良く思っていませんでした。幼少から中学・高校時代に来た時、養育費の計算も同時にしていて、気付いた事は、 私一人だけの数字なのにすごい金額でした。たぶん、不器用だったから、出来ない仕事をする事や、いつも母から愚痴を言われる事で、逃げていたのではないかと思えた時、私の父に対する見方が変わりました。
やはり、今となっては、父との過去も取り戻せません。その後、父の現在までの人生と、私との関わりをみてみると、母の時の様に上手くいっていた時期は見つける事ができませんでした。
現在、父は92才になり、不器用なまでの人生を、実家で一人で暮らしております。育ててもらった恩返しではないのですが、今は私が、父の食事・身の回りの一部を介助するようになっていて、少しは役に立てているのかな?という状況です。
もう少し早く両親の想いに気付けていたら、もっと違った形で孝行できていたのではないかと後悔しています。もう少し長生きしてくれると、私としても心残りなく親孝行ができると思います。
(3)最後に、夫に対しての内観について。
父と母との関連をみてきて、不思議な親子の絡みがわかってきました。たぶん、夫と出会ったのも何らかの意味があり、出会うべくして出会ったんだと思えてきました。
私の人生での前半は、とても平凡で静かな時代を過ごさせてもらいました。50才以降から、いろんな出来事が起こり始めた時、いつも傍にいて、平静をよそおっていける人でした。
何事があっても、仕事だけは続けてくれた夫に感謝しています。 これから先も、たぶん私の支えになってくれると信じていけます。
これも内観に来たおかげです。そして、内観に来させてくれた夫のおかげです。ありがとうございました。