内観を終わって、今まで抱えていた問題の解決の糸口を見つけることができました。深い内観ではなかったと思いますが、一人一人順番に、母、父、夫、母、夫、息子と調べていくうちに、息子の起した問題は、私の心を如実に映した結果なのだと思いました。
息子に対しては、人からささえられて生きているのだから、感謝の気持ちを忘れないようにと、日頃言っていました。しかし、私自身、本当のところ、その気持ちがわかっていませんでした。
私は、両親から深く支えられていました。母から受けた愛情、信頼のおかげで、私の心はのびのび育ちました。父から受けた愛情、信頼、大きく私を包み込んでくださったことで、私は安心感の中で育ちました。
私が両親から受けた愛情、信頼をわが子にも、私から注がねばならぬと思いました。それができなかったのは、夫婦仲の問題が原因でした。
結婚後、夫は数年のうちに鬱病を患い、数年おきにその病気を繰り返し、社会生活に適応できなくなりました。内観を終えた今は、病人には休養してもらい、看護するのは当たり前だと思います。
しかし、以前の私は、夫の長年の病気の繰り返しで、正常な家庭生活の欠如、経済状態の悪化、三人の子供の養育でくたびれ果て、夫の病気は性格が元々悪いからではないかと思っていました。別れたら、さぞサッパリするだろうと考えた時期もありました。
内観を終えて、病気で一番苦しんでいるのは、夫本人であると思いあたりました。苦しんでいる上に、妻が理解しなかったのですから、さぞ、きつかったことでしょう。
{あなたが病気ばっかりなるから、リストラされたし、職はないし、私まで働かなけりゃ、子供三人養っていけないじゃない、どうしてくれるの。}と、直接言いはしませんけれども、腹の中で考えながら、食事を作ったり、洗濯したりしていました。
言わなくても、考えていることは、態度の端々に出ていたかもしれません。夫も感じていたでしょうし、子供達にもわかっていたかもしれません。恐ろしいことです。
病気は病気です。糖尿病や高血圧症のように病気なのですから、鬱も起きたときは起きたときです。あるがまま受け入れようと思います。経済状態もさらに悪化するかもしれませんが、家族五人で力を合わせ、何とか乗り切っていきます。
私が、夫の病気を受け入れ、夫婦関係が修復すれば、子供達のことを、愛情と信頼の気持ちで見ることができると思います。
今度の内観で、私のいたらなさを気付かせていただき、とてもありがたく思います。この気持ちを持続できるよう努力し、あたたかい家庭を作っていきます。本当にありがとうございました。