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2023年05月24日大日乃光第2370号
三つの力と四つの手立てで六月大祭に向けて精進しよう

三つの力と四つの手立てで六月大祭に向けて精進しよう
 
六月大祭で「三力」を結集しよう
 
全国の信者の皆さん、如何お過ごしでしょうか。
皇円大菩薩様御入定八百五十五年の大法要、六月大祭がいよいよ近づいてまいりました。

そこで大祭前に、信仰生活を送る上で、そして願いを叶えるために大切な「三力」という三つの項目をお伝えします。

(一)御本尊様に向き合う私達の心構え   と行動と祈りの力
(二)皇円大菩薩様の衆生済度の救済力
(三)周囲の人々や社会情勢・国際情勢   のあり方とその影響力
ぜひこの「三力」を胸に、大祭に臨んで頂きたいと思います。

これを真言宗では「三力の偈」として、
 以我功徳力 如来加持力
 及以法界力 普供養而住 
と、日々の修法で必ず唱えてきました。
 
大祭の意義を高める「参詣の証」
 
(一)「以我功徳力」とは、私達の信仰の力そのものであり、私達が佛様に向き合う時に大切な心構えであります。

まず最初に「絶対にこの願いを聞き届けて頂きたい」「願いを叶えて頂きたい」という強い思いがなくてはなりません。

この皇円大菩薩様に向かう私たちの心構えと祈りの力が、全ての信仰の出発点であり原点である事を表しています。

その信仰の力を最も発揮出来るのが、六月大祭なのであります。

今回から『大日乃光』誌面に「参詣の証」を掲載します。
それを何人の信者さんが切り取って自ら書き込み、そして六月大祭に持参してお参りされるのかが、その年の大祭の意義をより高めると言っても過言ではありません。

加えて、諸々の事情でどうしても直接お参り出来ない方も、お参りしたい気持ちを込めて、この「参詣の証」を是非とも送り届けて頂きたいと念じております。
 
究極の御霊力と救済力が約束された六月十三日
 
(二)「如来加持力」は、私達が佛様に向ける篤い信仰心に対し、佛様から私達に流れ込む、最も有り難いお力です。

開山上人様は、「願い事は皆叶わねばならない。叶うためには御本尊皇円大菩薩様の御心に適わねばならないのであります!」と、よく仰られました。

願い事そのものが正しい願い、良き願いであれば、皇円大菩薩様の大慈大悲の御心に適っているのですから、自ずと実現するということです。

八百五十五年前の六月十三日、皇円大菩薩様は『末世衆生(生きとし生けるもの全ての命)を救いたい』という大いなる願い、「御誓願」を立てられ、長い寿命を持つ龍神に化身して、衆生済度の法力、御霊力を獲得しようと、大慈大悲の御心を以て静岡県の桜ヶ池に御入定になりました。

この広大無辺な御誓願(慈悲の御心)によって、皆さんの様々な願いを叶えて頂けるのです。

その大慈大悲の御心、菩薩様としての御誓願の結実した日、六月十三日こそ、御霊力・救済力の最も高まる日なのであります。

常々伝えて来たように、この六月大祭へのお参りは、毎月の御縁日の何十倍も、否、何百倍も功徳のある日なのであります。

今現在、苦難や悩みの中にある方ほど、何としてもこの日にお参りして頂きたいと切に願っております。
 
有事に実感された国家社会の有難さ
 
(三)「及以法界力」は、国家や社会、そして周囲の人々のお陰によって私達は生かされているのですから、その願いも世の中の役に立つものでなければならないという事です。そして社会が求め、佛様が求める願いであれば、必ずや実現するのであります。

国家や社会のお陰とは、平和な我が国ではなかなか実感出来ない事かもしれません。しかし先のコロナ禍の中では度々総理が国民に語り掛け、様々な形で国が私達を守ってくれた事を実感されたのではないでしょうか。

またウクライナやミャンマーなどで平穏な日常がいとも容易く破壊される現実を目の当たりにして、皆さん方の願いも以前より、国家社会の安定や周囲の人々の平穏無事、さらには世界の平和を祈る事へと向かっているように実感しています。
 
年に一度、自分の都合を越えて佛様の御都合に合わせる日
 
日本が今でも農業中心の社会であれば、六月頃は比較的お参りのしやすい時期ですが、会社勤め等の多い昨今、仕事を休んでまでお参りするのは難しい事かもしれません。

毎月の御縁日や準御縁日でも、平日で休めなかったり、どうしても外せない要件があったり、様々なしがらみや仕事上の都合でお参りしたくても出来ない方は多いと思います。

であるならば、なおの事、少々の無理を押してでもこの六月大祭にお参りされる事の意義が高まるのであります。

そもそも六月大祭は毎年六月十二・十三日と決まっております。そこで年に一度、自分の都合よりも佛様の都合を優先して、大祭の日程に合わせてお参りをする努力が必要なのではないでしょうか。

願い事を叶えたいと真剣に思われる方や、何としてもお礼参りしたいと思われる方は、何ヶ月も前からこの日に休みを取ってお参りされる事でしょう。

少々厳しく申し上げたかもしれませんが、それはこの六月大祭を機に、一人でも多くの方に功徳を積んで頂き、願いを叶えて頂き、幸せになって頂き、そして以下に述べる信仰の醍醐味をも味わって頂きたいと願うからなのであります。
 
「四摂法」を体現される皇円大菩薩様
 
ここで先の「三力」に加えて、大祭に向けての心構えとしていま一つ、「四摂法」についてお伝えします。

これは自らの心構えと生活の質を飛躍的に向上させ、更には周りの人々をも幸せにする、四つの手立てと言い換える事が出来ます。

(一)「布施」(ふせ)…これは人のために自分に出来る事をしたり、自分の知っている事を教えてあげたり、周りの人に安らぎを与える事などです。

先の四月一日号では、どんな人にも出来る布施として、「眼施」「和顔施」等の「無財の七施」をお伝えしました。

(二)「利行」(りぎょう)…これは人々や世間の役に立つ事を実行する事です。敢えて教えてあげなくても、何をすれば世間の役に立つのかは誰にでも分かる事です。

(三)「愛語」(あいご)…慈しみや愛情のある言葉で周りの人々に接することです。

(四)「同事」(どうじ)…悲しむ人、困っている人に寄り添い、そばに居てあげる事です。
 
御本尊皇円大菩薩様に一歩ずつ近づく手立て
 
長年信仰を続けて来られた方から見れば、御本尊皇円大菩薩様ほど、この「四摂法」を実践し続けておられるお方は他にいない、と実感しておられる事でしょう。

第一の「布施」と言えば、信者の皆さんはお寺へのお供えなどを連想される事が多いかもしれませんが、お布施をすると同時に、佛様からも安心や安らぎといった「施無畏」(せむい=恐れや不安をなくすお働き)としての布施が与えられます。この相互の布施が成り立つ事が大切なのであります。

二番目の「利行」は、まさに私たちが様々な悩みや苦しみから救って頂いている、その事であります。信者の皆さん達への御利益や御加護を始め、佛様は普段から、私達の目の届かない所まで広く深く、社会に有益なお働き、即ち「利行」を激烈に推進しておられるのであります。

次の「愛語」は、誰もが佛様のお声を聴けるという訳ではありませんから、なかなか実感出来る人は少ないでしょう。

私自身も常に御本尊様の「愛語」を聴くというわけではありませんが、大きな判断や決断をする時、常に明確に方向を指し示して頂いておりますので、それに近い感覚は常々体感しています。有り難い事であります。

そして皆さん方の中にも、長年の信仰生活の積み重ねの中で、「佛様は自分にこんな事を仰っておられるに違いない」と感じられた事は度々あったに違いありません。
 
六月大祭で「入我我入」の境地
 
そして、最後の「同事」は、常に皇円大菩薩様との繋がりを持っておられる方には極めて当然の感覚であるに違いありません。

『いつも身近に皇円大菩薩様がおられて、自分を守って頂いている』という実感を持っている方は誠に幸いです。この事を真言宗では「同行二人」と表現しています。

来たる六月大祭の「功徳行」や、それに続く大梵鐘「お身拭い式」などの一連の修行や行事の中で、多くの同信の皆さんと共に声を合わせ、「三礼」等で体の動きも合わせてお参りする内に、皆の心が一つに溶け合い、更には自分と佛様との区別さえ無くなるような感覚が訪れます。

これこそまさに私達と佛様が「同事」となった瞬間であり、「入我我入」(にゅうががにゅう=佛様が私の中に入って来られて、私が佛様の中に入るという境地)の修行の、信仰の醍醐味なのであります。

百万遍大数珠廻しでは、ゆったりとした読経のリズムの中で数珠を廻し、押し頂きながら、それぞれに深い感謝や感激、熱烈な祈りや淡々とした祈りなど、様々な形で互いの気持ちを溶かし合うように、粛々と祈りを合わせて行きます。そして引き続き、僧侶と信者の皆さんで一緒に「御宝号」を唱えます。

この佛様との一体感と、同信の信者の皆さんとの融和を体感できる、最も意義深く有り難い機会が、この六月大祭なのです。

この貴重な大祭に当たり、何らかの事情でお参り出来ないのは、余りに惜しい事なのであります。
 
年に一度の〝里帰り〟で御本尊様を喜ばせよう
 
ある信者さんは、「一年に一度、皇円大菩薩様に信仰の力や生きる元気を充電してもらいに大祭にお参りします」と仰っておられました。まさに〝言い得て妙〟であります。

皆さん方の六月大祭へのお参りを一番喜んでおられるのは、御本尊皇円大菩薩様と開山上人様、そして先代真如大僧正様なのです。

その皇円大菩薩様、開山上人様、真如大僧正様にお会いするために、六月大祭にお参りなさいますよう心より念じております。

まだ寺内での宿泊が出来る状況ではありませんが、玉名の宿泊施設を利用されて、全国から一人でも多くお参りなさいますよう、寺内の弟子職員一同共に「お帰りなさい」の気持ちでお待ち致しております。合掌




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