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2024年03月15日大日乃光第2396号(2) 貫主権大僧正様御親教
能登半島地震被災地支援報告 

【 能登半島地震被災地支援報告 】
 
認定NPO法人 れんげ国際ボランティア会 
      事務局長 久家 誠司

 
衝撃を受けた能登の惨状
 
今年の正月元旦号でお伝えしましたように、れんげ国際ボランティア会(以下アルティック)は、蓮華院の「菩薩行」の実践の為の別動隊という事であり、勿論会長は貫主大僧正様でございます。
 
アルティックでは、これまで阪神淡路大震災や東日本大震災、熊本地震、最近では人吉豪雨災害といった大きな災害の度に、何かお役に立てればという事で、被災地への支援活動を行って参りました。
 
今回はご存じの通り、正月一日に能登半島で大きな災害が発生しました。テレビで観ていてもあまり実感が湧きませんでしたが、いざ現地入りしてみると辻々で家屋が倒れたり崩れたりしておりまして、そしてよくテレビに出ていた輪島の焼け野原の所は、実際に見て大変な衝撃を受けました。
 
熊本地震の場合は熊本城の石垣や阿蘇大橋の崩落などが全国から注目されて、国レベルで力を入れて支援して頂いて、初動も非常に早かったと記憶しています。
 
それに比べると、今回はなにぶんにも半島の先端部分という地形から、支援の手が最も届き難い地域でございますので、能登の場合、復興はどうなるかと心配している所でございます。
 
実働八日間の輪島での炊き出し
 
そういう事で、私達は十二日にこちらを発ちまして、一昨日の二十一日に無事に帰って参りました。二十日まで現地で活動を行っておりましたので、日数で言えば十日間になりますが、行き帰りに約十五時間、一日ずつかかりましたので、実働で八日間の活動を行って参りました。
 
今回の活動で何が出来たかと申しますと、まず何と申しましてもメインは炊き出しでございます。合計で千百食位を、八ヶ所の避難所で配りました。なるべく熊本の地域性が出るように地鶏を使ったり、あとはさつま汁というサツマイモを使った大鍋を炊いて喜んで頂くことが出来ました。
 
また避難所を訪問して、「傾聴」と言って、被災者に寄り添う心でお話を聴かせて頂いたり、音楽が出来る方がお身内にいらっしゃいますので楽器を持って一緒に行き、二、三回癒しの音楽でミニコンサートを行いました。
 
こういった形で、輪島の市内の方と、門前町と言って、これも輪島ではございますけれども、震度七に見舞われた輪島地域を中心に活動を行いました。
 
喜んで頂けた新鮮な野菜と果物
 
私達ボランティアが災害現場に入るためには何と言っても衣食住が自己完結していなければなりません。自分達が食べる物もきちんと持って行きましたし、寝る時もどこかに泊まるのではなく、キャンピングカー二台で行き、そこで寝泊まりをしました。
 
道具や色んな物を積んで、特にこの玉名の名産でありますイチゴ、そしてミニトマトにミカン、これはビタミンが不足気味な被災地の皆さんにはとても喜んで頂きまして、これは大ヒットでございました。ミネラル分、ビタミンの補充という事で大変喜んで頂きました。他にも話したい事は沢山あるのですが、このようにして十日間頑張って参りました。
 
衆生済度の菩薩行のために
 
これは貫主大僧正様が常々仰られておられますように、何と申しましても蓮華院の御本尊、皇円大菩薩様の衆生済度の御誓願、慈悲行の実践、菩薩行の実践という次第でございます。
そしてこの支援事業は、偏に信者さん方から「三輪清浄」のお布施、浄財を頂いて、はじめて腰を据えて、しっかり出来るという事でございます。
 
また被災地が近ければ、以前のように信者の皆さん方とご一緒にボランティアに出掛ける事が出来たかもしれませんが、何分今回は遠方で、その上交通が不便な為に難しい所もございます。
 
私達アルティックでは、これからも能登の方々に支援を続けて行きたいと思っております。
まだまだお話ししたい事はあるのですが、今日は時間もありますので、最後に次の一点だけお伝えしたいと思います。
 
日頃当たり前の事への気づきと、感謝する事が幸せへの秘訣
 
蓮華院には「三信条」があり、また「感謝上手は幸せ上手」という言葉もあります。
これまでアルティックが支援に携わってきた途上国にしても、これまでの被災地にしても、平穏な日常から遠く隔った場所、言わば普通じゃない所に行き、それはもうショックと言うかビックリします。
 
それでも現地の人々と共に一所懸命やるしかないのですけれども、如何に私達の日常が幸せなのかという事を改めて実感します。
 
何しろ現場に行くと普通に水が出ないのです。皆、苦労して水を確保しています。そうして何とかトイレから何から掃除をされています。
 
これが普段は本当に簡単に水が出て、しかも飲める水でお風呂にも入る事が出来て、ガスもカチッとやれば火が点く。そういう日常が本当は如何に有難いかという事を、気付かせて頂くきっかけを、佛様や神様が作って下さっていると実感しています。
  
そして感謝をする事で心が豊かになり、幸せになります。アレが有るから、コレが有るから幸せではないのです。まさに今日本に暮らしている皆さん方は、本当に幸せなのです。これを実感して頂ければ、幸せに一歩ずつ近づいて行けるのではないかと思います。
 
そういう事で活動はまだまだ続きますけれども、信者の皆様方の益々のご支援とご助力の程を、何卒宜しくお願い申し上げます。合掌
 




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