今回は脳神経外科医であり、大学教授であり、北島康介選手は じめ北京オリンピックの競泳日本代表チームのメダル獲得に多大 な貢献をした林成之先生の著書をご紹介いたします。脳の仕組み に基づいたリーダー論で、非常に有益です。皆様も是非ご一読下 さい。
(1)脳の三つの本能(生きたい、知りたい、仲間になりたい) を広げて、文化や科学やビジネス&宗教が生まれた。それと関連 して、家庭、教育、会社のバランスよい循環が最も望ましい社会 となり、うまくいく。
(2)リーダーに必要な条件は6つ。自分に勝つ力。理解する力。 指導者としてのカリスマ性。独創的思考能力、人間力、過去の体 験や訓練を活かす力です。
(3)本来は正しいものを判断するためにある脳の統一・一貫性 の働きが、同時に間違いを引き起こす仕組みも持っている。
だから、リーダーとなる人は、異なる意見や違いを排除するの ではなく、その違いを有機的に連合させて、さらに上の次元を目 指していかなければなりません。
ホンダの創始者本田宗一郎氏は「他人にものを聞く心が大切だ」 と言っています。反対意見がでた場合は、4日後にもう一度考え直す事を習慣に すると良い。
(4)組織のトップや力のある人が自分を守るために過剰な自己 保身に動くと、周囲に大きな被害を及ぼし、ついには組織が崩壊 してしまうリスクがあることを、特に権限の強い指導者は心して おくべきです。
(5)男女は目や脳の働きが違います。女性は目の前の細かいも のはよく見ているし、気付くことができますが、全体を俯瞰(ふ かん)して見るのが苦手です。反対に、男性は目の前の事はあま り見えないのですが、全体を見るのは上手です。ですから、異性 集団の統率には、異性の部下を上手に使いましょう。
(6)リーダーになる人は脳の仕組みを理解した組織運営が必要 です。それは、「脳はお互いの違いを認めて、共存することで機 能している」ということで、大事なポイントです。
(7)自分に勝つ力に必要な5つの条件
(a)チームの弱点を明確にして、期限付きで対策を立てる。
(b)常に自分の限界に挑戦できる。
(c)最終目的と具体的な個別の目標とを常に正しく区別し作業する。
(d)目的のためには自分の立場を捨てることができる。(保身に走らない。前述の(4)参照。))
(e)決断・実行を早くする。
(8)理解する力に必要な5条件(判断ミスをしないリーダーになるために)
(a)一つの事に関して2つ以上の情報を重ねて理解する。
(物事は先入観を一旦捨て、白紙で聞く、見る。)
(色々な観点から見て、考えて判断する事を習慣にする。)
(b)理解した内容を4日後に再度確認する。
(c)人の話を感動して聞く。
(d)空間認知能を鍛えている。
(e)脳の「統一・一貫性」のデメリットを理解している。(前述の(3)参照)
(9)指導者としてのカリスマ性に必要な5条件
(a)うそをつかない。
(b)常に自分を高めようとしている。(目の前のこなすべき目標を確実に達成し、実績をあげ続ける。)
(c)自分の仕事のロマンを語る事が出来る。
(d)ワクワクする環境をつくれる。
(部下を叱ってばかりいるリーダーは最悪です。部下はリーダー
の話を聞かなくなります。リーダーはチームのムードメーカー。)
(e)豊かな表情・笑顔を鍛えている。
(10)独創的思考能力を鍛える為の5つの力
(a)二つ以上の専門性を磨いている。
(b)たくさんの文化にふれている。
(c)知識を物語の絵や図にしてまとめる事が出来る。
(d)自分の考えに執着しない力を蓄えている。
(独創的でありながら、かつ間違わない判断を下す為には、統一
・一貫性の縛りからいったん自由になる必要がある。だから、リ
ーダーは自分の考えをいったん置き、異なる多様な人の意見に耳
を傾ける柔軟さが重要。同一・同質組織は脆弱です。)
(e)否定的なニュアンスの否定語を使わない事と、素直さを信条 にしている。
(11)人間力に必要な5つの能力
(a)人脈が多い。(異なる世界・分野の人達とも。)
(b)意見や立場の違いを認める力を鍛えている。(対立する相手になりきってみる。)
(c)共存・存続を守る脳の機能を理解している。
(d)ほめる力を鍛えている。
(e)人類・社会に貢献する素晴らしさを大切にする。(組織が間違った方向に向かおうとしたら、本質的な問いかけをしてみるべきである。)
(12)過去の体験や訓練を活かす力を伸ばす5つの能力
多くのリーダーがおちいりがちな過ちは、過去の成功や栄光に 引きずられて、自分のやり方を押しつけたり、今の現状が見えな くなってしまう事です。
(a)想像を絶する力を発揮した事がある。(ポイントをしぼる。)
(b)途中で勝ったと思わない。(また、勝って兜の緒を締める。絶頂は下り坂の始まり。)
(c)成功した高揚感を味わった事がある。
(d)会話を楽しみ、コミ二ケーションを大切にしている。
(e)新しいアイデアや考えを獲得する為に、時間をおいて繰り返 し考える事が出来る。
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