今回は、{できることから始めよう!}(自分の価値を高める知恵の出し方)(堀紘一著)を基に、サラリーマンの今後のサバイバルと対策を考えてみたいと思います。
大前研一氏が以前に予測した通り、現在、大失業の時代になっています。景気は回復しても、何年か前のアメリカのように雇用はさほど増えないかもしれません。
首相の諮問機関である経済審議会は新しい経済計画{経済社会のあるべき姿}の中で、2010年ごろの完全失業率を3%台後半から4%台前半と想定しています。つまり、今より、ちょっとよい状態というのがこれからの普通の状態なのです。
現在は第三の開国の時でもあります。2005年までに大きな構造的変化がおこり、完了するでしょう。日本の企業もグローバリゼイションの波に呑み込まれ、いやおうなく変化せざるをえないだろう。
現在、{価格破壊}という名のもとで内外価格差の是正が進んでいます。この価格革命は歴史の流れだけに、行きつくところ、すなわち物価が30パーセント安くなるまでは続くでしょう。
それはとりもなおさず、流通の簡素化と海外調達と情報通信革命を意味します。換言すれば、大量失業時代であり、本物のホワイトカラーだけが生き残る時代です。つまり、真に国際化するということは、物価も給与も失業率も国際水準になるということなのです。
リクルート・アメリカ社の人材バンクに登録する日本銀行の駐在員が多いそうです。いくら、会社への忠誠心を持っていても、いつ解雇されたり、倒産、吸収合併、あるいは、外資企業の傘下にはいるかわからない時代になりました。むしろ企業の方が忠誠心をきらう時代となっています。ですから会社の研修も、転職時に他社から声がかかりやすいように、すなわち、専門技術や資格をもつことを支援するような内容に変わってきています。
あなたの市場価格を計算してくれるホームページもできています。どれぐらい世間に通用するか、一回あなたの経済的な価値を計算してみるのも面白いですね。
こういう話しがあります。ある台湾総督の帰任時の話です。
たしか西郷従道か大山巌だったと思うのですが(間違えていたら、ごめんなさい)、台湾総督を終え帰任する時に、大勢の人が駅に見送りに来ていました。その時、出発する汽車の中で、奥さんが子供達に言いました。{おまえたちも覚えておきなさい。あの人達は、総督という地位に対して見送りに来ているのであって、決してお父さんのために見送りに来ているのでは、ありませんよ。そこの所をよく覚えておきなさい。}
なかなかしっかりした女性がいたものですね。アメリカでも同じような小話があります。
予備役大佐とテニスの話
退役したアメリカ陸軍の大佐が奥さんに言いました。{このごろ、なかなかテニスに勝てなくてね。}すると奥さんが、{あなたの肩章がなくなったからですよ。}と答えたそうです。
総じて、こういう事は女性の方がよく見ているようですね。
いろんな会社の倒産の時、他社から声がかかるのは、役職だけある人ではなくて、実力のある人、専門スキルを持ち、業界で通用する人でした。転職のとき一番困るのは、特技のない人です。ただ単に、営業とか事務とかでは書類選考で落とされてしまいます。(営業日本一だったら話は別ですが。)
トヨタ自動車にみられるように、年功序列賃金はなくなりつつあります。まじめに一生懸命やっていれば、給料も地位も上がり、一生安泰というサラリーマン神話は消滅しました。山一證券の倒産の時見られたように、仕事の{技}、専門的な仕事能力を身につけているかどうかが、ものをいう時代になってきました。つまり、社内でだけ通用する能力ではなく、業界や世界で通用し、仕事のできる能力を身につけた人、本物がますます有利な世の中になってきたのです。
現代の三種の神器は、{パソコン、英語、国際会計}という話もあります。しかし、必ずしもブームに合わせる必要はありません。流行はいずれ去ります。激動する時代の中でも、自分本来の才能や適性、あるいは、自分の本当にやりたいことを持ち、つねに自分を見失わない人間が、その後の時代の波に乗ることができるのです。言いかえれば、しっかりした自分の基軸さえ持っていれば、周りがよく見えてくるということでもあり、時代に迎合しない{自分の得意技}を持つことが最重要なのです。
{会社のプロ}から{仕事のプロ}へ!サラリーマンからビジネスマンに変身しよう。
{本物}{本気}{本当}の{三本主義}で自分の存在価値を高めろ!
{あともう一回}{あともう一時間}と粘る努力が勝者と敗者を分ける。
一流になりたければ、{師}を求めよ。
一流の人間ほど細かな気配りを忘れない。
周りが認める大物ほど謙虚である。実力のある人はいばりません。
具体的には、
20代ビジネスマンの必須科目・・・ビジネスマナーと語学力(英語は必須)とコンピューター。英語力があれば、世界中の情報が手に入る。それに、付け加えれば、財務諸表の見方がわかるように。
30代ビジネスマンの必須科目・・・歴史・哲学・心理学を学べ。そして、一芸に秀でてほしい。それから、リーダーになる準備をはじめなさい。一般論として、{優秀なリーダーを真似し、そうでないリーダーを反面教師にしなさい。}
転職で成功する条件は、
1.自分のやりたいことがわかっていること。
2.自分に確固とした技術やノウハウが身についていること。
ですから、
{やりたいこと}があればスキルを磨け。
{やりたいこと}がなければ十年は転職するな。
ということになります。
知恵をだすための方法:
1.十分な睡眠
2.問題意識(問題意識がなければ、情報はただの記号)
3.意見の異なる人と討議。
4.異質と交わること。
本来経営とは、いかにヒト・モノ・カネという経営資源をどう傾斜配分するかというゲームのはずです。一律10パーセント経費節減だけでは、生き残れません。
受験勉強のような総花的、平均点主義ではなく、得意技勝負が今後は大事なのです。学校秀才は発想が受験勉強的だから、どうしても不得意科目克服に目がいきます。入学試験は総合点で足切りをするから、この発想が正しいのです。しかし、企業間競争は{長所の張り合い}なのです。
特徴とは短所であり、弱みのことでもある。長所や強みというのは、見方を変えれば、ズバリ短所であり、弱みなのである。商品でも人間でも長所を伸ばせ。(ただし、人間の場合は苦手は作るな。)特徴、長所とは、欠点と思われる性格がプラスにでることをいうのです。
例えば、料亭の{吉兆}、ファーストフードの{マクドナルド}。{吉兆}は料理とサービス(特に相手の気持ちを察したもてなしがよい)は日本最高ですが、毎日行けるような値段ではありません。{マクドナルド}は、値段が安く待ち時間が少ないですが、味は日本最高というわけではありません。長所の裏返しとなる欠点には目をつむって、思いきって長所で勝負し、どちらも大成功しています。企業も人間も同じではないでしょうか。
塩谷信男先生は、運をつかむための心構えとして次のように言っておられます。
1.物事をすべて前向きに考える。
2.感謝の心を忘れない。
3.愚痴をこぼさない。
他人を変えようと思ったり、人の欠点にかかずりあっている暇があったら、自分を磨き、実力を高めなさい。
時代に合わせるより、自分を見つめよ。{本物の自分}が必要な時代が来たのです。
就{社}意識は捨て、就{職}意識を持ちましょう。
じっくり考え、相談し、決断したら、行動と継続が大事です。できるところから始めましょう。
実力をみがき、世界に通用する人間を目指しましょう。
あなたは、自分の何を磨きますか?
一球一球のつみかさね
一打一打のつみかさね
一歩一歩のつみかさね
一座一座のつみかさね
一作一作のつみかさね
一念一念のつみかさね
つみかさねの上に
咲く花
つみかさねの果てに
熟する実
それは美しく尊く
真の光を放つ
{八正道}
正しいものの見方とは、四つの真理(四諦)を明らかにして、原因・結果の道理を信じ、誤った見方をしないこと。
正しい考え方とは、欲にふけらず、貪らず、瞋らず、害なう心のないこと。
正しいことばとは、偽りと、むだ口と、悪口と、二枚舌を離れること。
正しい行いとは、殺生と、盗みと、よこしまな愛欲を行わないこと。
正しい生活とは、人として恥ずべき生き方を避けること。
正しい努力とは、正しいことに向かって怠ることなく努力すること。
正しい念いとは、正しく思慮深い心を保つこと。
正しい心の統一とは、誤った目的を持たず、智慧を明らかにするために、心を正しく静めて心の統一をすることである。
(Parinibbana-sutta)(The Teaching of Buddha)
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