1999年9月13日第75号
幸福ニュース

【 脳力開発 】

今号は、{脳力開発入門(基礎編)} (城野宏監修、平野耕一郎著)より、楽しみの人生への指針をお送りいたします。

1)脳力とは人間性まで含めた人間の総合的な実力のことです。

2)脳力開発は人間形成であり、難かしい事にぶつかっても困らないたくましい人間。進歩を求めてやまない、他人にたいしても思いやりのある人間。そういう主体的な実力に富んだ人間になって、いつもにこにこ笑顔で、愉快な人生をつくろうというのが脳力開発のねらいです。

3)脳力開発には、次の三つが必要。
1.自分が{現状はまだまずい}と具体的に気づいてそれを意識すること。
2.自分が{それを変えたい}と希望し、{変えるぞ}と決心すること。
3.粘り強く実行しつづけること。

4)三大実行方針
1.行動せよ
2.整理せよ(うまくいった時も)
3.反復せよ

5)時間がかかる。繰り返し、繰り返しの実践でこそ、身につき実現する。

6)行動と思考とはサイクルをなす一体であって、行動のないところに本当の思考はなく、また思考のないところに意義ある行動はないのです。

7)行動に脳力があらわれる。ここでいう脳力開発は行動を重視しますが、激しく動き回ることばかりが、行動ではありません。身体の不自由な人でも行動はできるのです。

8)批判は、自分にとって少しでもプラスに使った方が明らかに自分の利益です。
見えや虚栄の心はじつに脳力開発の大敵です。

9)使う言葉の管理が大切。
いつも前向きで積極的な言葉を極力使うようにして、反対の、後向きで消極的な言葉は極力使わないようにする。

10)イメージも管理せよ。
イメージが直接影響の根源であり、気分にも身体にも実際結果にも大きな影響を与えます。ですから、わざとでもよいから、たくましい前向きの建設的で肯定的な言葉やイメージを使用するよう努力しましょう。

11)まず、自分で主体的にやる姿勢をつくろう。

人頼りの姿勢の特徴・・・必ず相手のせいにし、しかも相手をばかにします。そして、ばかにしているはずの当の相手に結局は流され、支配されていく結果が続くのです。その上、自分は必ず愚痴と不平をたらたらと言うことになります。自分以外の他人や周囲条件に原因(原動力)を求める考え方の人がすなわち{人頼りの姿勢}の人です。

{自分でやる姿勢}の人は、原因は自分にあると考え、自らの努力を中心に、他人とも協力して進めることのできる人です。{主体性}{努力性}の確立が精神的姿勢として非常に大事です。

12)いつも進歩発展を目指す習慣をつくろう。

脳力開発とは、習慣づくりです。
毎日、ひとつでよいから、脳力開発の習慣づくりを続ける。
すぐできるところからすぐ始めること。
一歩ずつ歩むべし。一口ずつ食べるべし。

13)他人の利益もはかる姿勢をつくろう。

自分もよし、他人もよしの姿勢をつくろう。
人も自分も欠点だらけ、長所だらけの存在である。
人は誰でも、考え、希望、意見はそれぞれ皆違う。

人生や生き方にかかわる最重要な根本戦略(大方針)はころころ変えてはいけない。
人生や生き方にかかわる最重要な根本戦略以外はなるべくゆずれ。妥協せよ。

やりにくい相手、苦手な相手、嫌いな相手でも、大きな目的のためにみんな有意義にプラスに活用していけるように努力しなさい。そのためには、まず{自分が先に変わるべし。}

14)常に中心点を明らかにし、中心・骨組みで考える習慣をつくろう。(略思考)

戦略という根本の決心を先にはっきりと決めること。
目的、目標を必ず明確に決めること。
単に言葉を並べるだけではなく、行動の追及と積み重ねが大事。

15)常に両面とも考え、どちらが主流かも考える習慣をつくろう。(対比思考)

どんなものにも必ず両面あり。両面をしらぬと真の認識にならない。
通常の場合は{目立たない方の部分}こそ主流の面。
報道は少数例を扱う場合が多い。

16)立場・観点を整理し、多角度から考える習慣をつくろう(多角度思考)

立場というのは{複数の要素の間の相互関係}であり、それを整理して考える習慣をつける。

立場というのは、必ず希望を伴っています。相手の立場にたってというのは、相手の具体的な希望(利益)の中心点を具体的に考え、しかも行動と関連づけて考えよということです。

衝突の問題では、必ず、{何と何の衝突か}、そのぶつかりあいの具体的な内容を整理して、中心点をつかむ作業をせよ。

どの意見はどの立場から出されているかを冷静に検討し整理すれば、問題が客観的によくみえてきます。まず、立場の整理をしなさい。

自分自身の立場の点検はかなり重要です。

必ず、多角度から考える習慣をつけなさい。

17)確定的要素から出発して考える習慣をつくろう(客観思考)

確定的要素と確定的でない要素とを区別し、そしていつでも{確定的要素}から出発して考えることです。

確定的でない要素・・・憶測、印象、仮定、思い込み、空想、未確認情報、評価、等。

確定的でない要素は、もっと調べたり、あるいは、実際にやってみないと、確定的にはなりません。

知ったかぶりや勝手な決め込みは脳力開発の大敵である。決して、知ったかぶりをするな。わからない事は調べよ。

18)行動のつながりで、具体的に考える習慣をつくろう。(具体思考)

概念は重要ではあるがただの名札であり、具体的行動を主軸にして考えないと成果はでない。

よく分からないものを分かったつもりになって得意顔でいうのはやめなさい。

19)知識はすぐに使う習慣をつくろう。

まず、頭の中でどんどん行動してみる。

つまずいたり、疑問点、矛盾点が出てきたら、新たに調べたり、確かめたり、あるいは、実際にやってみたりすることが重要です。

知識は使わなければ、智慧にはなりません。実践学習が大事なのです。(真言宗でも知と行は車の両輪にたとえています)

20)できるだけたくさんの物事に首を突っ込む習慣をつくろう。

社会の実務的、生産的な活動をたくさん経験している人だと、行動のつながりや事実の認識の土台がしっかりしているし、その実際材料がかなり豊富です。

専門家意識で固まるということは、それ以外の領域や範囲に対する{意識集中(関心)}を遮断してしまうことにほかなりません。一芸に秀でるためにこそ、多方面の異質の領域の結びつきと、多種多様のデータが必要なのです。

知識拡大とはとりもなおさず、多方面にわたる実践と行動を拡大すること、すなわち、接触範囲と行動半径の拡大にほかならないのです。

そのためには、どんな物事にも興味、関心をむけていって、ともかく何にでも首をつっこんでいくことと、どんな時にでも、できる限りたくさんの人に会って、誰とでも仲良くしていくことが重要です。

情報のネットワークとは、まさしく人のネットワークにほかなりません。

仕事というのは、簡単に言えば、人と人との関係をいかに作り上げるかということにかかっていると言っても過言ではありません。仕事とは人間関係づくりでもあるのです。

21){変革のための指針}(真のリーダーの心得)

1.悪条件の中で建設を推進できる者が真のリーダーである。
(不足条件を整備していく"もと"を作ることこそ変革の中心)

2.変革とは、それを具体的に不動の決心・覚悟として確立しないと始まらない。
(変革はまず一人から始まる)

3.同士と協力者を一人ずつ増やしていくことが変革の過程である。
(点から面へ、そして主流に)

4.変革という本質的変化には時間がかかるのである。
(自滅するな、そしてやめるな)

5.着実にたんねんに、一歩ずつ歩め、一口ずつ食べよ。
(すぐできるところから、すぐにやるべし)

6.他人や周囲は、言うことを聞いてくれないものである。
(人間は自分の思うとおりになると思っていることが、思うとおりにならないとよく腹をたてるが、物事は思いどおりにならない方が通常なのである)

7.与えてもらうのを待っているばかりでは、流されるだけである。
(誰がやるのか? 自分は何をするのか?)

8.まず自分が変われ、さらに一歩変われ。
(それが変革の原動力)

9.レベルの高い方が苦労するのは宿命である。
(真のリーダーにとって、困難と苦労が生じなければそれは異常)

10.嘆きの人生か、楽しみの人生か、自分の意志でどちらにもできる。
(何が真の損得なのか?かけがえのない人生にとって)

受身ではなく、自分から能動的に行動する{随所に主となれ}というのが、禅宗の教えのひとつでもあります。

主体性の確立、向上を目指す習慣、他人の利益も考える姿勢を三本柱として、具体的行動のつながりで考え、行動実践を重視する脳力開発でした。それでは、明確な目標を定めたら、早速できるところから始めましょう。楽しみの人生に向かってスタートです。

【坂村真民詩集】

《 本もの 》

本を百万巻読んでも
本ものにはなれない
本は頭を肥やすが
足は少しも肥やしはしない
足からきた悟りが
本ものである

《 行動 》

救いは行動にある
行動すること
打坐も読経も
行動を伴って
しんに生きてくる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

{ただ、花の開落を見て、人の是非を言わず}(菊池寛)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【仏語集】

教えの要は心を修めることにある。だから、欲をおさえておのれに克つことに努めなければならない。身を正し、心を正し、言葉をまことあるものにしなければならない。

貪ることをやめ、怒りをなくし、悪を遠ざけ、常に無常を忘れてはならない。

もし、心が邪悪に引かれ、欲にとらわれようとするなら、これをおさえなければならない。心に従わず、心の主(あるじ)となれ。

心は人を仏にし、また、畜生にする。迷って鬼となり、さとって仏となるのもみな、この心のしわざである。だから、よく心を正しくし、道に外(はず)れないよう努めるがよい。

(Parinibbana-sutta)(The Teaching of Buddha)

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第73号 願いをかなえる法

第71号 あなたの価値はいくら?

第69号 本当の幸せとは?

第67号 心の成長の軌跡

第65号 功徳行

第74号 九州内観懇話会講演

第72号 遊び上手は生き上手

第70号 内観感想文

第68号 一流になる人二流でおわる人

第66号 上司と部下

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