今回は、38才の2児の母親で、北海道の地方航空会社、(株)エアトランセの代表取 締役社長を勤めている、江村林香(りか)女史の書かれた『まずは小さな世界で一番にな る』(かんき出版)を紹介したいと思います。
江村女史は、3社の社長を経て現職に、また、起業塾「にわとりの頭の学校」も立ち上 げられた方です。ごく普通の女性がどうして社長にまでなれたのか、若い人から、経営者 やこれから起業しようとしている人々など、多くの人々に具体的指針と感動を与える好著 です。
1)まずは小さな場所で一番になる。
「鶏口となるも牛後となるなかれ」(大きな集団の尻尾になるよりも、小さな集団の頭 になれ)
特別に優秀な人でもなければ、大きなフィールドよりも小さなフィールドの方が、自分 の力をふるって人に認めてもらいやすい。
2)自分を必要としてくれる場所を探す。
短大生だった時、家庭教師のバイトの声がかからなかった。「自分のような短大生の家 庭教師を必要としているのは、どんな子ども(親)だろう?」と考えた。これは、「お客 様はどこにいるのかな?」という需要の掘り起こしそのもので、ビジネスの基本的な発想 に通じる考え方だったのです。
考えた末に「偏差値40以下の生徒さんのみ教えることにし、宣伝した。」すると大当 りで、家庭教師代も多く取れた。しかも、偏差値60の子を10点上げるのより、偏差値 40の子を10点上げる方が易しいのです。九九とローマ字が原因で多くの生徒が苦しん でいたので、そこを徹底的に教え、高校入学を実現させた。
だから、自分を必要としてくれる所、自分が役に立てるところを探して、そこに飛び込 むと、自分も力を発揮できるし、相手にも喜ばれます。もちろん、需要にきちんと応える ために、供給にも工夫をする必要はあります。
3)今日できる小さいことから始める。
まずは、ほんのちょっとしたことでかまわないから、一番を目指してみてはどうでしょ うか?達成できるかわからない目標を目指すのはダメ。大切なのは、「小さなことでいい から、必ず一番になれることを見つけて、実際になること」なのです。それも「明日」な るのです。
例えば、「誰よりも大きな声で挨拶する」「誰よりも早く出社する」「誰よりも早く電 話を取る」「誰よりも常に笑顔でいる。」などです。
そうして、「小さな一番」を増やしていくのです。そういうことを繰り返していけば、 自然に勝ちグセがついてきます。そして、小さな一番がどんどん積み重なって、やがて大 きな世界で一番になる道が開けてくるのです。
4)自分が買いたい商品やサービスをビジネスにする。
ビジネスの基本は「まず顧客を見つけること」です。そして次に供給のインフラを工夫 して作ることです。
小さいニッチ(すき間)の分野でいいから一番になろうと考えるのです。私が勝てる小 さな世界はどこにあるか。
5)プランの合否は「儲かるか」「明日実行できるか」
ビジネスプランは結局「いくら儲かるか」につきます。
当然、明日から実行できるほどの具体性がビジネスプランには求められます。
当たり前ですが、ビジネスはプランよりも実行が大事なのです。
6)利は元にあり。
お客様に提示する値段をできるだけ安くするためにも、いかに経費を抑えて利益を出す かが、私のビジネスのやり方です。「利は元にあり」なのです。
コストを見直せば、それだけで企業の売り上げは伸びるのです。
必要でないところでお金を使わないで、社員に還元する為に使いましょう。
会社の根幹は経理で、金を制する者は会社を制するのです。そして、守りだけでなく、 攻めもでき、経理でも利益を上げて会社に貢献できるのです。
7)初心者ほど効果のある「営業の10ヶ条」
プラン・ドゥ・チェックのプランに8割の力を注ぐ必要があります。つまり、準備に最 大の時間と思考、労力を費やすのです。営業は準備が大事です。
第1条:黒か茶の革製の名刺入れに、名刺を30枚以上入れておく。
第2条:営業に必要な資料をクリアファイルにまとめておく。
第3条:前日の夕方までに、翌日の営業予定表を作る。
第4条:訪問予定先の地図を用意する。
第5条:9時にでかけて16時を門限とする。
第6条:目標件数を設定し、達成率を測る。
第7条:必ずお土産(契約or見込みあり)を持って帰る。
第8条:1社につき3行以上の営業日誌を書く。
第9条:自分の結果を成績表に記入する。
第10条:翌日の準備をする。
8)仕事は選ばない。
仕事はあれこれ選ばずに「やったもん勝ち」です。特に若いうちは「仕事の食わず嫌い 」をしちゃだめなんです。なるべく色々な仕事を経験した方がいい。でないと、なかなか 「私はこの仕事が合う。この道のエキスパートになる。」というのが見えてこないからで す。
今までの経験から言うと、自分の苦手とする仕事に携わった時は、特に自分自身が一番 成長できたような気がします。
若い人は、まずは目指す方向を決め、スキルよりもウイル(やる気)をみがくとよいと 思います。WILLはSKILLに勝るからです。ウイルがあれば、スキルや情報はついてきます。 将来、社長になれるかどうかも、素質より、やる気なのです。
9)時間=お金(私の時間節約方法)
a.嫌なことは先にやる。
b.判断はできる限り「即決」する。時間をかけて考えなければならない案件以外は、特 に生産性の低いものは即決し、その日の内に処理して翌日まで残さない。
c.単純作業は日々時間を計って、処理スピードを上げることです。
d.自分の中で優先順位の低い行動に時間を投資してはいけない。
10)女の仕事は「ファン作り」で決まる。
仕事のできる女は「下(しも)」がゆるくてはいけない。これはビジネス・ウーマンの 鉄則です。
男性に口説こうとまでは思わないけれど、この子と会って話をすると楽しいな、と思っ てもらえるファンを作ることです。ラブではなくて、ライクの関係です。仕事を通して、 どれだけの知識や経験、情報を持っているかが、本当の意味での「女の武器」になります。
相手のニーズに合ったギブが提供できなければ、ファンだって怒りますので、ギブの質 はとても大切です。また、ファンとファンとを結びつけることもできるようになると喜ば れます。
夫婦円満は、お互いに尊敬している関係だからです。
11)社員教育
経営者は、「仕事の目標はお客様を喜ばせることにある」と言うことを、社員全員に繰 り返し徹底させる必要があります。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」
怒らずに叱る。怒る時は、人前ではなく、本人を呼んで本人だけに言う。ガーッと怒鳴 るよりも静かに叱った方が、本人は至らなさがより身にしみるのです。
できない子には褒め言葉を、できる子にはさらに高い目標を与える。部下の性格に応じ て育て方を変える。
強い中小企業のキーワードは兼務です。「3人分の仕事を2人でやって、1.5倍の給 料を取りなさい」と私は職員によく言います。
社員教育で効果をあげる秘訣はとにかく継続です。
12)落ち込んだ時の対処法
a.「うまくいく」と100回唱える。
b.ダメでも生きていける方法を考える。大学時代の家庭教師のアルバイトのように、 「短大生でも大丈夫な方法はないか」と考えてみる。
c.3日だけ鼻をつまんで我慢する。
d.肉を食べる
13)思いは口にして書く。
目標や目的は無理やりにでも考えないと、一生考えずに終わってしまうものなのです。
手帳に目標リストを書き、達成期日も記入する。口にするだけでなく、書く事が重要。
大きな目標を持ち、まずは、小さな世界でコツコツと地道にがんばることが重要です。
布施は惜しみ心を退け、持戒は行いを正しくし、忍辱(にんにく) は怒りやすい心を治め、精進は怠りの心をなくし、禅定は散りや すい心を静め、智慧は愚かな暗い心を明らかにする。(華厳経)
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