私は母の勧めで内観に来ました。最初は自分の好奇心と知らない遠くの所へ一人で行くという嬉しさから来たという、半分遊び心がありました。
でも、内観に来る前の私の生活はとても自分勝手でした。頭ではこのままではいけない、ちゃんと地に足のついた生活をしなければならないという考えがあったにもかかわらず、やりたい事、言いたい事を自分の思うままにし、自分で自分をコントロールできていませんでした。
そして毎日何か不満を持って生活し、自らつまらない日々を送ってきたことに、内観をして気付きました。何故、日々不満ばかり思っていたのか。それは、何にでも感謝をしていなかったからです。ご飯一膳でも母・父・兄・友人・恋人にも心から感謝の気持ちを思っていなかったからだと思います。
でも今、私のことを愛してくれている人がこんなにも大勢いる事に気付き、心からその人達のことをいとおしく思えてなりません。
内観に来て一日目、私は元々の甘えん坊でどうしようもなく夜が淋しく泣いていました。はやく朝がくればいいのにとそれだけを思っていたように思います。内観になかなか集中ができていませんでした。素晴らしさも全くわかっていなかったです。しかし、2日目、3日目とやっているうちに母や父の愛情の深さにやっと気付き、なぜ今まで忘れていたのだろう、なぜあの時ありがとうと言わなかったのだろうと悔やみ、一時でもはやく父と母に謝り、感謝を伝えたいという気持ちで一杯になりました。
4日目からは恋人について内観をしました。私は相手に求めてばかりで自分から動こうとしていなかったことに気付きました。また、自分が動けないのは相手のせいだと本当におろかな勘違いをしている事に気付き、また自分が今どうしたいのか、どう動くべきなのか、やっと見えてきたように思えます。目的も決まり、今本当にやる気に満ちあふれて嬉しいかぎりです。
5日目・6日目からは、兄・盗み・嘘について自分を調べました。兄については忘れていた、気付いていなかった愛情の深さに感謝し、自分がどれだけ小さい人間か思い知らされました。
また、嘘や盗みについては調べていくうちに本当に自分が恐ろしくなり、罪人だと気付きました。こうして罪を口にするだけでなんと重い事、反省すべき事なのだろうと思い知らされました。これからは自分に胸をはって生きていけるように生きていきたいと強く思い、今までの罪を認めて忘れないようにしようと思いました。
この一週間で自分は本当になんと幸せ者だろう、愛されて育って、愛し愛される人がいる事が、どんなに素晴らしいか、本当に感じました。こんな気持ちにさしていただいた先生・奥様・蓮華院誕生寺の方々、そして内観を勧めてくれた母に心から感謝いたします。本当にありがとうございました。心から皆さんのご健康を祈っています。
死のうと思う日はないが
生きてゆく力がなくなることがある
そんな時お寺を訪ね
わたしはひとり
仏陀の前に坐ってくる
力わき明日を思う心が
出てくるまで坐ってくる
(審査委員長は坂村真民先生です。)
《 風景 》
(熊本市立出水南中学校二年 村田圭)
「ほら、見てごらん。」
大きな望遠鏡をのぞきこむと
ダイヤモンドをちりばめたような天の川
「ほら、見てごらん。」
車を運転しながら母が指さす
まっさおな空
「ねェ。見て見て。」
母が空を見上げる
不思議な形をした雲が刻々と形を変える
「見てごらん。」
山登りをしながら
母が声をかける。
イワカガミのピンクの花が風にゆれている
「きれいだね」
若葉のトンネルを通る
白いブラウスにあわい緑色がゆれる
「ほら、見てごらん。」
つぐみが庭の木の実をついばんだ
「外に出てごらん」
外から帰ってきた母が呼ぶ
辺りを真っ赤に染めて太陽が山に沈もうとしていた
「気もちいいね。」
見わたす限りの草原で
深呼吸する
お母さん、生きているっていいね
人びとは善い行為をすれば善を得、道にかなった行為をすれば道を得るということを信じない。また、人が死んでまた生まれるということを知らず、施せば幸いを得るということを信じない。すべて善悪にかかわるすべてのことを信じない。
ただ、誤った考えだけを持ち、道も知らず、善も知らず、心が暗くて吉凶禍福が次々に起こってくる道理を知らず、ただ、眼前に起こることだけについて泣き悲しむ。
どんなものでも永久に変わらないものはないのであるから、すべてうつり変わる。ただこれについて苦しみ悲しむことだけを知っていて、教えを聞くことがなく、心に深く思うことがなく、ただ眼前の快楽におぼれて、財貨や色欲を貪って飽きることを知らない。
(無量寿経)(The Teaching of Buddha)
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