今号は久しぶりに内観体験者の感想文をお届け致します。最初に内観の簡単な説明をさせていただきます。
内観とは、身近な人々(母または母親代わりに育ててくれた人、父、配偶者など)に対する自分を見つめるために、
内観は新しい自己を発見し、人生をリフレッシュする自己開発の方法として役立っています。また、スポーツや芸術の精神面の強化の為に、オリンピック出場選手で受けられた方もいます。
さらに、不登校、非行、ひきこもり、無気力、心身症、摂食障害、夫婦の不和、ノイローゼ、アルコール依存、仕事の悩み、人間関係、家庭問題などいろいろなトラブルに対する心理療法としての価値が認められています。
現在、日本各地やアメリカ・ヨーロッパに内観研修所が開かれ、一週間の研修の世話をしています。また一日内観や、記録内観、行動内観、内観療法など、いろいろな形態の内観が開発され、幸福へのひとつの入り口として、内観法は新たな展開を見せています。
私のこれからの人生は、母、父そして私の人生にかかわる周囲の人達を悲しませない人間になるための人生にしようと思う。
内観で両親が私を今まで育ててくれた費用を計算してみた。私はこの世に生を受けてから、母、父に2千万円かけて育てていただいて、現在があることに気付いた。
そして、そのような大金をかけて育てていただきながら、私は母、父に対して、時には反感を抱き、盗みを行い、嘘をつき、とても、して返してあげたという事はほとんどしていない。本当に最低な人間であると言う事がこの1週間でとても感じ、頭が下がる思いである。
もし、母がいなかったならば、私は食事もできず、ましてや、勉強などできなかったであろう。母がいあたからこそ、毎日の生活を自分のために過ごし、自分の思い出というものが、現在の私にあるのだと思う。ここにくるまでは、正直に私の人生だと思い込んできた。しかし、正確に言うと、母にささえられてきた人生なのである。私が一人で築いてきたものではないのである。
父にしてもそうである。父がいなければ、住む家もなく、食事もできず、服も着れずにいたのかもしれない。現在家にある家具さえも、父が今まで家族の為に働いてきてくれたからこそ、存在するのである。
それを私は、幼年期の頃の苦い経験だけで、父に対して反感を抱き、親子げんかもよくした。とても父にたいしても頭があがらない。私の人生は父に支えられてきた人生でもあるのだ。
その様な、両親のとても大きな奉仕というものに私の人生があると、この一週間、内観というものが私に教えてくれた。
そしてその1週間という貴重な時間を作っていただいた先生方、食事をつくっていただいた奥様に大変感謝している。また、この内観を勧めてくれた母に対して、当初とても反発し、内観を否定した私の行動は、とても恥ずきものだったと今は考える。
今振り返れば、私の人生はとても人まかせの人生であったとも思う。人生の分岐点、物事を考える場面で、自分の考えというよりも、人の意見を聞き、それにより判断し、行動をし、失敗したときは、その人のせいにしていたものだ。とてもズルイ人間である。
そのために私は母を恨み、父に怒り、私の人生で出会った人々にさえ、その様に考えていたのだと今は思う。結局は自分で決めたことだから、全ての責任は自分にあるのである。
就職に対してそれが最もよく現れている。入社試験を受け、今の会社に入社したのは、私の判断である。それを、仕事が失敗した時、上司とうまくいかない時に、{もう一つ内定を受けた会社に就職しておけばよかった。これは、両親が私にそうさせたからだ。}と決め付け、自分の責任にはしていない自分がいた。今はとても反省している。全ては私の責任である。
では、どうするか。これからである。反省はした。ただ反省だけなら、誰にでもできる。これからの人生でどうそれを表現するかである。
まず第一に職場に復帰する。どのようなペナルティーがあるかは解らない。おそらく、以前よりも苦しいかもしれない。しかし、それは私の責任であり、私の為になる。周囲の人が私に言ってくれることは、全て私の為になるのだ。その意識を忘れずにいれば、何も怖れることはない。
そして、両親を安心させる。両親に私は大丈夫、一人で生きてゆける。その姿勢を見せることが、私の今までの人生の恩返しである。考えたら行動する。それを実践するのだ。そして、周囲の人に迷惑をかけない。悲しませない。そういう人間になるのだ。
海と梅
二つとも
母という字がはいっている
うみ
うめ
二つとも
うぶすなの神と
ふかいつながりがありそうだ
山川草木
鳥獣虫魚
すべては
ほぞの緒のように
切れないつながりのあることを
まだ幼いわたしに
教えてくれた母
つぶらの
うめの実をみながら
久しぶり筆をとり
海の字を書き
梅の字を書き
母をおもった
ああ命日も
もうすぐだ
父母を喜び敬うものの家は、仏や神の宿る家である。
家庭は心と心がもっとも近く触れ合って住むところであるから、むつみあえば花園のように美しいが、もし心と心の調和を失うと、激しい波風を起して、破滅をもたらすものである。
この場合、他人のことは言わず、まず自ら自分の心を守って、ふむべき道を正しくふんでいなければならない。(パーリ、本生経等)
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