『内観』とは、身近な人々、母または母親代わりの人、父または父親代わりの人、配偶者などに対する本当の自分を見つめるために、
@していただいたことAしてさしあげたことB迷惑かけたこと、
について、具体的な事実を過去から現在まで調ベる中で、色々な気付きや発見に より、悩みの解決ができ、より良い人生を過ごせるようになる方法です。
また人だけでなく、物に対しても同じように3つのことを調べることができます。 例えば、自分の胃や足について、また、太陽や空気について調べると何を発見す るでしょうか。是非、お試し下さい。
美しく静かな蓮華院誕生寺奥之院の土を主人と共に初めて踏んだのは、春の雨降 りの日でした。
離婚の危機にあった私達夫婦は、心の出口がみつからず、かけあう言葉さえわか らず、ただ二人で{どこで待っていればいいんだろう?}と立っていました。そ の私達を一人の僧侶の方が、とても明るく元気に出迎えてくださいました。
その先生につき一週間自分を見つめ、奥之院の美しい景色に傷ついていた自分の 心をいやしてもらい、それまでの何を見てもしても、過去の出来事にとらわれ涙 していた私とは違う自分が、今いることが何より嬉しいのです。・・・・・・
苦しくて涙を流すことが出来るのも、今こうして生きているからこそ。そして、 この世で色んな事を感じ、体験できるのも、この世に私を送り出して下さり、育 ててくれた両親がいて下さったからこそ。毎日内観と勤行だけに集中できたのも、 周りの方々の色んな支えがあったればこそ・・・・・・。
色んな・・・・・があったればこその中で、一番自分をいやそうとしないのは自 分自身であった事がよくわかりました。
悩みを作り出すのも、作り出して悩んでいたのも自分自身ということがよくわか りました。ありのままの自分、身近な人、あらゆるものをそのままに受け入れる 事が何よりも大切。受け入れて初めて感謝が生まれる。愛情が生まれる。反省が 生まれる・・・・・・・。
これ迄いかに自分自身で、色んなことにこうあるべきという枠を決めて、その中 に自分が入らないこと、周りの人や出来事がその中に入らないことで、どれ程苦 しみ、悩んだことか・・・・・・・。本来、枠などなかったのですね。
そして、いかに何に対しても誰に対しても、受け入れる前に何かを与えられる事 を望んでいたかを、思い知りました。本当に器の小さい人間でした。本当に被害 者意識の強い人間でした。
そしてまた、憎み恨むのではなく、ゆるすことの大切さも教えていただきました。 私の心の片隅に、無意識のうちに主人に復讐したい自分がいることに気付きまし た。許すことによって、はじめて私の器が大きくなり成長し、私自身の幸福に近 づくことを知りました。
そんな私にずっとついて、その時々に必要な文面を走ってとりに行って下さった 僧侶の先生。先生の持ってこられた文面は、いつもまさにその時私がぶちあたっ ていた壁を打開するヒントばかりでした。夜寝る前に読むその内容は、いつも涙 が止まらないものばかりでした。そして、それからどれだけのエネルギーを頂い たか、はかりしれません。
心をいつも{空(くう)}に・・・・・{こだわりすぎなさんなよ。かたよりす ぎなさんなよ。とらわれすぎなさんなよ。とらわれないということにすら、とら われすぎなさんなよ。広い広い、宇宙のように広く大きな心を持って毎日生きて いきましょう。}
勤行を一緒になってさせて頂けたのも、私にとって非常にラッキーな事でした。 朝晩のお参り。経本に書かれてあることが全部わからなくても、{心をいつも空 に!}。これだけを念じて、一日でも早く無理なくそれができる人間になりたく て一生懸命お参りしたのも、蓮華院における一つの良い思い出です。
三枚の用紙では書ききれない程の記憶がこの一週間のうちにあります。色んな方 のお陰で少し心のドアが開きました。今日こちらを発ち自宅に戻ってからも、そ のドアを少しずつ自力で開ける努力を、{あるがままに、無理なく自然に、楽し んで}致します。
また、主人と二人でこちらに笑顔で里帰りしたいと思います。一週間本当に色々 とありがとうございました。
心は抑え難く、軽くたち騒いでととのえ難い。この心をととのえてこそ、安らかさが 得られる。怨みを抱く人のなすことよりも、かたきのなす悪よりも、この心は、人に 悪事をなす。この心を、貪(むさぼ)りから守り、瞋(いか)りから守り、あらゆる 悪事から守る人に、まことの安らかさが得られる。(法句経)
夫婦の間は、夫は妻に対し、尊敬と礼節と、貞操とをもって向かい、家政をまかせ、 ときどきは飾りを与える。妻は夫に対し、家政をととのえ、使用人たちを適切に使 い、貞操を守り、夫の収入を浪費せず、家政をうまく行うようにする。これによっ て夫婦の間はむつまじく、争いは起こらない。(六方礼経)
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