(鈴木義幸著 (株)ディスカヴァー・トゥエンティワン発行)
コーチングとは、{相手の自発的行動を促進させるためのコミュニケーションの技術}です。
どうすれば相手の思考を、{しなければならない}から{したい}に変え、自発的に動かすことができるのか、それがコーチングを学ぶことによってわかります。
アメリカを代表する経営者のひとりGE(ゼネラル・エレクトリック)のジャック・ウェルチ会長も、{IT時代になると、管理職の役割は変わらざるを得ない。部下が知らない情報を握っていることによってのみ権威づけされたような管理職は存在意義を失う。今後、管理職に必要となるのは、コーチとしての資質です。部下のエネルギーを引きだす力を備えなければいけない。}と語っています。
質問することによって、相手さえもまだ自分の内側に眠る、気づいていない情報を引き出し、新たな行動の指針となる知識に変えていく。相手が自分で気づき、行動に移す手助けをする。
大きい質問をする前に、まず小さくて必ず答えられる質問からはじめる。
相手の話を質問によって、{絵}になるまで具体化していく。はっきり絵になっていない部分を質問していく。
{ハワイ旅行どうだった?}{すごく楽しかった}
{すごく楽しかったって具体的にはどういうことがあったの?教えてよ。}
{うん、ゴルフコースに出たんだけど、それがすごくよかったんだ。}
{そうなんだ。どんなところがよかったの?}
{海岸に隣接しててね・・・・・}
{なぜ}ではなく、{なに}が相手を警戒させず答えやすくする。
{なぜ目標達成しなかったんですか?}(責めているように聞こえる)ではなく、
{なにが目標達成の障害になったんですか?}
答は必ず相手の中にあるという信頼を持って待つ。
すぐに答えが返ってこなかったら、{好きなだけ時間を使ってゆっくり考えて下さい。それまで黙っていますから。}と伝えれば、沈黙は怖くない。
答えを教えるのではなく、自分で見つけさせる。
相手の立場にたって考えるには、相手に関する質問を自分自身に数多く問いかけてみる。
出会いがしらの一言が人間関係にとって大事である。
相手の言葉を繰り返すことで安心感を与える。
声のトーンや大きさ、タイミング、顔の表情を意識してあいづちを打つ。
相手のタイプに応じて接し方を変える。
自分のやり方を相手に強要せず、相手の強みを見つけ、伸ばしていく。
評価ではなく、相手について自分がどう感じたかをほめ言葉にする。
迷っているよりは、相手がなにを欲しているか聞いてみる。
目標達成に向けて、{がんばれ}のかわりに、目標に関する質問をたくさんする。
相手が価値を置いているものを見つけ、そこに向わせる。
未来についてできるだけ具体的なイメージを描かせる。
これからする行動の過程ではなく、結果の{いいこと}をイメージさせる。
その人独自のチェックリストをつくらせ、やる気を引き出す。(例えば、今月身につけたいスキル等)
広く浅くさまざまな質問をして、いろいろな角度から状況に光を当てる。
ただ{やれ}ではダメ。{何故それをやるのか}を説明する。
コーチはフォローする。進捗状況を確かめ、行動が起きなかったのであれば、何が妨げとなったのかをはっきりさせる。
失敗は成功の前提と考え、寛容になる。
最後に{必ずやってくださいね}とストレートにリクエストする。
相手をとにかく毎日ほめ続けてみる。
うまくいっている人というのは、ほとんどの時間はうまくいっている自分の姿で、心の中のスクリーンをいっぱいに埋め尽くしているものです。質問によって、心のスクリーンの絵をポジティブなものに置き換える手助けをしましょう。
エネルギーを補充する、人それぞれの方法を見つける手助けをする。
毎日、小さな目標を自分に課し、それを達成することで自信をつける。部下のモデルになる。
相手の中に答えはあると信じて最後まで問いつづける。
部下の育成方法は相手によって変える必要がある。
プロ野球の王・ダイエー優勝のかげにも{コーチング}を取り入れたことがあったようです。教育とは、その人の本来持っている良いところを引き出すことだとも言われています。職場であるいは家庭で応用して、あなたも私も幸福へと近づきましょう。合掌
闇を
光に
変えてゆく
それがしんの
しんみん詩なのだ
これをことしの
第一番の詩としよう。
正しい教えを聞いて、いくたびもその味わいを思い、これを修め習うことによって、教えが身につく。思うこと修めることがなければ、耳に聞いても身につけることはできない。
信と謙と慚(ざん、はじる意)と努力と智慧とは、この世の大きな力である。このうち、智慧の力が主であって、他の四つは、これに結びつく従の力である。
道を修めるのに、雑事にとらわれ、雑談にふけり、眠りを貪(むさぼ)るのは、退歩する原因である。(パーリ、増支部)
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