今回はEメール・マガジン{Kyositu.comニュース}(Kyositu.com発行 http://www.kyositu.com )より、平成12年2月19日に行われたHIV・人権センター代表・五島真理為先生の、「エイズを通して生と性を考える」講演会内容の一部を皆様に紹介させていただきたいと思います。本当の豊かさとは何かについて考えさせてくれる、とても素晴らしい内容です。
わたしがアフリカに行った時のことです。向こうの子供と一緒にお弁当を食べたんです。私が半分残すと、残すなんてやっちゃいけないですよね。私のおなかは難しいですね。そうしたら、{私にちょうだい。}というんですよ。わたしは犬か猫でも飼ってるのかなと思ったんです。その人はもらって、{私はとっても幸せだ。}っていうんです。{どうして、何が幸せなのかな。}って聞き返しました。{真理為の食べ残しをもらった。それは自分の次のご飯になるんです。次のご飯があるってすごく安心でしょう。}って。その人は生まれてからずっと次のご飯があったことはなかった。{次のご飯があるって幸せですね。}っていわれたんです。
私はスエーデンの記者から何度も聞かれました。どうして日本では血友病の人がエイズに感染したんですか?
だって日本では最初の患者さん、1985年とか女性の最初の患者さんが1987年とか。でも,薬害エイズは1983年 とか1984年の話だよね。そのころ日本にエイズの患者さんがいなかったんだから、感染者がいなかったんだから。日本におられる方が献血で血をくださっていたなら、誰も血友病の人は感染しなかったでしょう。 そのとおりなんです。日本では血を十分にいただけなかったんです。
日本で輸血するでしょう。アメリカから買ってきている血なんです。世界の患者さんが集まっている会に行くと、{日本はドラキュラだね。}って言われます。日本は世界の血液を金で集めているんです。 日本では献血してくれる人が少ないから。日本はお金持ち、お金で血を買っているんです。薬害エイズの問題も私たちと関係がないわけではない。血液200ccをあげるってことはそんなにたいしたことではない人が多いと思うんですが。
それだけではないんです。私は20歳のときに失明していたんですね。右目だけが今ちょっとだけ見えるようになっているんです。どうして見えるようになったかというと、角膜移殖って亡くなっ た人の目をもらって見えるようになったんです。この目はどこから来たの。スリランから来たんです。日本にはアイバンクがあるけれど、 全然足りない。
わたしはロンドンに一年間いたときに、たまたまスリランカの人と仲良しになったんです。その方が夕食に招いてくださった時、私は喜んで出かけました。生まれて初めて個人的にお礼が言えるなって。{私はスリランカの方から目をいただいて見えるようになりました。}
その人のお母さんもたまたま死ぬときに目をあげた人で、{おふくろの目が世界のどこかで役に立ったことがうれしい。}続けてこうおっしゃったんです。{スリランカは貧しい国です。産業や工業が発達していないので、商品で世界に貢献することができない。自分たちが持っているもので世界に貢献していきたい。}と。
小人症といって背が伸びにくい、ホルモンが出にくい難病があります。20数年前にその小人症の親の会の全国組織ができ、下垂体バンクを作りました。原因もわかっている、治療法もわかっているのに身近な人が誰も登録してくれません。
子供たちの治療に役立つには全然足りません。私たちは落ち込みました、絶望しました。世界各国に手紙を書きました。たくさん書きました。その当時世界のなかでソビエ トという国の方だけが対応してくださったんです。そのことによって 治癒できるようになったんです。
つまり、私たち難病の者は目はスリランカからいただいて,下垂体はロシアからいただいて、血液はアメリカから買っているんです。この国が豊かな国だと思いますか。
私たちは食べ残しのご飯が残飯の山になって、服はまだ着られる服が、ファッションが変われば変えて、車でさえモードが変われば新しくして、ゴミの山が環境破壊をしている。 そして、血液もいただけない、そんな国なんです。
その結果として、アメリカから買ってきた血液で4500人の血友病のうち1500人の患者さんがエイズに感染しました。そして、580人がもう亡くなりました。その中には中学生もいます。高校生もいます。この国が豊かな国なんでしょうかね。
私たちのように病気を持ったものが働きかけないといけない。(五島真理為先生は、他の難病をお持ちですが、頑張っておられます。)HIVと人権情報センターという会を感染者と感染者のお友達とで作らないといけない。
感染者、患者さんが自身もボランティアを始めたんです。痛みを持ったものが動かないと社会が変わらない。よくイギリスやスエーデンで{真理為は体が悪いのにどうしてそんなに一生懸命やるのか。}と聞かれるが、{体が悪い者が動かないと、社会は動かないんです。}といわざるをえないんです。
今日はメモリアルキルトも持ってきました。これはある患者さんを 追悼するためにみんなで作ったキルトです。この方は地方におられて、いっぱい差別を受けて、仕事を失い、友を失い、自分をも失おうとしていました。筆跡から自分がわからないように、ワープロで私たちの もとに手記を送ってきました。
日本で初めてのエイズ感染者の手記です。 名前も住所もありませんでした。その方のいっぱいの叫びがそこには書いてありました。その方は亡くなって初めて、みんなの前で堂々と キルトになって出会えたんです。亡くならないと自分がエイズだということがいえない社会なんです。
私たちはいつか死がくる。そしてひとりひとりすばらしい人生があります。すばらしい命があります。私はかって日本でエイズの赤ちゃんを見送った時に、思ったんです。この子は何のために生まれてきたんだろうと。それって本当に失礼な話です。その子のお葬式のときに みんなつらくて泣いているんです。
それは逆にいうと、生きているときにたくさんの喜びを私たちがもらっていたということです。お母さんのおなかにいるとき、お母さんがおふろに入る。おなかの赤ちゃんも気持ちよくって、内側から伸びをしておなかにあたる。それをお母さんも感じてこの子が喜んでいると思う。そして、それをお母さんもうれしかったんです。むだな命はひとつもありません。
何ができるかではなくて、何ができるかだったら障害者の人はみんな切られていってしまう。何ができるかではないんです。生きていることがすばらしいんです。みなさんひとりひとりがすばらしい命を持っているんです。みんな違っていいんです。
もし、みなさんに何かあれば、どんなにみんながつらいでしょう。みなさん方が生きていることで、もうそれだけでたくさんの人を喜ばせているんですよ。すばらしい存在なんですよ。今日はみなさんに出会えて本当にうれしいです。 ひとりひとりがすばらしい命を持っているんですよ。どうぞ、どうぞ、どうぞ、すてきな人生を送ってください。
環境問題の専門家{ネットワーク〔地球村〕}代表の高木善之先生も、
{日本の食料自給率は30%、エネルギー自給率は6%です。20年後に食料不足や、ダイオキシン汚染の深刻化、地球温暖化による海面の上昇、オゾン層の破壊(陸上の生物は暑さわずか3ミリのオゾン層がないと死滅します。)という危機的状況がせまっているのです。
それなのに、日本人は、他人ごとだと思って、あいも変わらず、経済一辺倒の生活、政治をしている。思いやりが少なくなりつつある、命よりお金重視の環境問題の後進国、日本は本当に豊かなのでしょうか?}と言っておられます。
地球は有限なのですから、無限大の経済発展は不可能です。仏教で昔から説いているように、いつ、{足るを知る}生活、経済より心を重視する生活に価値観や生き方を転換できるかが、今後問われるのではないでしょうか。合掌
心かなしむ人のために
心すさびた人のために
心から
おいしく飲んでもらう
一服のお茶を
進ぜられるように
なりたい
そうあなたは言われる
心くるしむ人のために
心きずついた人のために
心から
うれしく読んでもらう
一篇の詩を
作り得るようになりたい
そうわたしは答える
そのたび
私たちを
結んでくれるのは
東洋に伝わる
深い慈愛の教えであった
一つとして、{わがもの}というものはない。すべてはみな、ただ因縁によって、自分にきたものであり、(物も体さえも)しばらく預っているだけのことである。だから、一つのものでも、大切にして粗末にしてはならない。(法句譬喩経)
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