今回はEメールでとても素晴らしいお話を受取りましたので、自分ひとりだけではもったいないと思い、皆様に紹介させていただくことにします。
ノートルダム清心女子大学同窓会会報誌{ほほえみの輪}に掲載された、渡辺和子名誉教授のご講話の要約です。
今日お話ししたいのは、生きていく上で、醒めた目と温かい心を持つことがとても大事だということです。醒めたというのは、冷たいという意味でなくて、英語の“クール”という言葉に当ります。客観的に、冷静に、落ち着いて物を見るということです。
{温かい心}というのは、冷たいと考えられそうな客観的な物の見方を補ってくれるもので、{許し}というものと深く関わっています。
人間は不完全なのですから、過ちのあることが当り前で、どんなに信頼できる方でも100%信頼してはいけません。決して不信感を植え付けるためではないんです。100%信頼しますと、相手の方が裏切った時に許せなくなってしまうんです。
どれ程相手を理解したつもりでも理解しきれていない事が必ずあります。100%信頼出来る方は神仏しかいらっしゃいません。このような事実を“醒めた目”で見据えていて下さい。
〔許す〕ということは、とってもむずかしいことだと思っています。“温かい心”を持つということは、許す時に{ダブルの損}をしないといけないということなんです。
{ほほえみ}という詩の最後に〔もしあなたが誰かに、期待した{ほほえみ}が、得られなかったら、不愉快になる代りに、むしろ、あなたの方から{ほほえみ}かけてごらんなさい。実際{ほほえみ}を忘れた人ほど、あなたからのそれを、必要としている人はいないのだから〕という言葉があります。
{ほほえみ}の代りに、挨拶、誉め言葉、何を入れてもいいんです。相手の方に期待した“欲しいな”と思うものがもらえなかった時、それは一つの損をしたわけです。けれども 、シングルに損を終わらせないで、もう一つ損をする。つまり、くださらなかった方を許し、 むしろこちらの方から差し上げる。それは{ダブルの損}なのですが、この{ダ ブルの損}をして初めて愛が生れ、主体性が保たれるのです。
相手の出方に左右されない自分のあり方、それを個の確立と言ってもいいかもしれないし、人格としての生き方と呼んでもいいかもしれません。環境の奴隷ではなく、環境の主人となり、相手の出方に左右されないで、自分の生き方を守っていきましょう。
輝かしい人間の20世紀と言えるかもしれません。しかし、同時に今世紀ほど悲しいお葬式が沢山出た世紀もないと思います。その原因がもしかしたら{許す}という人間だけがすることが出来る機能を忘れているからかもしれません。
これからの2年間、許す機会、損をする機会が少なくて欲しいと願いながらもし、そういうことがあったならば、どうぞ{シングルの損}でなくて、{ダブルの損}を喜んでする人になってください。そして、{醒めた目}と{温かい心}で人生のレポートを書き続けていっていただきたいと思います。
胸の奥に響く、深く考えさせられるお話ですね。渡辺和子名誉教授に感謝しましょう。あとは、各自どれだけ実行できるかという事だと思います。
いかなる罪も
責むるなと
くちなしの花
教うなり
すがしく薫る
白い花
疲れて帰り
そばにたつ
{ただ花の開落を見て、人の是非を言わず。} (菊池寛)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人は、有無、善悪、正邪、すべてのものにとらわれて迷いを重ね、苦しみと悩みとを招く。
正しいことさえ執着すべきではなく、まして、正しくないことは、なおさら捨て離れなければならない。(Lankavatara-sutra)
*あなたも メールマガジン「幸福ニュース」を購読しませんか。費用は、無料です。 下記に登録するだけで、E-MAILで毎月3回自動配信されます。 メールマガジン「幸福ニュース」登録
メールマガジン「幸福ニュース」解除
|
|