1999年11月10日第80号
幸福ニュース

【 小さな実践の一歩から 】

今回は、株式会社イエローハット相談役・鍵山秀三郎氏の講演の要約を竹下様が送ってくださいましたので、皆様に紹介させていただきたいと思います。

結論は、{一人一人の生き方をよくすること。少し生き方を変えてみよう。}ということです。

いまは、年四分の一は便所掃除を行っている。
ダメ人間の共通点は、自分の手の届かないことを理由にしてやらないことである。
例えば、天気・景気などのセイにしている。

こうだったから、こうなった。(この生き方が大半)
こうだったのに、こうなれた。(意識改革)
こうだったからこそ、こうなれた(お陰様の心)

昭和28年〜36年まで会社に勤めたが、社長が会社を私物化したため退職。
昭和36年10月10日から開業。今年はちょうど30周年ですが、当初は品物を卸してもらえず、メーカーが困っているものを売らしてもらった。その中でも38年間続けて販売しているものは、何かといえば{ハンドルカバー}であります。誰も当時は目につけていなかったものです。

{便所掃除をなぜ始めたか。}

人間の心のすさみを無くしたいから。
営業で訪問すると、目の前で渡した名刺を破ってゴミ箱に捨てる人。意地悪い人を少し でも世の中から無くしたいと思った。
そのためには、社会をキレイにすることが大切であり、効果があるように思った。
また、社員の心のすさみも無くしたいと思った。
むかしは5時起床、いまは6時起床だが、まず車をきれいにした。家族4名で清掃を繰り返した。いつまで続くかと思いながら。

昭和48年、12年目のころから社員がし始めた。20年目全社員がやりだした。30 年目から外部から掃除を勉強に来だした。

平成4年から公園などのトイレ掃除を始めた。「日本を美しくする会」発足。
千葉県が盛んにされている。

中国の言葉に、{10年偉大なり・20年恐るべし・30年して歴史となる。}継続は威力があります。

{そんなことをして、なんになる}という人が随分いました。また、バケツをもってい るようでは会社は伸びないとか。いろいろいわれました。

掃除をすることによって、仕事のムダに気づく、整理整頓の重要性がわかり、効率性が 社風になってきた。また他の効果としては、チームワークがよくなった。

平成3年にある会社を訪問しました、不良品が大変多くでていました。
工場の現場はきたなく、全員長靴で仕事をしていました。そこで清掃を徹底的にするこ とによって、不良品がなくなり、製造の機械もいままで4年しかもたなかった機械が8 年ももつようになった。きれいな床はスリッパで仕事をするようになった。当然会社の 業績はみちがえるように変わった、という実例があります。

人間として重要なことは、気づかい、気働き、気づくである。こういう人間になるには、謙虚であり、骨惜しみや手抜きをしないことが大切であり、清掃に現れるものです。

毎日少しの時間でも惜しんで一生懸命やる。
毎日の掃除から、自信ができ、重要な経営上の決断ができたこともあった。
売上51億のとき、29億の取り引きが停止したことがあったが、思いきってやめるこ とができたため、今があると思う。やめなかった他の会社は皆つぶれてしまった。

11月27日広島県警から暴走族を集めてトイレ掃除をすることや、ブラジルや上海に 行ってトイレ掃除を行っている。大変喜んでいただいて新聞に掲載されたこともあった。

“小さくはじめて大きく育てる”これが一番大切だと思います。
また継続させることは、絶えず“工夫”すること。
掃除でも、枯れ葉をあつめる道具と、雨の時掃除する道具では違うように、いろいろ工 夫すること。

最後に坂村真民先生の詩を送ります。

だまされても
いじめられても
ふまれても
いつも心は燃えていよう
消えてしまってはだめ
いつもひとみは澄んでいよう

(感想)
誰でもやろうと思えばできる、当たり前のことが、これだけ奥が深いものだと、今回直 接御聞きしてさらに感動いたしました。

また、売上1,000億企業の会社になられても今なお継続されているのは見習らわなければならないことだと思います。

私も昨年12月から車イス補助をさせていただいているが、いつまでも継続していきたい。そしてこれからは、工夫をするという点をもっと磨きをかけなければならないと感じています。合掌

【坂村真民詩集】

《 行く 》

一本の道を行く

一筋の道を行く

フラフラせず

グラグラせず

ウコサベンせず

まっしぐらに行く

挫折しても立ち上がり

また進んで行く

そのなかに

神の救いがあり

仏の導きがあり

思わぬ不思議が起きてくる

ああ

希望と愛と信仰に身を固め

【仏語集】

心に好悪を起して執着してはならない。好むこと、きらうことから悲しみが起こり、恐れが起こり、束縛が起こる。

鉄の錆びが鉄からでて鉄をむしばむように、悪は人から出て人をむしばむ。

経があっても読まなければ経の垢、家があっても破れてつくろわないのは家の垢、身があっても怠るのは身の垢である。

心の正しくないのは人の垢、もの惜しみは施しの垢、悪はこの世と後の世の垢である。

しかし、これらの垢よりも激しい垢は無明の垢である。この垢を落とさなければ、人は清らかになることはできない。
(法句経)(The Teaching of Buddha)

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第77号 兎三題

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第73号 願いをかなえる法

第71号 あなたの価値はいくら?

第78号 視覚障害者の日本縦走記

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