福岡に住む財津吉和さんは、整形外科医・精神科医にして東洋医学(特に漢方煎じ薬)も極め、九州大学心療内科同門会会員、日本リウマチ学会認定医でもある。
次男ゆえに父親の病院を継ぐことができなかった財津さんは自宅に{命の研究所}を創設して、医療のかたわら、環境問題、育児問題など様々な社会奉仕活動を展開している。
そして、患者一人30分の診療のほかに、訪問医療も続けている。この場合、診察室はいわば各訪問先の家庭で、自動車の一日の走行距離は50KMを越すそうである。
中年女性が多い医院での診療に比べ、在宅患者のほとんどは年配で、脳卒中の後遺症で半身麻痺や言語障害を持っている人々である。
訪問を始めて、白衣よりも私服の方が、患者も家族も心を開いてくれることに気づいた。お年寄りの患者は様々な人生体験を語ってくれ、逆に教えられることも多く、そのお礼にケアーさせてもらっていると財津さんは語っている。
近くの公園を一緒に散歩したり、唄ったり、記念写真を撮ったりしているうちに患者の症状が回復してくることも多い。 最新の高額医療機器が揃った病院で完全看護されている患者たちよりも、身心の痛みも少ないようだということである。
治療は機械や薬がするものでなく、家族の愛情と患者自身の気持ちが大切、医者は介添え役に過ぎないと財津さんは疲れも忘れてさわやかに微笑む。
実はこの財津さん、弘前大学の医学部に合格するまで五年の月日を要している。そして卒業後、医師国家試験に合格するまでに四年半かかっている。真面目さのあまり、余分なことまで勉強していた財津さんの人柄ゆえの遠回りの道程は、決して無駄ではなかった。
いわゆる浪人の間に、数限りなく親切な人々から愛を受け、貴重な体験を重ねてきたことで、他の医者にはない豊かな優しさを養うことができた。
大学時代は、ワンゲル部で山歩きを思う存分に楽しんだ。青森の山々、特に岩木山に83回、春スキー50回、八甲田山28回、世界遺産のブナ原生林で有名な白神山に10回、その他、岩手山・駒ヶ岳・鳥海山にも数回登っている。
国家試験に挑戦しつつ、各地の旅や画廊巡りもしていた財津さんの心のゆとりは今もそこかしこに生きている。
自分の手で患者さんに直接触れる{手当て}こそが医療の基本と、財津さんはひたすら遠き道程を走り回っている。
世の中が便利になり、医療も発達し、豊かになったにもかかわらず、何故、いまひとつ幸せ度が上がらないのでしょうか。それは、体の時間と社会の時間との間に非常に大きなギャップが生じているからです。ストレスがかかり、疲れやすくなっている原因の一つは、社会変化のスピードが速すぎ、それに体と心がついていけないからなのです。
毎日毎日、時間環境は加速していきます。新幹線ではなく、鈍行で味わいと深みのある人生も、また、いいのではないでしょうか。合掌
自分は
自分の道を行こう
自分の足で
自分の手で
自分は
自分の道を行こう
自分の筆を持って
自分の詩を書いて
自分は
自分の道を行こう
フラフラせず
グラグラせず
ただ一筋に
一つの柄杓(ひしゃく)を取って、大海の水を汲み尽くそうとすることは、容易ではない。しかし、生まれ変わり死に変わり、必ずこの仕事を成し遂げようとするのが、仏を信ずるものの心の願いである。(大般涅槃経)
*あなたも メールマガジン「幸福ニュース」を購読しませんか。費用は、無料です。 下記に登録するだけで、E-MAILで毎月3回自動配信されます。 メールマガジン「幸福ニュース」登録
メールマガジン「幸福ニュース」解除
|
|