今回は、北川八郎著の『繁栄の法則』(致知出版社)を紹介させていただきます。多くの成功と幸福に関する本の中で、ほぼ完成された『成功と繁栄の原則集』と言えるのではないでしょうか。多くの方々に是非呼んで頂きたいと思う第一級の書物です。
否定的ではなく、『肯定的に何事も受け取ることができる』のが繁栄の第一法則です。深く心の奥の次元で、すべてのことに関して「肯定的に受け止めて生きる」のです。
キリストは「この身に生ずる一切のことを善として受容するならば、あらゆる難が去りゆく」と言い、良寛は「難がくるなら、難を快く受けよう。死がくる時は、騒がず死んでゆこう」という言葉を遺しています。そういう心になると死も難も遠ざかるようです。
良きものを与えることが繁栄の基本のひとつです。自分の持っている10パーセントを与える。これが難しい人は、『少し損をして生きてゆくといい。』これも日頃の自分の10パーセントでいいのです。
人は心地よいものにお金を出そうとするのです。だから特別に「稼ぐ」という考え方をしなくてもいいのです。良きものを与えること、安らぎと平和感を与えること、そして心地よいものを与えること、そんな信用に対して、人はお金を払おうとするのです。利益を優先する会社は何か鋭さがあり、人々に感謝を持ってやっているお店にはおおらかさとやさしさと信用があります。
「小枝拾い(こっぱひろい)の大木流し」(目前の小さな利ばかり追うと、大きな利を逃す)という言葉があります。大木とは、信と利他のことです。『信と利他と喜びを与える』と繁栄します。
感謝の半額セールをするのならば、全品半額にするなど心から徹底的にやるべきです。小手先だけの部分感謝セールではいけません。儲けようとしていたら儲からず、儲け心を捨てて信を取り、正直にやり始めると、儲け始めるのです。儲けようと思うとせちがらい世界に入っていき、長期的には却ってうまくいきません。「利よりも信を選ぶ」ことです。信を養い、利に流されてはいけません。感謝され、ありがとうを言われるような商売をすることです。
拡大を急ぐと強いねじれが生じます。「拡大において、時を急ぐな」です。今生がだめなら、来世があるくらいのスピードがいいのです。組織は生きものです。組織は拡大を目指したがるのです。拡大よりも、内部の充実を図ることです。お客さんや社員に利益を還元した方がいいのです。
順調な時ほど気を付けることです。順調な時、人はすぐ驕(おご)りに入ってしまいます。何事も人生が順調な時程、感謝と周りの人々のおかげであることに気付かねばなりません。自分が一番と思っている人は曲がり角を曲がりきれません。驕ると人のいう事を聞かなくなります。順調な時こそ、慎重に生きていくこと、充実を図ることです。新しい分野に進出したり支店を出すなど、拡大を図るのは少しあとになってからで充分です。
迷った時は損することを恐れないで信を選び、出会いや導きに従うことです。「信用」こそお金を生む大切なエネルギーです。人々の喜びに奉仕することが必要です。人が運を運んできます。まず周りの人たちに良きものを与え信をつくる。いいものを人々に与えれば、人は「お金という形」で返してくれます。良きエネルギーを人にあげるということが、いつまでも続く商売のコツなのです。もし、あなたがずっと繁栄したかったら、決して『ごまかさない』濁らない生き方を目指すことです。
一時的にいくら成功しても、自己犠牲をできない人は徳を失い、すぐに繁栄はなくなります。繁栄には必ず自己犠牲が伴います。初代の人は人のために働き、人の喜びを自分の喜びとすることができている。つまり、下座に下りることができるのです。自分の時間を損することや人の為に働いたり、失敗した人を許すことが必要です。
年を経て人の上に立つ時、大切なことは何かというと、上に立てば立つほど、徳のレンガを積むということです。そして、上に立つ人間が一番に身につけるべき覚悟は、『自分のための利は一番最後』に取るという点です。偉くなったら、他の人に先に利を取らせて、自分は一番最後に利を取る心がないといけません。小利こそ『信という大利』なのです。
社長としての生き方は、できるだけ秘密と驕りという貨車を少なくしていくことです。そして、いつでも自由自在に止まれるように開明性を心掛けて、勇気と胆力を養って生きていくことです。この世を去る時に持っていけるものは、「人に与えた悲しみと喜びだけ」で、名誉とか富とか権力とか、何も持っていけません。30代までは「もらう世界」、40代からは「返す世界」です。
あらゆる仕事というのは、ただ商品を売るだけ、買うだけということに終始するのでなく、あと一歩人格のランクを上げて、そこに祈りを入れ込むことが大切です。例えば、パン屋さんは、パンを作る時に「このパンで多くの人の心が癒されますように」「健康で心も安らぎ、活力が湧きますように」と祈りながら作るのです。これからの時代は『癒しの時代』です。これからはいろんな意味で、体と心の両方を癒してあげる時代です。
あらゆる場面で大切なのは、『感謝』ということです。良きものや良き感情を与えると、良きものや良き感情が返ってきます。『必ず投げたものが自分に返ってくる』んです。「ありがとう」と言われるのが一番いい生き方なのです。相手から奪うのではなくて、どんどん与えればいいのです。
感謝というのは、ありがたいと心で思うだけではなくて、ありがたいと思ったことを、人にも同じ喜びを与えて、初めて感謝が完成するのです。つまり『返謝』が大切なのです。『返謝で感謝が完成する』のです。
「ありがとう」を言うより、「ありがとうを言ってもらう側に立つ」方が難しいのですが、そこに立つとあなたは輝き始めることでしょう。もらった同じ喜びを人に与える。優しさや智恵や助けをもらったら、必ず返すことです。(終)
人は互いに敬愛し、施しあわなければならないのに、わずかな利害のために、互いに憎み争うことだけをしている。(無量寿経)
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