私がこの内観を体験したのは、25才を迎えてすぐでした。25才といえば、世間ではもう立派な年で、自分の人生観、価値観、存在感など確立されていてもおかしくない年だと思います。
私も、おぼろげながらですが、これまでへの反省、これからの人生設計など自分なりに考えていました。今まで親に迷惑をかけた事、金銭面においてまだ迷惑をかけているという事実を踏まえた上で、考えているつもりでしたが、内観というものをしてみて初めて、考えがまだまだ足りなかったという事に気付かされました。
25才というとターニングポイントというのは言い過ぎかもしれませんが、女性にとっては何かしらの転機であると思います。これまでの私は、「親に迷惑をかけて生きている、少しでも負担を減らそう。」という考えでしたが、その様な考えでは、表面的な決意と言わざるをえません。
内観をしてみると、親にはもっと深くお世話になっており、ご迷惑も金銭的だけではない事がわかりました。今までの私は、金銭的なことばかりをみて、金銭的な自立を果たしたら、迷惑もなくなると思っていました。
今回、自分の父親、母親について出来るだけ、相手の立場に近づいたつもりで考えてみましたが、金銭面以外でのご負担をかなりかけてきていると思いました。
私が母親になってみたとして、子供が大学生という年齢になっているのに、毎月福岡から広島まで行けるだろうか。娘が空手を始めたからといって、仕事もしているのに、地元で習える道場を探したり、自分も一緒になって習うことができるだろうか。
私が父親になってみたとして、中学生の娘が遊び半分でやったこっくりさんが、怖いと泣いているのを、怒りもせずに手をつなぎ、一緒にすみませんでしたと、朝まで謝りつづけることができるだろうか。仕事もしているのに遊んで夜中に帰ってくる娘を、何も言わずに迎えに行けるだろうか。私は多分ひとつもやってあげる事が出来ないと思います。
それほどまでに愛情が深い両親の事を今まで何と軽率に扱ってきたのだろうと思います。今の私は、この両親が培ってきて頂いた土台の上に乗っているのであって、何一つ自分を見出せませんでした。
ひとつ救いになったのは、内観している時に聞かせていただいた、親が自分の子供に対して内観をしているテープです。そのテープで、子供にしていただいた事として、元気に遊んで笑ってくれる顔というのがありました。私の幼い頃、両親もそうやって見てくれていたのだろうなと思います。
もしかしたら、私にも子供ができ、子供と初めて見たときに感じるかもしれません。子供に対して色々やってあげられるのかも知れません。これからは、出来るだけ両親に迷惑をかけずに、少しでも今までのご恩に報いれるように心掛けて生きていきたいと思います。
両親が私に対してかけてくれている愛情を、これからは少しずつになるとは思いますが、返す愛情として形にしていきたいと思います。25の年にこれに気付いた事は、何より大切であるという事だと思いますので、帰ってからも決して忘れません。
最後になりますが、今回内観の深まりを助けてくださってありがとうございました。来る前までは、一度くらいならと思っていましたが、今では何回も内観をなさる方の気持ちもわかるように思います。
自分を振り返ることで、今までの自分と別の自分にとはいきませんが、今までとは違った自分になれる様な心掛けを忘れずにいる事は出来ると思います。本当にお世話になり、ありがとうございました。
お食事を作って頂いた方、本当にありがとうございました。私がアレルギーなので、すごく献立など悩まれたと思います。ご迷惑をおかけしました。すごくおいしかったです。(終)
賢い人とは、常に感謝の気持ちを持ち、直接自分に親切にしてくれた人だけではなく、すべての人に対して思いやりを持つことによって、感謝の気持ちを表そうとする人である。(パーリ、増支部)
*あなたも メールマガジン「幸福ニュース」を購読しませんか。費用は、無料です。 下記に登録するだけで、E-MAILで毎月3回自動配信されます。 メールマガジン登録 メールマガジン解除
|
|