内観に来る前に内観の本を一冊読んでいたので、大体どういう事をするのか理解していたつもりでした。ですが、実際来てみての感想は、とにかく始めの3日間ぐらいは本当に辛かったです。過去の自分のした事を調べるという行為自体は辛くなかったのですが、薄暗いびょうぶの中で一日中じっとして過ごすという事、また、人と一切話ができないという事が相当に辛いものでした。
びょうぶの中にいるという事にやっと慣れてきたかなと思えるのは4日目になってからの事です。それからは、ただ、言われるがまま過去の出来事を調べていたのが、自分なりに色々な角度から、その時の状況を分析する事ができていったように思えます。
おぜんを毎食後運んで頂いている、「して頂いている事」と気付いてハッとしたのも四日目の事でした。そう気付いた時は、「自分で持って行かなければーーー」と思い、いてもたってもいられなくなりました。
4日目に内観が深まったなと実感できたのは母に対しての24才から25才の自分を調べていた時のことでした。母に言われたたった一言の言葉を思い出し、その時はありがとうとしか思っていなかったのに、びょうぶの中では、その言葉から24才にもなっている私を母はまだ面倒見てくれているんだという事に気付けたのです。
私が大人になっていようといくつになっても母は私の面倒を見てくれるんだなあと思った瞬間、目には涙があふれていました。そして少しの間、声を押し殺して泣いていました。泣き止んだと思ったのですが、面接の時また涙があふれ、私はお坊さんの前でひどく泣いてしまいました。
また、父にたいしても養育費を計算してみた時、本当にお世話になっている事がわかりました。父に対して調べてみている時、父は当然毎日仕事で外にいる為、あんまりお世話になった事がないなあと調べるのに苦労していました。
ですが、そんな自分はとんでもなく間違えていました。とても失礼でした。母に数え切れない程のお世話をしていただけたのも、全ては父が毎日夜遅くまで働いて、私や家族の為に生活費を稼いでくれていたお蔭なんです。
父無しでは母に感謝することさえ出来なかったはずです。そう気付けた時、心の中で父に「今までどんなに大変だったのかな?何十年もお疲れ様、本当にありがとう」と言っていました。
私をここまで育てるのに2千万円もかかっていたとは本当に驚きました。とてもお返しできない額ですが、これから先少しでも親孝行しなくてはいけません。一度父に連れて行ってもらったハワイにはいつか絶対私が今度は連れていきます。
それから、途中先生がおっしゃられた事で、「なるほどな」とすごく思えたことがありました。般若心経の「空」の精神です。「物事にとらわれ過ぎなさんな。こだわり過ぎなさんな。かたより過ぎなさんな。」という事と知って、私は大変納得しました。
私は今まで仕事に対してすごくとらわれ過ぎ、こだわり過ぎていたという事に気付きました。私はずっとスチュワーデスになる事はやめたんですが、その後も英語を使える仕事に就きたいと、ずっと仕事を探す際、選んでいました。そうこうしているうちに24才にもなっていました。
この「空」の精神を聞いた時、私に足りなかったもの、私に必要だったのは、この考えだと思いました。もし、この考え方でいれば、私は他のチャンスを得る事もできたかも知れないのに、無駄にしてきたのかもしれません。
最後に、これからは内観を通して得たことをしっかりと胸に受け止め、次のように生きていきたいと考えています。
1)物事や人に対しては当たり前は捨て、常に違った見方や考え方をするという事。それによって自己中心的な考え方ではなく、他人から見た、他の視点から見た考え方もできるようになる事。
2)物事や人に対しては常に「感謝・奉仕・謝罪」の気持ちを忘れないで生きる事。
3)般若心経の「空」の精神を肝に銘じ、宇宙のように広く、水のように柔らかい心を持って生きる事。
以上、この三点を常に心の中にとめ、生きていけるよう努力していきたいと思います。どうもお世話になりました。ありがとうございました。
最後に、お食事はとてもおいしかったです。作って頂いた方にお礼と感謝の気持ちをお伝え下さいませ。本当にどうもありがとうございました。(終)
すべてのものは互いに関係して成り立ち、互いによりあって存在するものであり、ひとりで成り立つものではない。(維摩経)
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